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AI適用診断のレポート|確認したい7項目と見分け方【2026年9月】

AI適用診断のレポート|確認したい7項目と見分け方【2026年9月】

結論: AI適用診断のレポートは、対象業務でAIをどう使うかを判断するための成果物です。内容は契約によって異なります。この記事では、契約前に確認したい7項目と提案書の比べ方、受領後の使い方を書きます。

この記事の要点

  • 当社の事業ファクトシート(=当社が診断の価格・期間などをまとめた社内資料)では、ライト診断は税別15万円、標準診断は税別30万円です。成果物の詳しい範囲は提案書で確認します。
  • ページ数だけでは中身を比べられません。業務ごとの判定理由と、次に決めることが読めるかを見ます。
  • 確認の軸は対象業務、工程判定、優先順位、確認材料、本番化条件、次の進め方、概算費用です。全社共通の納品仕様ではありません。
  • 当社の診断は本番非接続で、本番化・保守は別契約です。診断結果と本番での動作確認を分けて考えます。

この記事は、AI適用診断の発注を検討する中小企業の経営者・業務改善担当者向けです。すでに診断の提案を受け、成果物が判断に使えるかを確かめる場面を想定します。診断自体の必要性はAI適用診断とは?で扱っています。

今日やることは、手元の提案書とこの記事の確認表を突き合わせることです。各項目について、記載がある箇所と、担当者に聞く箇所を分けてください。資料の名前だけでなく、読み終えたあとに何を決められるかまで見るのが狙いです。

「AI適用診断のレポート」とは何か

レポートは、診断で調べたことと、その結果から導く判断を残す資料です。「診断を受けること」と「受け取る成果物」は、提案書で分けて確認します。

たとえば、結果の説明を聞けても、あとから社内で参照できる資料が残るとは限りません。逆に資料が納品されても、判定理由を質問する場が含まれるとは限りません。発注前には、文書、説明、補足資料のどこまでが提供範囲かを聞いてください。

当社の事業ファクトシートでは、AI適用診断は2週間・本番非接続・現場同席(=診断期間中、担当者が聞き取りや確認に同席すること)としています。研修・試作・実装のどれで進むかを切り分ける入口です。本番化・保守は別契約と定めています。

ここでいう本番非接続とは、日々使う業務システムにつなげずに診断することです。これだけで「扱う資料に機密情報がない」とは言えません。使用する資料や保管先については、接続の有無と別に確認が必要です。

本記事では、発注側の確認項目を編集部が整理しました。項目が載っていることと、契約でその納品が約束されていることは別です。自社の提案に当てはめる際も、成果物一覧と照らし合わせてください。ページ数や日別の工程は、依頼先の提案書で確かめます。

レポートで確認したい7項目

対象業務から次の行動まで、判断の流れがつながっているかを確認します。以下は比較に使うチェックリストです。デモや概算見積を含め、実際に何を納品するかは契約前に合意します。

確認する内容は、業務の把握から次の判断へつながる

レポートを読む順番対象業務、工程判定、優先順位で現状を整理する。デモなどの確認材料と本番化条件を照合し、次の進め方と概算費用を判断する。契約上の納品項目を保証する図ではない。 現状を整理する対象業務の整理 / 工程ごとの判定 / 優先順位 判断の根拠と限界を確かめるデモなどの確認材料 / 本番化に必要な条件 次に決めることを読む次の進め方 / 概算費用とその前提

図の内容: 対象業務・工程判定・優先順位を読み、確認材料と本番化条件を照合します。そのうえで次の進め方と概算費用を判断する構成です。

確認項目読みたい内容契約前に聞くこと
対象業務調査した範囲と除外した範囲業務の始まりと終わりをどこに置くか
工程判定AIを使う工程と人に残す工程判定の理由を工程別に残すか
優先順位着手順とその根拠効果と準備の負担をどう比べるか
デモなどの確認材料題材・結果・確認できなかった点録画や別紙は納品に含むか
本番化条件データ・権限・運用で必要な準備誰が何を整える必要があるか
次の進め方研修・試作・実装などの提案理由見送る条件も説明するか
概算費用対象範囲と費用が変わる条件正式見積までに何を詰めるか

