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AI 研修 選び方|発注前に決める7つの条件と絞り込み表【2026年10月】

AI研修を選ぶ前に決める7つの条件を、目的・形式・題材・助成金・情報の扱い・測り方・費用の順に整理。厚生労働省の令和8年8月3日版資料で助成の可否を確かめる点と、候補を絞る早見表を載せました。

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AI Expert 編集部運営 Orga合同会社

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AI 研修 選び方|発注前に決める7つの条件と絞り込み表【2026年10月】

結論: AI研修の選び方は、研修会社を見比べることではなく、自社の「7つの条件」を先に決めて研修の種類を絞ることです。この記事では、目的・形式・題材・助成金・情報の扱い・測り方・費用の見方を順に書き、最後に条件から種類を絞る早見表と、会社へそのまま送れる質問テンプレを置きました。

この記事の要点

  • 会社の一覧を見る前に、目的と受講者・形式・題材・助成金・情報の扱い・測り方・費用の見方の7条件を自社で決める。条件が決まると、候補の種類は自然に絞れる
  • 助成金を使えるかは、研修の形式で変わる。厚生労働省の概要リーフレット(令和8年4月8日版)は、eラーニング・通信制・定額制サービスを経費助成のみ、賃金助成は対象外と書いている
  • 助成を狙うなら、研修会社を決める前に、時間と手順の条件を確かめる。たとえば、訓練が10時間以上であること、計画届(=研修の内容を事前に労働局へ知らせる書類)を訓練開始日の6か月前から1か月前までに出すことがある
  • 研修で扱う情報の範囲と、研修後の測り方は、発注前に決める。契約後に決めると、比べる材料がなくなる
  • 今日やることは、7つの条件を1枚に書くこと。書けない欄は社内の人に聞き、それでも書けない欄だけが、研修会社への最初の質問になる

この記事は、AI研修を初めて発注しようとしている中小企業の人事・総務・DX推進の担当者と、経営者に向けて書いています。研修会社の一覧を見る前に、何を基準に、どんな種類の研修へ絞るかを決めようとしている場面を想定しています。「AI研修をやること」と予算の目安は決まっている前提です。会社ごとの違いを比べる段階なら、eラーニング型と伴走型(=研修後も質問や見直しに付き合う支援がつく型)の違いをAI研修会社の比較・選び方に書きました。見積を取った後に3社を並べる方法はAI研修の相見積もりに書いています。

今日やることは1つです。この記事を読みながら、7つの条件を、A4の紙1枚かメモ1つに、自社の答えで書き出してください。書けない欄は、次の表の「まず聞く相手」に聞きます。それでも書けなかった欄だけが、研修会社に最初に聞くことになります。

先に決める|選ぶ前の7つの条件と順番

選ぶ前に決めるのは、①目的と受講者、②形式、③題材(=研修で実際に使う資料や業務の例)、④助成金、⑤情報の扱い、⑥測り方、⑦費用の見方の7つです。順番にも意味があり、前の条件が後の条件の選択肢を狭めます。

たとえば、目的が「全社員の底上げ」なら、形式はeラーニングや集合研修が候補になります。ところが助成金を使うと決めた時点で、形式によって助成の扱いが変わります。逆に、先に会社を選んでしまうと、その会社が得意な形式に目的のほうを合わせることになりがちです。

7つの条件は、前の条件が後の条件を制約する順に決める

AI研修を選ぶ前に決める7つの条件の順番目的と受講者、形式、題材、助成金の4つを上段、情報の扱い、測り方、費用の見方の3つを下段に、左から右へ矢印でつないだ図です。前の条件が後の条件の選択肢を狭める順番を示します。① 目的と受講者誰が何をできるか② 形式集合か画面越しか自習か③ 題材自社の業務で演習するか④ 助成金形式・時間・手順⑤ 情報の扱い入力してよい範囲⑥ 測り方行動で見る・時点を決める⑦ 費用の見方総額で並べる7つが決まってから会社に問い合わせる

図の内容: 目的と受講者から費用の見方まで、7つの条件を前から順に決め、決まってから研修会社へ問い合わせる流れ。

7つの条件の確かめ方は、各節の最後に「確かめ方」として書きました。紙に書くときは、次の形が使えます。社労士(=社会保険労務士。助成金の手続きに詳しい専門家)と労働局(=各都道府県にある厚生労働省の窓口)は、④の助成金で説明します。

