
結論: AI適用診断は、料金表や実績社数の多さで選ぶものではなく、「診断の型・期間と体制・成果物・本番接続の有無・料金の出し方」という5つの軸で比べて選ぶものです。この記事では、複数の診断サービスを打診している方に向けて、比較の5軸とそのまま使えるチェックリスト、公的な自己診断との違いを整理します。
この記事の要点
- AI適用診断は「型・期間と体制・成果物・本番接続の有無・料金の出し方」の5つの軸で比べると、料金表だけでは見えない違いが分かる
- 同じ「AI適用診断」でも、自己診断ツール型・訪問コンサル型・短期パッケージ型では、誰が診断するか、期間、向いている企業規模が違う
- 「本番接続の有無」は見落としやすい軸。診断だけで終わる設計か、実装まで前提にした設計かで、そのあとに何が別料金になるかが変わる
- 公的な自己診断の指標もある。IPAの「DX推進指標」(DX=デジタルによる業務・事業の変革)は、自社でDX推進の現状を振り返るための指標
この記事は、複数の会社にAI適用診断を打診していて、価格表や実績社数だけでは違いが分からない方に向けて書いています。何を基準に比べればよいかを決めようとしている中小企業の経営者・DX推進担当・情シス担当が対象です。診断そのものの中身をまだ知らない方は、先にAI適用診断とは?を読んでください。この記事は、診断の中身をすでに知っていて「候補をどう比べるか」だけに絞って書きます。
今日やることは1つです。この記事の「比較チェックリスト」をコピーして、打診している候補社すべてに同じ質問を送ってください。回答を横に並べた時点で、型・期間・成果物・本番接続・料金の違いがそろい、比べやすくなります。
AI適用診断を「比較」するときに迷う理由
迷うのは、同じ「AI適用診断」という名称でも、中身が違う代表的な3パターンが混在していることが多いからです。担当者が自分で答える自己診断ツール型、外部の専門家が訪問・面談して進めるコンサル型、期間を区切って進む短期パッケージ型の3つです。見積書や紹介ページの言葉だけでは区別がつきません。
価格表や導入実績の社数を並べても、この違いは埋まりません。実績社数は、1回きりの簡易診断も、数週間かけた伴走型の診断も同じ「1社」と数えられるからです。だからこそ、比べる前に「型」を含めた5つの軸を先に持っておく必要があります。
確かめ方: 候補のサービスに問い合わせる最初の1通で、「御社の診断は、担当者が自分で回答する形ですか、それとも専門家が訪問・面談する形ですか」と聞きます。この1問への答え方で、残り4つの軸を聞く順番が決まります。
AI適用診断を比べる5つの軸
図の内容: AI適用診断を比べる5つの軸(診断の型・期間と体制・成果物・本番接続の有無・料金の出し方)。5つをそろえて比べる必要があることを示す。
なお、「診断」という名前でもセキュリティ・業務適用・組織・個人スキルなど測る対象が異なるため、AI診断サービスの4つの種類と選び方5基準・料金の見方もあわせて確認すると、自社に必要な診断を取り違えにくくなります。
比較を始める前にやること|候補社の絞り込み方
比較の前に、自社の目的に合う候補社に絞り込んでおくと、あとの質問送付が楽になります。候補が多すぎると、回答を横に並べる作業自体が負担になり、比較そのものが途中で止まってしまうからです。
候補を探すときは、公式サイトの「診断」ページの書き方にも手がかりがあります。設問への回答フォームがそのまま診断になっている会社は、自己診断ツール型に近い設計です。「まずは無料相談」としか書かれていない会社は、訪問・面談コンサル型か短期パッケージ型のどちらかであることが多いです。ページの説明だけで型が分からない場合は、最初の問い合わせで型を確認してから、比較チェックリストの残り4問を送ります。
確かめ方: 候補社の一覧は、社名・型(分かれば)・問い合わせた日付の3列だけの簡単な表で構いません。型が分からない列は空欄のままにしておき、返信が来た時点で埋めていきます。
比較軸1: 診断の型(自己診断・訪問コンサル・短期パッケージ)
診断の型は大きく3パターンに分かれます。誰が診断するかで、進み方も向いている会社も変わります。