① 対象業務の整理

対象業務の整理では、作業名だけでなく、入力と完了条件を読みます。「問い合わせ対応」と書かれていても、受付、下調べ、回答作成、送信では必要な判断が違います。どこを調べたのかが分からなければ、後ろの判定も自社に当てはめられません。

説明用の例として、問い合わせの回答案を作る業務を考えます。過去の資料を探して文章を整えるところまでが対象なのか、顧客への送信まで含むのかを分けます。これは実際の顧客案件や導入実績を示す例ではありません。対象外の工程も書くと、読み手が範囲を広く解釈するのを防げます。

確かめる際は、現場担当者に業務の流れを読み直してもらいます。忙しいときだけ使う手順や、担当者の記憶で処理する作業が抜けていないかを見ます。担当部署が違えば同じ名前でも手順が違うため、どの部署の説明をもとにしたかも残したい項目です。

② AI化すべき工程・すべきでない工程の判定

工程判定では「AIを使える」という結論に、理由と条件が付いているかを見ます。文章を作れることと、その文章を業務でそのまま使えることは同じではありません。人の確認が必要なら、確認する内容まで読めると次の検討に使えます。

先ほどの回答案の例なら、資料の要約はAIに任せる候補になります。一方、返金の可否や例外対応は、社内規程と権限を確認してから判断する部分です。レポートには、どの情報を根拠に区切ったかを求めます。具体的な業務を調べずに、この分担を確定することはできません。

「使わない」と「判断材料が足りない」も分けてください。前者は理由があり、後者は追加調査によって変わる結論です。判定を支える資料と、結論が変わる条件を尋ねると分かります。「どんな結果なら判断を見直しますか」と聞くと、条件が曖昧な箇所を見つけられます。

③ 優先順位表

優先順位は、効果だけでなく着手に必要な準備と合わせて読みます。負担の大きい業務でも、使える資料が整っていなければ準備から始める必要があります。候補の順番があるだけでなく、なぜ先に取り組むのかが説明されていることが大切です。

比較の軸には、困りごとの大きさ、確認のしやすさ、資料の整い方などを置けます。ただし、測っていない作業時間や削減率を埋めてはいけません。現場への聞き取りによる見立てと、記録で確かめた事実を分けます。数字がない場合でも、何を調べれば順位を決められるかは整理できます。

後回しになった業務の理由も聞いてください。「資料が整えば着手できる」のか、「効果が小さいので見送る」のかで社内の準備が変わります。条件を満たしたときに順位を見直せる表なら、診断後も使い続けられます。

④ デモなどの確認材料

デモを見るときは、見栄えよりも入力・出力・人の修正を確認します。デモ録画が納品されるかは、先に成果物一覧で確かめてください。録画がない場合も、何を試し、何が分かったかを文書で残せるかが確認点です。

既製の題材は、操作の流れを知る材料になります。自社の業務に合わせた題材は、個別の課題を調べる材料になります。どちらも目的がありますが、既製の題材で動いた結果だけでは自社業務への適合は判断できません。画面の横に、使った題材と確かめた範囲が書かれているかを見ます。

成功した出力だけでなく、修正が必要だった出力も判断材料です。参照資料に答えがないときや、入力が不完全なときにどう扱ったかを聞きます。実務で必要なのは、正常な流れと、処理を止めて人に戻す流れの両方です。

⑤ 本番化に必要な条件

本番化条件は、診断のあとに残る準備を読む項目です。使う資料、閲覧できる人、結果を確認する人、問題時の戻し方を分けます。「本番化できます」という表現だけでは、社内で何を用意するかが決まりません。

当社の診断は本番非接続で、本番化・保守は別契約です(自社の事業ファクトシート)。そのため、診断中に動作を見せても、本番システムへの接続確認が終わったとは扱えません。レポートに接続の条件が書かれることと、接続作業そのものは区別します。

必要な準備は、社内担当と外部担当に分けてもらいます。「権限を整理する」なら、決める部署と確認する内容を聞きます。外部担当だけでは決められない社内ルールを残しておくと、次の発注範囲も具体的になります。