条件自社の答えを書く欄まず聞く相手(社内・専門家)
① 目的と受講者受講者の人数・職種・研修後にできる行動1文経営者・現場のリーダー
② 形式集合・オンライン(同時双方向)・eラーニングのどれか受講者の勤務形態を知る人
③ 題材研修中に使う自社の資料・業務現場のリーダー
④ 助成金使う・使わない・未定社労士・労働局
⑤ 情報の扱いAIに入れてよい情報・入れない情報情報システム担当・経営者
⑥ 測り方確認する時点と見る行動人事・現場のリーダー
⑦ 費用の見方予算の上限と、含める費用の範囲経理・経営者

① 目的と受講者|誰が・何をできるようになるか

目的と受講者は、「誰が」「研修のあとに何をできるようになるか」を1文で書いて決めます。 AI研修の目的は大きく3つに分かれ、どれを選ぶかで研修の種類が変わります。

目的受講者の例研修の中身の方向確かめる行動の例
全社員の底上げ全部署の社員生成AIの基本と、情報の扱いの共通ルール週に1回でも自分の仕事でAIを開く
推進役の育成各部署の推進役(=AI活用を広める担当)、DX担当業務の見つけ方、使い方の教え方、社内への広げ方部署の中で1つ、AIを使う手順を作る
特定業務の担当者経理・営業事務・問い合わせ対応などの担当自社の資料を題材にした実務演習担当業務の1つで、AI込みの新しい手順が動く

目的が曖昧なまま会社の一覧へ進むと、比べる軸がないため、料金や知名度で決めることになります。「全社員の底上げ」と「特定業務の担当者」では、必要な時間も題材も形式も違うので、同じ土俵に並べられません。

迷うなら、まず3つのどれか1つに絞って始めると、研修後の確認がしやすくなります。全部を一度に狙うと、確認する行動が散って、うまくいったかどうかが分からなくなります。業種が違っても考え方は同じです。製造業なら、「全社員の底上げ」は安全ルールの共有、「特定業務の担当者」は検査記録や見積書の作成、と読み替えます。

確かめ方: 研修のあとに受講者ができる行動を1文で書いてください。「AIを使えるようになる」では広すぎるので、「毎週の議事録の下書きをAIで作れる」のように、見て分かる行動にします。

② 形式|集合・オンライン・eラーニングの絞り方

形式は、受講者の勤務形態と、研修後に求める変化の大きさから絞ります。 助成金を使う場合は、形式によって助成の扱いが変わるため、先に確かめておく必要があります。

形式の呼び名は、次の意味で使います。通学制は会場に集まって受ける形、同時双方向型は講師とリアルタイムで質問できるオンライン、通信制は教材を送って自分で学ぶ形、定額制サービスは月額で学べる学習サービスです。

研修会社の講師を招いても、自社が企画・主催すれば事業内訓練、研修会社が企画・主催する講座に社員を出せば事業外訓練です(厚生労働省の詳細版の用語説明)。自社の研修がどちらに当たるかは、労働局に確認してください。

形式向く条件助成の扱い(厚生労働省資料の記載)確認すること
集合研修(通学制)自社の業務で手を動かし、質問をその場で受けたい事業内訓練は、通学制・同時双方向型の通信訓練に限り助成される会場の準備と、受講者の業務調整
オンライン(同時双方向)拠点が分かれている。移動の時間を省きたい同上(同時双方向型の通信訓練は助成の対象に挙がっている)画面共有で自社の資料を使えるか、質問の方法
eラーニング全社員に基本を、受講者の都合の時間に届けたい概要リーフレットの注1は、経費助成のみで賃金助成は対象外。事業内訓練ではeラーニングは対象にならない修了の確認方法、受講の進み具合を見られるか
定額制サービス・通信制学びたい人が自分で選んで学ぶeラーニングと同じく経費助成のみ(賃金助成は対象外)。事業内訓練では対象にならない研修の時間数が10時間以上に数えられるか
無料の研修・説明会まず雰囲気を知りたい。全員に同じ話を聞かせたい資料に個別の記載はない。助成を使うなら、費用の有無を含めて労働局に確認自社の資料で演習できるか、有料の研修へ誘導する内容かどうか