- 自己診断ツール型: 担当者自身が設問に回答し、その場で現状を確認します。外部の専門家は介在しません
- 訪問・面談コンサル型: 外部のコンサルタントが訪問または面談し、聞き取りを重ねながら進めます。日程調整が発生しやすい形です
- 短期パッケージ型: 専門家があらかじめ決めた期間・内容で短期集中で進めます。次の一歩(研修・試作・実装のどれに進むか。診断のあとに進む先は主にこの3つです)を早く決めたい会社に向いています
| 型 | 誰が診断するか | 進み方の特徴 | 向いている企業規模・場面 |
|---|---|---|---|
| 自己診断ツール型 | 担当者自身 | 設問に回答して完結。外部の専門家は入らない | 規模を問わず、まず現状を自分たちで知りたい会社 |
| 訪問・面談コンサル型 | 外部コンサルタント | 訪問・面談を重ねて聞き取る。日程調整が要る | 経営層の合意形成を丁寧に進めたい中堅企業以上 |
| 短期パッケージ型 | 専門家(期間・内容を先に決める) | 期間をあらかじめ区切って短期集中で進む | 次の一歩を早く決めたい中小企業 |
公的な自己診断の指標の例が、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の「DX推進指標」です。経営者や社内関係者がDX推進の現状・課題認識を共有し、行動につなげる気付きの機会を提供するもので、自社でDX推進の現状を振り返るために使えます(IPA・DX推進指標について・参照日: 2026年9月25日)。利用料金の明記はページになく、無料と断定はできません。
1社が複数の型を用意していることもあります。たとえば、最初に無料の自己診断で現状をつかんでもらい、興味を持った会社にだけ訪問・面談コンサル型を案内する、という2段階の設計です。この場合は、どちらの段階を比較したいのかを先に自社で決めておくと、話がかみ合いやすくなります。
3つの型は「誰が診断するか」で分かれる
図の内容: 診断の3つの型(自己診断ツール型・訪問面談コンサル型・短期パッケージ型)を、誰が診断するかと進み方の違いで整理した図。
確かめ方: 「この診断は3つのうちどの型に一番近いですか」と直接聞きます。複数の型が混ざっている場合は、どこまでが標準の範囲で、どこからが追加費用かも合わせて確認します。
比較軸2: 期間と体制(現場同席の有無)
期間は型によって幅がありますが、比較で見落としやすいのは「現場同席の有無」です。現場に入って業務を見ながら進める体制か、資料のやり取りだけで進める体制かで、診断の精度と手間が変わります。
| 体制 | 特徴 | 向いている会社 |
|---|---|---|
| 現場同席あり | 担当者が実際の業務を見ながら聞き取る。業務の細部まで拾いやすい | 現場ごとにやり方が違う会社、口頭では伝わりにくい業務がある会社 |
| 現場同席なし(資料ベース) | 資料や打ち合わせのやり取りだけで進む。日程調整の負担が軽い | 業務がすでに整理されている会社、まずは概観をつかみたい会社 |
参考として、AI Expertの標準診断は期間2週間・現場同席ありの設計です。期間と料金の詳しい目安はAI適用診断の期間にまとめています。
現場同席がある診断は、担当者の時間だけでなく、社内の情報をどこまで見せるかという調整も必要になります。同席の前に、どの業務・どの資料を見せる範囲にするかを先に決めておくと、当日の進行がスムーズです。
確かめ方: 「診断の期間中、御社の担当者は何回・何時間、現場や打ち合わせに時間を取られますか」と数字で聞きます。「随時対応します」としか答えない場合は、実際の負担が見積もりにくいので、想定の回数と時間を書面で出してもらいます。
比較軸3: 成果物・レポートの中身
診断が終わったときに手元に何が残るかは、契約前に必ず確認すべき軸です。一般的な診断でよく提供されるのは3種類です。現状を点数化したスコアリング表、取り組む順番を示す優先順位づけ、次工程の進め方をまとめた提案書です。
| 成果物 | 中身 | 使い道 |
|---|---|---|
| スコアリング表 | 業務やAI活用の現状を項目ごとに点数化したもの | 社内で現状を共有し、経営会議で説明する材料にする |