⑥ 次フェーズの推奨ルート

次フェーズ(=診断後の段階)の提案では、進め方を選んだ理由を読みます。自社の事業ファクトシートでは、診断を研修・試作・実装の切り分けに使います。レポートを比較する際は、その提案がどの課題に対応しているかを確認してください。

既存ツールの使い方を習得すれば進む業務なら、研修が検討対象になります。動くか分からない処理が残るなら、試作で確かめる論点を置けます。業務や運用の条件が整理できた場合は、実装の範囲を詰める材料になります。これらは読み方の例であり、個別企業の進め方を決めるものではありません。

実装で進める場合は、診断した会社がそのまま伴走(=並走して支援すること)できるかも確認材料です。当社の場合、実装で進めると判断した業務は、AI実装の専門家が進め方の計画づくり(ロードマップ策定)やPoC(=実現できるかを試す検証)の推進を担う段階へ移せます(自社の事業ファクトシート)。当社の専門家支援は標準期間3〜4ヶ月、基本フルリモート(=訪問せずオンラインで行う)で週1回30〜60分の進捗共有です(自社の事業ファクトシート)。診断書を渡して終わる提案か、次の段階の稼働イメージまで示せる提案かは、比較する価値がある違いです。

発注側からは「今は進めない場合、何を整えれば再検討できますか」とも聞いてください。資料の整理や担当者の確保を先に行う結論も、判断材料になります。提案するサービスの名前だけでなく、選ばなかった進め方の理由まで読んでください。

⑦ 概算費用レンジ

概算費用レンジ(=検討段階での費用の幅)は、含む作業と前提条件をセットで読みます。金額だけを社内に転記すると、診断料と次の開発費が混同されます。税の扱い、初期の作業、継続費用がどこまで含まれるかを分けてください。

この段階で詳細が決まらない部分は、金額を無理に埋める必要はありません。何が決まれば正式見積を作れるのかが分かれば、次の相談に使えます。接続先や運用担当によって作業が変わるなら、その条件を概算の横に残すよう求めます。

「この範囲から追加される作業は何ですか」と尋ねます。費用の内訳やPoC(=実現できるかを試す検証)との違いは、AI適用診断の費用相場で扱っています。ここでは相場を当てはめるより、目の前の提案の前提をそろえてください。

ページ数と体裁は何で判断するか

ページ数の多さではなく、社内で判断に使える内容が揃っているかを見ます。納品ページ数や資料の構成は会社・プランによって異なるため、提案書で確認します。

本文が短くても、判定表や検証記録が別紙に分かれていれば読みやすい場合があります。逆に本文が長くても、一般的なAIの説明だけでは個別業務の判断に使えません。目次を見せてもらい、自社業務を扱う箇所と一般説明の箇所を分けるのが確かめ方です。

契約前の確認見る資料揃えておきたい内容
納品の範囲成果物一覧本文・別紙・録画・説明の区分
読み返しやすさ目次と記入見本業務ごとの判定と根拠の所在
社内共有のしやすさ納品形式の説明閲覧方法と共有できる範囲
納品後の確認説明・修正の条件質問先と修正対象の決め方

ライト診断と標準診断も、価格差だけから中身を推定しないでください。自社の事業ファクトシートで確認できる価格は、下表のとおりです。調べる業務の範囲、デモの有無、資料の形式は提案書で照合してください。

項目ライト診断標準診断
価格(税別・自社の事業ファクトシート)15万円30万円
価格以外(成果物の形式・調査範囲・本番化条件など)個別の提案書にある成果物一覧・対象範囲個別の提案書にある成果物一覧・対象範囲

ページ数の目安を聞く際には、「本文以外に何が付きますか」も添えます。録画へのリンクだけなら、閲覧できる期間や利用条件を確認します。編集可能な形式が必要な場合は、後から依頼を追加する前に、納品形式として合意しておきます。

見本を頼むときは、他社の実データを含む原本を求める必要はありません。空欄のひな形や、説明用の題材による記入例でも構成は分かります。見本の提供が難しい場合は、目次と各節に書く内容を文章で説明してもらってください。