無料の研修は、AIに触れるきっかけには向きます。内容は会社ごとに違うので、申込の前に、自社の資料で演習できるか、研修後の確認が含まれるかを確かめてください。有料の研修と比べるときは、料金の差ではなく、手元に残る物と研修後の支援の有無で見ます。

形式は、会社ごとの違いではなく、自社の条件から先に決めます。eラーニング型と伴走型の会社の違いはAI研修会社の比較・選び方で書きました。この記事では、型ごとの会社の比較には入りません。

OFF-JT(=普段の業務とは別に行う訓練)であることも、助成の要件に挙がっています。形式を選ぶときは、受講の時間を業務時間として確保できるかも一緒に考えてください。

確かめ方: 受講者の勤務形態(同じ場所に集まれるか、拠点が分かれているか)を書き、研修会社には「自社の資料を、画面共有か持ち込みで演習に使えますか」と聞きます。助成金を使うなら、形式の名前を聞くだけでなく、「この形式は助成の対象に数えられますか」まで聞いてください。

③ 題材|自社の業務で手を動かすか

題材は、講義を聞くだけにするか、自社の業務の資料で受講者が手を動かすかで決めます。 研修のあとに仕事が変わるかどうかは、この差で大きく分かれます。

汎用の講義は、AIの仕組みや使える場面を広く知るには向きます。ただ、架空の議事録や架空のメールを使った演習は、その場では分かった気になっても、翌日の仕事につながりにくいです。受講者が自社の資料で作業すれば、研修の時間そのものが、業務の手順を作る時間になります。

当社もこの考え方で研修を設計しています。受講者が自社の資料や業務を持ち込み、その場で手を動かして、AIを使う手順を作ります。助成金の活用についても、相談を受けています(当社資料)。研修会社を選ぶ側としては、会社名にかかわらず、次の2つを要求してよい条件として聞いてください。

  • 研修中に、自社の資料や業務で演習できるか
  • 研修が終わったとき、手元に何が残るか(手順書、AIへの指示文のひな形、作った資料の見本など)

研修会社の専用ツールの中にしか成果物が残らない形だと、契約が終わった時点で社内から使えなくなります。成果物を自社で書き換えられる形で受け取れるかも、あわせて聞きます。

確かめ方: 研修会社に次の2つを聞いてください。「自社の資料を演習に使えますか。使えない場合、代わりの題材はどう作りますか」「研修の最後に、受講者の手元に何が残りますか」。具体的な答えが返らなければ、講義が中心とみて、内容をもう一度聞いてから選びます。

④ 助成金|使えるかは「形式・時間・手順」で決まる

助成金を使えるかどうかは、研修会社の名前ではなく、形式・時間・手順の3つで決まります。 ここでは、AI研修で使える場合がある人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)について、厚生労働省の資料の記載を整理します。

厚生労働省の詳細版(令和8年8月3日版)は、このコースを「令和4年~8年度の期間限定の助成金として創設しました。」と書いています。令和8年度は2027年3月末までです。令和9年度以降に続くかどうかは、この資料からは確認できません。開始が2027年4月以降になる場合は、コースが続くかを労働局に確認してから進めてください。

資料は途中で改訂されることがあります。このコースは、コース名のとおり事業展開に伴う研修が対象で、AI研修が対象になるかは研修の中身で判断されます。計画届を出す前に、自社の研修が対象になるかを、労働局か社労士に確かめてください。

確かめる条件資料の記載選ぶときの確認
訓練時間数10時間以上であること(詳細版・概要リーフレット)研修の合計時間が10時間以上になる設計か
訓練の性質OFF-JT(企業の事業活動と区別して行われる訓練)であること(概要リーフレット)業務と区別して行えるか
計画届の時期訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に、計画届(=研修の内容を事前に労働局へ知らせる書類)を提出すること(詳細版)研修会社の決定と開始日が、この期間に収まるか
事業展開等実施計画様式第1-3号を、計画届と併せて提出すること(概要リーフレット)。新しい事業やサービスへの展開に合わせて、研修の目的を書く計画自社の事業展開と研修の関係を説明できるか
訓練経費の負担支給申請日(=助成金を請求する申請の日)までに、申請事業主が訓練経費を全額負担すること(詳細版)助成金の入金前に、費用の立て替えができるか
形式eラーニング・通信制・定額制サービスは経費助成のみ、賃金助成は対象外。事業内訓練は、通学制・同時双方向型の通信訓練に限り助成(概要リーフレット・詳細版)前の節の表で選んだ形式が、この記載に合うか