| 優先順位づけ | どの業務から着手すべきかの順番の提案 | 次にどこへ予算をかけるかを決める判断材料にする |
| 次工程の提案書 | 研修・試作(PoC)・実装のどれに進むかの提案 | 社内稟議や、次の発注先を選ぶときの土台にする |
3種類がそろっているかだけでなく、「誰が読んでも判断できる書き方か」も見ておく必要があります。専門用語だけで書かれた提案書は、社内で説明し直す手間がかかります。レポートの読み方や確認したい項目はAI適用診断のレポートに詳しく書きました。
3種類がそろっていても、内容の深さは会社によって差が出ます。優先順位づけが「まず情報収集から始めましょう」のような一般論で終わっている提案書は、自社の業務に踏み込めていないおそれがあります。自社の部署名や実際の業務名がどれだけ登場するかも、判断材料になります。
内容の深さを確かめるもう1つの方法が、支援実績の具体的な数値です。社名を出せない会社が大半です。それでも「削減できた作業時間」「短縮できた期間」のような数字だけでも添えられる会社は、提案が総論で終わっていない可能性が高くなります。数字を一切出せない場合も悪いとは限らず、守秘義務の都合であることが多いので、出せない理由もあわせて聞いておくと安心です。
確かめ方: 「成果物のサンプル(社名を伏せたもの)を契約前に見せてもらえますか」と聞きます。断られる場合は、成果物のページ数と目次だけでも出してもらってください。
比較軸4: 本番接続の有無(診断だけで終わるか)
見落としやすいのがこの軸です。AIを実際の業務システムにつなぐこと(=本番接続)まで診断が前提にしているかどうかで、診断のあとに何が始まり、何が別料金になるかが変わります。
「本番非接続」とはっきり書いている診断は、現状整理と次の一手の提案までが範囲で、実際にAIを業務システムにつなぐ実装は別契約になります。一方、実装まで前提にした診断は、診断の時点ですでに次の作業まで見込んだ設計になっていることがあります。どちらが良い・悪いという話ではなく、「診断のあと、何にいくらかかるか」を事前にそろえて比べる必要があります。
参考として、AI Expertの適用診断は本番非接続の設計です。診断で研修・試作・実装のどれに進むかを切り分け、実装は別契約として進めます。本番接続に必要な条件はAI適用診断の本番接続に書きました。
本番接続を前提にしていない診断でも、次工程への案内自体は用意されていることが多いです。診断だけで一区切りにしたいのか、そのまま同じ会社に実装まで頼みたいのかを比較の段階である程度決めておくと、次工程の選び方がスムーズになります。
実装まで一気通貫(=診断から実装まで同じ会社に続けて任せられること)で対応できる体制があるかどうかも、契約前に確認しておきたい点です。診断・PoC・実装を別々の会社に頼むと、そのたびに現状説明をやり直す手間が発生します。同じ会社が次工程まで対応できるのかを確認します。対応できない場合に、他社へ引き継ぐための資料をどこまで用意してもらえるのかも、あわせて聞いておくと後戻りが少なくなります。
診断・PoC・実装は別々の契約段階に分かれることが多い
図の内容: AI適用診断(15万円・30万円)→PoC(目安100万円〜)→本番実装(別契約)という価格の階段。診断は最初の1段目に位置づく。
確かめ方: 「診断のレポートを受け取ったあと、そのまま実装を発注しなければならない契約になっていますか」と聞きます。実装を前提にしていない診断でも、次工程(PoC支援など)へどうつながるかはAI PoC支援で確認しておくと、比較のあとの動きがスムーズです。
診断を本番接続までつなげる具体例として、データ入力AI自動化の導入5ステップでは、できる範囲の見極めから試験導入の確かめ方まで整理しています。
比較軸5: 料金の出し方(先に金額を出すか要問い合わせか)
料金の出し方も、会社によって「先に金額を示す型」と「要問い合わせで個別見積もりになる型」に分かれます。先に金額を出す型は比べやすい一方、要問い合わせ型は自社の状況に合わせた見積もりになりやすい、という違いがあります。どちらが優れているわけではなく、比較のしやすさが変わるだけです。