良いレポートと弱いレポートの見分け方

判断に使いやすいレポートは、結論から根拠へ戻れます。結論が前向きかどうかより、何を見てその判断をしたかが読めることを重視します。

「AI化できます」とだけ書かれた説明では、対象範囲も条件も分かりません。説明用の例なら「回答案の作成は候補とし、送信前の確認は人が担当する」と分けられます。さらに、参照資料に情報がない場合の処理が書かれていれば、現場も問題を指摘できます。

見る箇所判断に使いやすい書き方追加の説明を求めたい書き方
結論の根拠参照した資料と観察した作業の対応一般的にAIが得意だからという説明
判定基準の一貫性業務ごとに同じ物差し(判定の観点や重みづけ)での比較業務ごとに言葉づかいが変わり、順位の比較がしにくい説明
工程の境界人が確認する箇所と確認内容業務全体をAI化できるという断定
不確かな点未検証の条件と次の確認方法未検証の点への言及なし
優先順位準備と効果を比べた理由推奨順だけの一覧
納品後の行動決めることと準備することの区分導入を勧める言葉だけの締め

判断が重要な工程を選び、根拠までたどってください。資料にない内容が理由になっていたら、聞き取りで確認した事実なのかを尋ねます。聞き取りによる情報が悪いわけではありません。記録による裏付けと担当者の見立ては、分けて扱ってください。

物差しの一貫性があると、「なぜこの順位か」を他社の提案と比べやすくなります。業務Aと業務Bを同じ観点・同じ重みづけで比べているか、それとも都度の印象で並べているかを聞いてください。観点が固定されていれば、優先順位が変わったときにどの数値が動いたのかも追いやすくなります。

現場で使う名称とレポート内の名称が違う場合も、読み違いが起きます。「承認」と書かれた工程が、上司の確認なのか、顧客の同意なのかを確かめます。用語の対応が揃えば、社内で説明を引き継いでも同じ範囲を議論できます。

また、結論が保留でも、その理由が具体的なら価値があります。たとえば、判断に必要な資料が揃わず、追加確認の対象が整理された場合です。前向きな結論を得ることだけを成果にせず、次に調べるべき点が減ったかも評価してください。

複数社から見積もりを取ったときの比べ方

複数社の比較では、同じ業務について何を調べ、何を残す提案なのかをそろえます。価格を比較する前に、提案の対象が同じかを確認すると違いを説明しやすくなります。

候補ごとに別の業務を説明すると、調査範囲も成果物も変わります。共通の業務説明を用意し、現状の手順、困りごと、対象外の範囲を伝えてください。見積もり段階で必要な資料と、契約後に共有する資料も分けて聞きます。

比較する視点各社に聞く質問回答の読み方
成果物の範囲何を文書や別紙で残しますか目次と成果物一覧の対応
デモの題材何を試し、何を確かめますか自社業務との対応と未検証の範囲
次の進め方推奨の理由と見送る条件は何ですか課題から提案へ至る説明
データの扱い使用する資料と保管先はどこですか接続の有無と資料管理の区分
見積もりの前提何が決まると金額が変わりますか対象作業と別料金の境界

回答を記録するときは、「含む」「含まない」「記載がなく未回答」を分けます。未回答を、提供できないという意味に読み替えないでください。追加質問をしても説明が得られない場合に、比較材料が不足していると判断します。

各社に同じ文面で聞くと、回答の違いが比較材料になります。そのまま使える質問テンプレは次のとおりです。

質問テンプレ(メール文面)
【診断のご提案について、下記5点をご回答ください】
1. 成果物として、文書・別紙・録画のどこまでを納品いただけますか。
2. デモは自社の業務題材と既製の題材のどちらを使いますか。確かめられなかった点も教えてください。
3. 「進める」以外の提案(見送り・準備が先など)も理由つきでいただけますか。
4. 診断で使用する資料の保管先と、本番システムへの接続有無を教えてください。
5. 今回の概算費用のあとに、金額が変わる条件は何ですか。