助成には2種類あります。経費助成(=研修にかかった費用の一部が戻る)と、賃金助成(=受講中の社員の給料の一部が戻る)です。助成率は、概要リーフレット(令和8年4月8日版)によると、中小企業で経費助成が75%、賃金助成が1人1時間あたり1,000円です。大企業は経費助成が60%、賃金助成が1人1時間あたり500円です。通学制・同時双方向型の通信訓練の経費助成の限度額は、中小企業で1人あたり次のとおりです。訓練時間が10時間以上100時間未満で30万円、100時間以上200時間未満で40万円、200時間以上で50万円。eラーニング・通信制は中小企業で1人あたり15万円、定額制サービスは受講者1人1月あたり2万円が上限です(概要リーフレット注2・注3)。詳細版(令和8年8月3日版)と、料率・限度額が一致していることも確かめました。

通学制・同時双方向型の場合、資料の単価で計算すると、中小企業で10時間の研修に5人が出る場合、賃金助成は1,000円×10時間×5人で5万円です。経費助成は研修の費用に75%をかけた額で、1人あたり30万円が上限です。

この表のうち、計画届の期限は、研修を選ぶ段階で効いてきます。訓練開始日の1か月前までに計画届を出す必要があるため、「来月から始めたい」場合は、その開始日では助成の対象になりません。図で時間の流れを見ておくと、決める順番が分かります。

計画届は訓練開始日の6か月前から1か月前までに出し、経費は支給申請日までに全額負担する

助成金を使うときの計画届と費用負担の時間軸訓練開始日の6か月前から1か月前までが計画届を出せる期間です。訓練開始日を過ぎ、支給申請日までに訓練経費を全額負担している必要があります。計画届を出せる期間訓練経費を全額負担する6か月前1か月前訓練開始日支給申請日提出できる最初提出の期限10時間以上のOFF-JT全額負担済み

図の内容: 訓練開始日の6か月前から1か月前までに計画届を出し、支給申請日までに訓練経費を全額負担しておく時間の流れ。

もう1つ、形式の記載を次の図で整理します。ここは、研修会社に問い合わせる前に押さえておくと、候補の形式が絞れます。

助成の可否は、訓練時間・OFF-JT・形式の順に見て決まる

助成金を使う場合の形式の見分け方訓練が10時間以上か、OFF-JTかを確かめ、満たさない場合は要件を満たしません。満たす場合は形式を見て、通学制と同時双方向型の通信訓練、eラーニング等、自社主催の事業内訓練でのeラーニング等の3つに分かれます。訓練は10時間以上か合計の時間で見るOFF-JTか業務と区別して行う形式は何かはいはいいいえ = 要件を満たさないいいえ = 要件を満たさない通学制・同時双方向型事業内訓練は助成の対象に挙がっているeラーニング等経費助成のみ賃金助成は対象外自社主催の事業内訓練でeラーニング等対象にならない

図の内容: 10時間以上かとOFF-JTかを確かめ、満たす場合に形式ごとの助成の扱い(通学制・同時双方向型/eラーニング等/自社主催の事業内訓練でのeラーニング等)を見分ける流れ。

この表と図は、厚生労働省の記載を転記して整理した物です。広告に書かれた負担額だけで判断せず、助成の条件を確かめてください。経費は支給申請日までに自社が全額負担します。入金までの立て替えがあるため、資金繰りも条件に入れてください。最終的に支給されるかどうかは、労働局の審査で決まります。社労士か労働局に、計画届を出す前に確認するのが確実です。申請の手順そのものはAI研修の助成金活用に書きました。