参考として、AI Expertはライト診断15万円、標準診断30万円(税別)と料金を先に示しています。当社の診断(15万〜30万円)は、PoCの一般的な相場(100万円〜)の手前の価格帯にあたります。診断→PoC→開発と段階的に価格が上がる構成は、業界でよく見られる形です。相場全体の詳しい幅はAI適用診断の費用相場に書きました。
要問い合わせ型の会社に当たった場合は、金額そのものより「何が含まれ、何が含まれないか」を先に文書で出してもらうと、あとから比べやすくなります。
料金を先に示している会社でも、対象人数や部署数が増えると追加費用が発生する場合があります。標準料金がどこまでの規模を前提にしているかも、契約前に確認しておきたい点です。
確かめ方: 「診断の範囲に含まれるものと、追加費用になるものを、契約前に一覧で出してもらえますか」と聞きます。口頭の説明だけで終わる会社は、あとから追加費用が積み上がりやすいので注意します。
AI適用診断とAIコンサルは何が違うか
AI適用診断は、現状を整理して「研修・試作・実装のどれで進むか」を短期間で切り分ける入口です。AIコンサルは、方向性が決まったあとの実行支援まで含む、より長い伴走を指すことが多い言葉です。
言葉の使われ方は会社によって幅があるため、名称だけで判断せず、期間と成果物の中身で見分けるのが確実です。診断とコンサルの損益分岐点や、どちらを先に頼むべきかはAI診断とAIコンサルの違いで詳しく整理しています。
確かめ方: 「御社が『診断』と呼んでいるものは、期間が区切られた単発の作業ですか、それとも継続的な伴走ですか」と聞きます。答えが曖昧な場合は、契約書の契約期間の欄で確認します。
診断を申し込む前に、公的窓口も含めてAI導入の相談先をどう使い分けるか迷う場合は、AI導入の相談窓口の使い方|相談前〜後の5ステップと質問7つで相談メモの作り方と当日の質問を確認できます。
比較チェックリスト|5軸×確認する質問
ここまでの5軸を、そのまま候補社に送れる質問の形にまとめました。全社に同じ文面で送り、回答を横に並べて比べてください。
| 軸 | 確認ポイント | 聞く質問 |
|---|---|---|
| 1 診断の型 | 誰が診断するか | 自己診断・訪問面談・短期パッケージのどれに近いですか |
| 2 期間と体制 | 現場同席の有無・所要期間 | 期間は何日で、現場同席は何回・何時間ですか |
| 3 成果物 | 手元に残るものの種類 | スコアリング表・優先順位づけ・次工程の提案書はそれぞれ出ますか |
| 4 本番接続 | 診断だけで終わるか | 診断後に実装を前提とした契約になりますか、別契約ですか |
| 5 料金の出し方 | 先に金額を出すか要問い合わせか | 標準料金と追加費用になる条件を一覧で出せますか |
AI適用診断について、次の5点をお知らせください。
1. 御社の診断は、自己診断・訪問面談・短期パッケージのどの型に近いですか
2. 診断の期間と、弊社側の現場同席(回数・時間の目安)を教えてください
3. 診断後に受け取れる成果物(スコアリング表・優先順位づけ・次工程の提案書など)を教えてください
4. 診断は本番接続を前提としていますか、それとも診断だけで完結し実装は別契約ですか
5. 標準料金に含まれるものと、追加費用になる条件を一覧で教えてください候補社からの回答が集まったら、次の表に転記すると横に並べて比べやすくなります。空欄のまま印刷・コピーして使ってください。
| 軸 | A社の回答 | B社の回答 | C社の回答 |
|---|---|---|---|
| 1 診断の型 | |||
| 2 期間・現場同席 | |||
| 3 成果物 | |||
| 4 本番接続 | |||
| 5 料金の出し方 |
候補社が4社以上になる場合は、列をそのまま増やして使えます。
チェックリストの使い方は4段階
図の内容: 比較チェックリストの使い方4段階。候補を洗い出す→同じ質問を全社に送る→回答を横に並べる→5軸で見比べて選ぶ。
確かめ方: 質問テンプレを送った日付を記録しておき、回答の速さも比較の材料に加えます。期日を過ぎても回答がない会社は、それ自体が1つの判断材料になります。