提案の比較は、共通の質問から始める

提案書の比較手順業務と質問をそろえ、提案書と追加回答を並べる。回答は含む、含まない、未回答に分け、未回答を質問してから比較する。 業務と質問をそろえる対象範囲・困りごと・必要な成果物 提案書と追加回答を並べる回答の出典も残す 含む:範囲を照合 含まない:必要性を判断 未回答:追加で質問 未回答を「対応できない」と決めつけず、回答をそろえて比較する

図の内容: 共通の業務と質問を各社に伝え、提案書と追加回答を並べます。「含む」「含まない」「未回答」を分け、不明点を質問してから比較します。

比較表には、回答を読める提案書の節や、補足説明の所在を残します。口頭で「できます」と言われただけなら、納品範囲として含むのかを文書で尋ねます。担当者の説明が丁寧でも、契約に含む範囲が広いとは限らないためです。

簡易な成果物を提案する会社を、項目の少なさだけで外す必要はありません。社内の目的が着手候補の整理なら、その範囲で足りる場合もあります。逆に開発の判断に使いたいのなら、本番化条件や確認材料の不足を埋める必要があります。目的に必要な項目を先に決めることが、比較の基準になります。

受領前にそろえたい前提と確認の約束

受領後の行き違いを減らすには、調査の前提と成果物の確認方法を先に合わせます。レポートを受け取った後に、想定していた業務が対象外だと気づいても戻り作業が増えます。

業務の説明では、通常の手順と例外の手順を区別してください。手順書が実際の作業と違う場合は、その違いも伝えます。担当者が変わると処理方法が変わるなら、代表的な流れだけを唯一の正解として渡さないでください。

提供資料については、診断に必要な範囲を担当者と確認します。資料の利用目的、共有先、保存方法、診断後の扱いをそろえます。本番非接続の診断でも、資料をどこに置くかの判断は残ります。普段使うファイルをそのまま渡してよいかは、社内の資料管理ルールで確認してください。

成果物の確認では、検収(=合意した納品物を受け取れたかの確認)の基準を聞きます。文章の誤り、調査対象の取り違え、追加の分析依頼では扱いが違います。何を修正として扱い、何を追加相談にするかを先に説明してもらうと、確認時の論点が整理できます。

提案書の成果物一覧が、そのまま受領時の確認表にできるかを見ます。「レポート提出」だけなら、記載する内容や別紙の範囲を補ってもらいます。確認期限や質問を受ける窓口も、実際の契約条件に沿って確かめてください。

レポートを受け取ったあとの使い方

受領後は、現場の前提を確かめてから、経営者が着手の判断に使います。説明を聞いた場で即決する必要はありません。誤りと未検証の点を整理し、判断に必要な材料が揃ったかを見ます。

まず、合意した成果物が揃っているかを確認します。本文、別紙、録画などが約束されている場合は、閲覧できる状態かまで確かめます。その後で現場担当者が対象業務の説明を読み、実際の手順と違う部分を返します。

次に、優先順位と推奨理由を経営者が読みます。現場から前提の訂正が出た場合は、それを反映した判断なのかを確かめてください。前提が変わったのに着手順だけを据え置くと、レポートと実行計画のつながりが失われます。

受領後は、前提確認から社内判断へ進む

診断レポート受領後の使い方成果物の受領、現場による前提確認、経営者による着手判断の順に進む。判断後は研修、試作、実装または準備と見送りを検討する。本番化と保守は別契約。 成果物を受領合意した内容と照合 現場が前提を確認誤り・未検証の点を整理 経営者が判断優先順位・費用を検討 次の進め方と、判断に残る条件を記録する研修 / 試作 / 実装 / 準備・見送り 当社の診断は本番非接続。本番化・保守は別契約(自社の事業ファクトシート)

図の内容: 成果物の受領後、現場が前提を確認し、経営者が着手を判断します。研修・試作・実装を検討し、準備や見送りが必要な場合はその条件を記録します。

社内で共有するときは、レポートの結論に担当者の解釈を混ぜないようにします。「診断担当者の推奨」と「自社が決めた方針」を分けて記録してください。推奨どおりに進めない場合も、社内の優先事項や準備状況を理由として残せます。