確かめ方: 研修会社には「この研修は何時間で、助成の要件に合う設計ですか。計画届の提出から開始までの日程はどう組みますか」と聞きます。自社では、社労士か労働局に「事業展開等実施計画に書く内容を、この研修の目的に合わせて書けるか」を相談します。

⑤ 情報の扱い|社内ルールと入力してよい情報

情報の扱いは、AIに入れてよい社内情報と入れない情報を、研修会社に伝える前に自社で決めることです。 後から決めると、演習で使える資料がなくなって、結局は架空のデータの講義に戻ります。

題材を自社の業務にするほど、取引先の名前、金額、個人情報、未発表の企画が入りやすくなります。社内のルールがまだなければ、研修の前に最低限の線を引いておきます。たとえば、「顧客の氏名や連絡先は入れない」「金額や取引先名は伏せて演習する」のように、書き換えて使うルールです。社内ルールの作り方はAI利用ガイドラインにまとめています。

研修会社には、次の3点を確認します。

  • 演習で使うAIのサービスは何か。自社が使ってよいと決めているAIと一致しているか。決めていなければ、先に決める
  • 演習に持ち込む情報の範囲はどこまでか。伏せる作業を手伝ってもらえるか
  • 受講者のアカウントは誰が用意するか。受講者の入力を、研修会社側が見られるのか

研修で使うAIと、社内で許可されているAIが違うと、研修の成果が社内でそのまま使えません。この食い違いは、選ぶ段階で確かめると防げます。

確かめ方: 自社の情報システム担当か経営者に、AIに入れてよい情報と入れない情報を3行で書いてもらい、それを研修会社に渡して、演習を組めるか聞きます。

⑥ 測り方|満足度ではなく、研修後の行動で見る

研修後の測り方は、「満足度」ではなく「行動」で決めます。 研修直後のアンケートが測っているのは、多くの場合「面白かったか」です。「仕事のやり方が変わったか」は測れません。次の3行で、研修の前に決めておきます。

  1. 見る行動を1つ決める(①で書いた1文)
  2. 確認する時点を決める(研修の直後、1か月後、3か月後など)
  3. 確認する人と、結果を見て何を変えるかを決める

測り方とは別に、研修のあとに伴走(=研修が終わってから、質問に答えたり使い方を見直したりして支える支援)があるかも、選ぶ基準にしてください。研修が1日で終わる形だと、受講者が自分の業務で詰まったときに聞く相手がいません。次の3点を聞きます。

  • 研修後に質問できる期間と方法(メール・チャット・面談など)
  • 受講者が作った手順を見直してもらえる回数
  • 追加の費用がかかるかどうか

研修後に定着させる仕組みは、AI研修の社内定着に書きました。選ぶ段階では、研修会社が「研修後の確認」まで提案に入れているかを見れば十分です。

確かめ方: 研修会社に「研修後の確認を、いつ・どんな方法で・誰が見る形で提案に入れていますか」と聞きます。自社では、確認する時点と見る行動を、①の1文に合わせて書いておきます。

⑦ 費用の見方|受講料ではなく、総額で並べる

費用は、受講料だけで比べると、含まれていない物が後から出てきます。 次の範囲を含めて、総額で並べます。

  • 受講料または講師費
  • 事前の準備や聞き取りにかかる費用
  • 教材費
  • 受講中の人件費(受講者が業務を離れる時間)
  • 助成金を使う場合は、入金までの立て替え

目安として、当社が2026年7月に調べた競合の価格情報では、企業内研修の費用は研修1日あたり20万〜100万円とされています。公的統計ではありません。幅が大きいのは、人数・題材・準備の深さが会社ごとに違うためです。相場の詳しい見方はAI研修の費用相場にまとめました。

相場の数字を見るときは、誰がどんな条件で調べた数字かを確かめてください。公的な調査か、会社の自己申告か、単なる広告の例かで、信頼できる度合いが違います。出どころが書かれていない「相場」は、参考程度にとどめ、自社が取った見積を基準にします。

確かめ方: 研修会社に「見積を、準備・講師費・教材費・その他に分けて出してください」と依頼します。内訳を出せないなら、理由を聞きます。理由があいまいなまま後の比較ができないなら、候補から外してかまいません。