比較で失敗しやすいパターン3つ
比較を進めるうえで、陥りやすい失敗が3つあります。あらかじめ知っておくと、比較の途中で立ち止まらずに済みます。
1つ目は、価格だけで決めてしまうことです。安い診断が悪いわけではありません。ただし、成果物の中身や本番接続の有無を確認しないまま金額だけで比べると、あとから「思っていたものと違う」という食い違いが起きやすくなります。
2つ目は、1社だけで比較を終えることです。1社しか聞かなければ、その会社の説明が業界の標準なのか、その会社独自の条件なのかが判断できません。複数の会社に同じ質問を送って、初めて「比較」になります。
3つ目は、口頭の説明だけで契約を進めてしまう点です。とくに料金の出し方(比較軸5)と本番接続の有無(比較軸4)は、契約書や見積書の文言で確認しないと、あとから解釈の違いが表面化しやすい項目です。
確かめ方: 比較チェックリストの5つの質問への回答は、メールや提案書などの文書で受け取り、口頭だけのやり取りで終わらせないようにします。
自社の状況別|重視すべき軸の組み合わせ
5つの軸すべてを同じ重さで見る必要はありません。自社の状況によって、優先して確認すべき軸は変わります。
- 初めてAI適用診断を頼む会社: 軸3(成果物)と軸4(本番接続)を最初に確認します。診断で何が手に入り、そのあと何をすればよいかが見えないと、診断を受けた意味が薄れるからです
- 過去に診断や調査を受けたが、その後の実行につながらなかった会社: 軸2(期間と体制)を重く見ます。現場同席がなく資料のやり取りだけで終わる診断は、現場の実情を拾いきれず、提案が総論で終わりやすいためです
- 実装まで早く進めたい会社: 軸4(本番接続)と軸5(料金の出し方)を先に確認します。診断のあと同じ会社にそのまま頼めるのか、別の会社を探す必要があるのかで、その後のスケジュールが変わります
- 複数部署にまたがる業務を診断したい会社: 軸1(診断の型)と軸2(期間と体制)を重く見ます。部署ごとにやり方が違う場合、訪問・面談型でないと差を拾いきれないことが多いからです
自社がどれに近いかを先に決めてから比較チェックリストを送ると、回答の読み方も変わります。
確かめ方: 5つの質問への回答がそろったら、まず自社が重く見る軸だけで一次選考をし、残った候補で他の軸も含めて最終判断します。
早見表|5軸の「良い答え」と「あいまいな答え」
質問を送ったあと、返ってきた答えをこの表に当てて比べます。
| 軸 | 良い答えの例 | あいまいな答え |
|---|---|---|
| 1 診断の型 | 「訪問面談型で、聞き取りの回数は見積書に記載しています」 | 「柔軟に対応します」とだけ答える |
| 2 期間と体制 | 「期間は2週間。現場同席の回数と所要時間は見積書に記載しています」 | 期間も同席回数も数字で答えない |
| 3 成果物 | 「スコアリング表・優先順位づけ・提案書の3点を納品」 | 「レポートをお渡しします」とだけ答える |
| 4 本番接続 | 「診断は本番非接続。実装は別契約です」 | 診断と実装の境目を説明しない |
| 5 料金の出し方 | 「標準料金と追加費用の条件を一覧でお渡しします」 | 「まずはご相談を」とだけ答える |
AI適用診断を今すぐ比較しなくていい会社と、この記事に含まれないこと
次のいずれかに当てはまる会社は、比較より先に社内で決めることが残っています。
- すでに導入対象のAIツールや業務が1つに決まっている(診断より、その実装先の選定が先です)
- 実装まで一気に頼みたい(診断ではなくPoC・受託開発が対象です。AI PoC支援を先に読んでください)
- 社内でAI活用の方向性がまったく議論されていない(診断の前に、経営層で1度話す場を作る方が先です)
- 予算がまだ確保されていない(診断の料金帯をAI適用診断の費用相場で先に把握してから社内調整する方が早いです)
この記事に含まれないこと:
- 特定の会社の実名比較・価格ランキング(本ブリーフ作成時に他社の実名価格を個別確認していないため書きません)
- 診断そのものの定義・仕組み → AI適用診断とは?