早見表|条件が決まったらどの種類に絞るか

条件が決まったら、次の表で研修の種類を絞ります。 目的・形式・題材・助成金の組み合わせから、向く種類と向かない種類を読み取ります。

自社の条件向く種類向かない種類絞った後に確認すること
全社員の底上げが目的。受講者が多く、時間も場所も合わせにくい。助成は使わないeラーニング少人数向けの集合研修修了の確認方法と、情報の扱いのルールを含むか
推進役の育成が目的。部署の業務で手を動かしたい。助成を使いたい通学制またはオンライン(同時双方向)で、10時間以上の、自社の資料で手を動かす型eラーニングだけの設計計画届を出す日程に間に合うか、成果物が手元に残るか
特定業務の担当者の育成が目的。自社の資料で作業したい。助成は未定自社の資料で手を動かす型の集合またはオンライン研修汎用の講義だけの研修自社の資料を持ち込めるか、情報の伏せ方
助成を使い、全社員に基本を届けたいeラーニング等(経費助成のみ。助成額は受講料の一部で、受講中の給料は戻らない前提で総額を見積もる)事業内訓練としてeラーニングだけを計画する助成が経費のみになる点を、社労士か労働局で確認
研修か、試作か、実装か決まっていない研修の前に、現状を整理する診断(=自社のどの業務にAIが使えるかを、専門家と整理する相談)目的が未定のままの研修診断で何を持ち帰れるか

最後の行のように、研修を選ぶ前に整理が必要な場合は、研修・試作(=まず小さく作って試すこと)・実装(=実際の業務に組み込むこと)のどれで進むかを決めるところから始めます。その進め方は、ライト診断(税別15万円・2週間)の記事で成果物と範囲を書きました。

確かめ方: 自分の条件がどの行に近いかを選び、「向かない種類」に当たる提案が届いたら、その理由を研修会社に聞いてください。答えが条件に結び付いていれば、検討の価値があります。

候補に問い合わせるときの質問テンプレ

7つの条件が決まったら、次のテンプレで候補の会社に同じ質問を送ります。 同じ文面を送ると、答えの具体性と返信の速さで差が見えます。

質問テンプレ(メール文面)
件名: AI研修の見積と進め方について(◯◯株式会社)

◯◯様

AI研修の導入を検討しております。次の条件で、可能な内容をご教示ください。

【自社の条件】
1. 目的と受講者: ◯◯部の◯名。研修後に「◯◯ができる」状態にしたい
2. 形式: ◯◯(集合/オンライン/eラーニング)を希望
3. 題材: 自社の◯◯の資料で演習したい
4. 助成金: 使う/使わない/検討中(使う場合は、10時間以上の設計と日程の組み方も教えてください)
5. 情報の扱い: ◯◯の情報は入力しない。演習で使うAIの種類と、持ち込む情報の範囲を教えてください
6. 測り方: 研修後◯か月で、◯◯の行動を確認したい。貴社の確認の方法を教えてください
7. 費用: 準備・講師費・教材費・その他に分けた見積をお願いします

【お願い】
・研修の最後に、受講者の手元に残る成果物を教えてください
・ご提案は◯月◯日までにいただけますと助かります

返ってきた回答は、横に並べて比べます。見積を取った後に3社を並べる方法と質問の追加分は、AI研修の相見積もりで書きました。

確かめ方: 同じ文面を2〜3社に送り、回答の日数と、7項目すべてに答えているかを表にします。1項目でも答えが抜けている会社には、同じ質問をもう一度だけ送ります。

今すぐ研修会社を選ばなくていい会社と、この記事に含まれないこと

次のどれかに当てはまるなら、研修会社を選ぶ前にやることがあります。

  • 研修後に何をできるようになってほしいかが決まっていない(まず目的の1文を書く)
  • 助成金を使いたいが、計画届を出す日程が取れない、立て替えの資金が用意できない(先に社労士か労働局に相談する)
  • AIを使うルールがまだ社内にない(先にAI利用ガイドラインの作り方を見る)
  • 受講者の業務時間を確保できない(時間の確保から始める)

この記事に含まれないことは、次の4つです。それぞれ行き先の記事に書いてあります。

Summary in English

Choosing AI training for a company is not about comparing providers first. It is about deciding seven conditions in your own company and narrowing the type of training from them. The seven conditions are: (1) purpose and participants, (2) format, (3) material, (4) subsidies, (5) handling of information, (6) how to measure results, and (7) how to view costs.