- 実名の導入事例の有無と読み方 → AI適用診断の事例
- 診断のあと、本番化へ進む具体的な手順 → AI適用診断の本番化
Summary in English
This article is a comparison guide for small and mid-sized companies in Japan evaluating multiple “AI tekiyo shindan” (AI applicability diagnosis) services. The same label covers three different formats: a self-assessment tool the client fills in alone, a visiting/interview-based consulting format, and a short fixed-period package led by an outside specialist. Rather than comparing vendors by client count or a price list alone, the article proposes five axes to compare: (1) the diagnosis format (who runs it), (2) duration and whether the vendor visits the client’s site, (3) the deliverables (a scoring sheet, a prioritized list of what to tackle first, and a proposal for the next step), (4) whether the diagnosis connects to production or ends as a standalone report, and (5) how pricing is disclosed (fixed upfront versus quote-on-request). As a reference point, AI Expert’s own diagnosis is priced at ¥150,000 for a light version and ¥300,000 (excluding tax) for a standard version, runs for two weeks with on-site sessions, and does not connect to production systems — the next step, a proof of concept, typically starts around ¥1,000,000, positioning the diagnosis as an earlier, lower-cost step. A public self-assessment framework also exists: Japan’s Information-technology Promotion Agency (IPA) operates the “DX Suishin Shihyo” (DX Promotion Indicators), a tool for management and staff to share their current understanding of digital transformation and turn it into action. The article provides a copy-and-paste question template covering all five axes so readers can send the same questions to every vendor they are considering and compare the answers side by side.
まとめ|5軸で比べれば、料金表だけでは決められない
AI適用診断の比較で押さえることを整理します。
- 比べる軸は5つ。診断の型・期間と体制・成果物・本番接続の有無・料金の出し方
- 診断の型は3パターン。自己診断ツール型・訪問・面談コンサル型・短期パッケージ型で、誰が診断するかが違う
- 見落としやすいのは「本番接続の有無」。診断だけで終わる設計か、実装まで前提にした設計かで、あとの費用が変わる
- 料金は先に金額を出す型と要問い合わせ型に分かれる。要問い合わせの場合は、含まれるものと追加費用の条件を先に文書で出してもらう
- 公的な自己診断の指標(IPAのDX推進指標)もある。有償の診断とは、外部の専門家が関わるかどうかで役割が違う
- 質問は全候補に同じ文面で送り、回答を横に並べて比べる
次のアクションは、3つのうちどれか1つで構いません。
- 今日: この記事の「比較チェックリスト」をコピーして、候補社すべてに同じ文面で送る
- 今週: 回答を表に転記し、5軸で横に並べて見比べる
- 今月: 絞り込んだ候補と、診断のあとの進め方(研修・試作・実装のどれに進むか)まで含めて話す
どの型が自社に合うかは、業務の現場を見てほしいかどうかでも変わります。迷う場合は、無料相談で自社の状況を話しながら、診断の型を一緒に整理することもできます。
次に読む
- まだ「AI適用診断とは何か」を知りたい → AI適用診断とは?30万円を払う前に「分かること・分からないこと」
- 費用の相場をもっと詳しく知りたい → AI適用診断の費用相場|15万〜30万円とPoC100万円の違い
- 診断とAIコンサルの違いを詳しく知りたい → AI診断とAIコンサルの違い|現状把握と実装支援を分ける理由
- 診断の次の工程(PoC)を検討している → AI PoC支援|費用相場100万円〜と支援会社の選び方4点
更新履歴
- 2026-09-25: 初版公開。AI適用診断を比べる5つの軸(型・期間と体制・成果物・本番接続の有無・料金の出し方)、比較チェックリスト、IPA「DX推進指標」と有償診断の役割の違いを整理
- 次回更新予定: 2026年10月(IPAのDX推進ポータルの案内内容と、AI Expertの診断設計に変更がないかを再確認します)
本記事は2026年9月25日時点のAI Expertのサービス設計とIPA公式資料に基づきます(公開日: 2026年9月25日)。各社の料金・診断内容は変わることがあるため、最終確認は各社の公式サイトや商談で行ってください。
参考・出典
- IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「DX推進指標について」 https://www.ipa.go.jp/digital/dx-suishin/about.html(参照日: 2026年9月25日)
- 当社調査: AI Expertのサービス設計(ライト診断・標準診断の料金・期間・本番接続の有無)
FAQよくある質問
- AI適用診断のサービスはどこで比較すればいいですか?