On subsidies, this article relies on two Japanese government documents: the Ministry of Health, Labour and Welfare detailed guide (version dated August 3, 2026) and its summary leaflet (version dated April 8, 2026). They describe the Human Resources Development Support Subsidy (Business Restructuring Reskilling Support Course). Training must be at least 10 hours and off-the-job. A plan notification must be filed between six months and one month before the training starts, and the employer must pay the full training cost by the application date. E-learning, correspondence courses, and flat-rate services receive the expense subsidy only, not the wage subsidy. For in-house training, only classroom and simultaneous two-way remote training are eligible. For small and medium-sized companies, the expense subsidy rate is 75 percent and the wage subsidy is 1,000 yen per hour per person. Final eligibility is decided by the labour bureau.

A quick-reference table matches conditions to training types, and a question template lets you send the same seven questions to every candidate. Today’s single action is to write the seven conditions on one sheet of paper.

まとめ|会社を見る前に、条件を7つ決める

  • 選ぶ前に、目的と受講者・形式・題材・助成金・情報の扱い・測り方・費用の見方の7条件を自社で決める
  • 目的は、全社員の底上げ・推進役の育成・特定業務の担当者の3つから1つを選び、研修後にできる行動を1文で書く
  • 助成金は、形式・時間・手順で決まる。10時間以上のOFF-JT、計画届は開始日の6か月前から1か月前まで、経費は支給申請日までに全額負担、eラーニング等は経費助成のみ
  • 研修で使う情報の範囲は、発注前に決めて研修会社に伝える
  • 測り方は満足度ではなく行動で見る。費用は受講料ではなく総額で並べる
  • 早見表で種類を絞り、同じ質問テンプレを候補全社に送って、答えの具体性で比べる

次のアクションは、3つのうちどれか1つで構いません。

  • 今日: 7つの条件を1枚の紙に書き、書けなかった条件に印を付ける
  • 今週: 助成金を使うか決め、使うなら社労士か労働局に計画届の日程を相談する。質問テンプレを候補の会社に送る
  • 今月: 回答を横に並べ、条件に合う種類の2〜3社に絞る

条件を整理する段階から相談したい方は、初回相談(無料・30分)でお話を伺いますので、気軽にお声がけください。

次に読む

更新履歴

  • 2026-10-23: 初版公開。厚生労働省の令和8年8月3日版資料を反映。
  • 次回更新予定: 2027年1月(助成コースの継続可否と、料率・限度額の再確認)

本記事は2026年10月23日時点の厚生労働省の公開資料(令和8年8月3日版・令和8年4月8日版)に基づきます(公開日: 2026年10月23日)。助成金の支給可否の最終判断は、労働局または社労士に確認してください。

参考・出典

  • 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内(詳細版)」令和8年8月3日版 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001731978.pdf(参照日: 2026年10月23日)
  • 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)概要リーフレット」令和8年4月8日版 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001687619.pdf(参照日: 2026年10月23日)
  • 当社調査: 2026年7月に調べた競合の価格情報(企業内研修の1日あたりの費用感。公的統計ではない)
  • 当社資料: 研修の設計の考え方、初回相談の条件

FAQよくある質問

AI研修を選ぶとき、最初に決めることは何ですか?
研修会社を見比べる前に、誰が研修を受けて、受けたあとに何をできるようになってほしいかを1文で決めます。この目的が決まると、形式、題材(=研修で実際に使う資料や業務の例)、助成金を使えるか、情報の扱い、測り方、費用の見方が順に絞れます。目的が曖昧なまま会社の一覧に進むと、比べる軸がなく、料金の安さだけで決めやすくなります。
AI研修の選び方で、失敗しやすい点は何ですか?
条件を決めずに会社を見比べることと、研修後の測り方を決めないことの2つです。前者は料金や知名度で選ぶ原因になり、後者は「研修は盛り上がったが誰も使っていない」状態を見逃す原因になります。発注前に、目的・形式・題材・助成金・情報の扱い・測り方・費用の7条件を1枚に書いておくと防げます。
eラーニングと講師が教える研修は、どちらを選べばよいですか?
全社員が基本を一通り知る目的ならeラーニング、自社の業務で手を動かして仕事のやり方を変えたいなら講師が入る研修が向きます。助成金を使う場合は形式で扱いが変わります。厚生労働省の概要リーフレット(令和8年4月8日版)は、eラーニング・通信制・定額制サービスは経費助成のみで、賃金助成は対象外と書いています。
AI研修に助成金は使えますか?
人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)の対象になる場合があります。厚生労働省の詳細版(令和8年8月3日版)では、訓練時間が10時間以上であること、訓練開始日の6か月前から1か月前までに計画届(=研修の内容を事前に知らせる書類)を労働局に出すこと、支給申請日までに訓練経費を全額負担することが要件に挙がっています。個別の支給可否は労働局の審査で決まるため、最終判断は労働局か社労士(=社会保険労務士。助成金の手続きに詳しい専門家)に確認してください。
助成金を使うなら、研修の形式は何でもよいですか?
何でもよいわけではありません。厚生労働省の資料では、eラーニング・通信制・定額制サービスによる訓練は経費助成のみで、賃金助成は対象外です。また、事業内訓練(=自社が企画・主催する訓練)は、通学制・同時双方向型の通信訓練に限り助成され、eラーニングなどは対象になりません。助成を使いたいなら、形式を決める前に確かめます。
少人数・短時間の研修でも頼めますか?
頼める研修会社はありますが、条件によって扱いが変わります。助成金を使う場合は、厚生労働省の資料で訓練時間数が10時間以上であることが要件に挙がっているため、短時間の研修は対象にならない場合があります。助成を使わないなら、人数と時間は自由に決められるので、最小の人数と範囲で試せるかを問い合わせ時に聞いてください。
AI研修の費用は、何を含めて比べればよいですか?
受講料だけでなく、準備の費用、講師費、教材費、受講中の人件費、助成金を使う場合は入金までの立て替えを含めた総額で比べます。当社が2026年7月に調べた競合の価格情報では、企業内研修は研修1日あたり20万〜100万円とされていますが、公的統計ではありません。見積を内訳に分けて出してもらい、同じ条件で並べるのが基本です。
無料のAI研修と有料のAI研修は、何が違いますか?
内容は会社ごとに違います。無料の研修は、AIに触れるきっかけには向きますが、申込の前に、自社の資料で手を動かす演習や研修後の支援が含まれるかを確かめてください。有料の研修は、題材や成果物、研修後の支援を契約に入れられます。比べるときは料金の差ではなく、手元に残る物と研修後の支援の有無で見てください。
研修後の伴走(フォローアップ)は、選ぶ基準になりますか?
なります。研修が1日で終わると、受講者が自分の業務で詰まったときに聞く相手がいません。研修後に質問できる期間と方法、手順を見直してもらえる回数、追加の費用の有無の3点を、発注前に聞いて比べてください。
研修が終わったあと、使われ続けているかはどう確かめますか?
満足度アンケートではなく、受講者が研修で決めた行動を実際に行っているかで見ます。発注前に「何ができるようになればよいか」を1文で決め、受講後の確認時点(たとえば1回目は受講の直後、2回目は数か月後)を決めておきます。確認の方法と、結果を誰が見るかも先に決めます。

Writerこの記事を書いた人

AI Expert 編集部運営: Orga合同会社

非エンジニアの運営者が、自社の営業(リスト作成・文面・送付・資料・日報)をAIで毎日動かしながら書いています。中小企業のAI適用診断・実務題材型AI研修・プロAI人材のマッチングを提供。

この記事の検証方法: 数字・価格・仕様は一次情報(公式ドキュメント・公式料金ページ)か自社の実測だけを使い、出典に参照日を付けています。公開前に機械検証(verify_post)と、書き手とは別のAIによる事実照合を通しています。

この記事の検証環境: 助成金の期間・要件・助成率・限度額は、厚生労働省の詳細版(令和8年8月3日版)と概要リーフレット(令和8年4月8日版)を2026年10月23日に取得し、原文と照合しました。公開前に、書き手とは別のAIが本文の数字と出典を1つずつ照らし合わせました。