- 会社の一覧やランキングではなく、「診断の型・期間と体制・成果物・本番接続の有無・料金の出し方」という5つの軸で比べます。同じ「AI適用診断」という名称でも、自己診断ツール型・訪問コンサル型・短期パッケージ型では中身が大きく違うため、まず候補のサービスがどの型かを確かめてから、5軸の質問を同じ文面で聞くと比べやすくなります。
- AI適用診断を選ぶときに見るべき基準は何ですか?
- 診断の型(誰が診断するか)、期間と現場同席の有無、診断後に手元に残る成果物、本番接続の有無、料金の出し方(先に金額を出すか要問い合わせか)の5つです。どれか1つだけで決めず、5つをそろえて比べることで、価格表だけでは見えない違いが分かります。
- AI適用診断とAIコンサルの違いは何ですか?
- AI適用診断は、現状を整理し「研修・試作・実装のどれで進むか」を短期間で切り分ける入口です。AIコンサルは、方向性が決まったあとの実行支援まで含む、より長い伴走を指すことが多い言葉です。まず現状把握をしたい段階なら診断、実行の手を動かす段階ならコンサル、という順番で考えます。
- 無料の自己診断ツールと有償の診断サービスはどう違いますか?
- 自己診断ツールは、担当者が設問に答えて自分たちで現状を確認するものです。公的な例がIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が運営する「DX推進指標」で、経営者や社内関係者がDX推進の現状・課題認識を共有し行動につなげる気付きの機会を提供するもので、DX推進の現状を自社で振り返るために使えます(IPA公式サイトに利用料金の記載はなく、無料と断定はできません)。有償の診断サービスは、外部の専門家が現場を見て、次の一手まで提案する点が異なります。
- AI適用診断の費用はサービスによってどのくらい違いますか?
- 料金の出し方自体が会社によって異なり、先に金額を示す会社と、要問い合わせで個別見積もりになる会社があります。参考として、AI Expertのライト診断は15万円、標準診断は30万円(税別)です。診断の次の工程にあたるPoC(試作)は100万円〜が目安になることが多く、診断はその手前の価格帯に位置づきます。
- AI適用診断はどのくらいの期間で終わりますか?
- 型によって幅があります。自己診断ツール型はその場で完結し、訪問・面談を伴うコンサル型は日程調整を含めて時間がかかりやすく、短期パッケージ型はあらかじめ期間を区切って進めます。参考として、AI Expertの標準診断は2週間で完了する設計です。
- 診断の結果はそのまま本番導入につながりますか?
- サービスによって異なります。「本番非接続」とはっきり書いている診断は、現状整理と次の一手の提案までが範囲で、実装は別契約になります。実装まで前提にした診断もあるため、診断のあとに何が始まり、何が別料金になるのかを契約前に確認してください。
- 比較チェックリストはどうやって使えばいいですか?
- 記事内の表にある5軸それぞれの質問を、候補のサービスすべてに同じ文面で送ります。回答を横に並べると、型・期間・成果物・本番接続・料金の出し方の違いが一覧になり、どの会社が自社の状況に合うかを判断しやすくなります。