実装へ進む場合は、未検証の点を次の依頼に引き継ぎます。動くことを確かめたい処理、用意が必要な資料、人が判断する工程を列挙します。検証の進め方はAI PoC支援で扱っています。診断と継続支援の役割の違いは、AI診断とAIコンサルの違いも参照してください。

見送る場合も、レポートは再検討の記録になります。足りない資料が整ったときや、対象業務の手順が変わったときに判断を見直します。ただし、古い前提のレポートをそのまま使わず、どの条件が変わったかを最初に確認してください。

公的機関の自己診断レポートとの違い

IPA「DX推進指標」では、自己診断結果を提出した企業がベンチマークレポートを受け取り、他社や業界と比べた自社の位置づけを把握できます。個々の企業の診断結果は外部に公表されません(出典: IPA「DX推進指標のご案内」、参照日2026年9月7日)。使い分けの軸は、会社のDXの取り組み状況を見直したいのか、特定業務でAIをどう使うかを判断したいのかです。公的な自己診断の結果と、個別業務を調べる適用診断の成果物を、目的に合わせて読み分けます。

自己回答のチェックリストとどう使い分けるか

自己回答のチェックリストと個別の診断レポートは、何をもとに判断したかで使い分けます。無料か有料か、レポートという名前かどうかだけでは、調査の深さは分かりません。

設問に答えて課題を整理する形式なら、社内で困りごとを言葉にする材料になります。ただし回答者が把握していない手順は、回答にも表れません。現場にある資料や実際の処理を確認したかどうかが、個別業務を判断する際の違いです。

有料であっても、自己回答の内容を整える範囲のサービスなら、その前提で評価します。逆に簡易なチェックリストでも、社内の議論を始める目的には使えます。成果物の値段から調査方法を推測せず、どの資料や説明を見て結論を出すのかを聞いてください。

今ほしい答えを書き出してみると分かります。「困っている業務を整理したい」のか、「この工程でAIを使えるか判断したい」のかで必要な材料が変わります。後者なら、その工程の判定を支える確認方法まで求めます。

今すぐ診断レポートを求めなくていい会社と、含まれないこと

対象業務や判断する担当者が決まっていない場合は、社内の整理を先に進める選択肢があります。診断を申し込む前に、何を決めるための資料なのかを言葉にしてください。

  • 対象業務が定まっていない会社は、困っている作業と担当部署を整理します。候補整理の相談が必要なら、その範囲を最初に伝えます。
  • 診断後に判断する担当者がいない会社は、結果を受け取る人と着手を決める人を定めます。資料を受け取るだけでは実行は進みません。
  • 本番への接続まで診断料に含むと考えている会社は、発注範囲を確認します。当社の本番化・保守は別契約です。
  • すでに課題と実装条件が整理できている会社は、重複する調査がないかを確かめます。診断で新たに何を決めるのかを問うと整理できます。

この記事では、契約や費用の詳しい比較を重ねて扱いません。判断したい内容に応じて、次の記事を参照してください。

レポートに本番化条件を書くことは、接続作業や運用保守を納品することではありません。また、限られた題材のデモを本番での精度保証として扱わないでください。必要な接続、権限の設計、運用の確認は、次の契約の対象として確かめます。

Summary in English

An AI applicability diagnosis report is a deliverable used to decide how AI may fit a specific business process. Its contents depend on the agreed scope. This article offers an editorial checklist, rather than a universal delivery specification: target workflow, process judgments, priorities, supporting evidence such as demos, production requirements, recommended next steps, and the assumptions behind rough estimates.

AI Expert’s business fact sheet lists a light diagnosis at 150,000 yen and a standard diagnosis at 300,000 yen, excluding tax. It describes a two-week diagnosis involving workplace participants without connections to production systems. Production implementation and maintenance require separate contracts. Report length, format, and delivery schedules should be checked in each provider’s proposal.

Before ordering, request an outline and a deliverables list. Compare proposals using the same workflow description and questions. Distinguish items that are included, excluded, and still unanswered. A useful report connects conclusions to evidence and identifies untested conditions. After delivery, have workplace staff check the workflow assumptions before management decides what to pursue. Training, prototyping, implementation, further preparation, or postponement should follow the findings and the company’s readiness. Keep the provider’s recommendation separate from the company’s actual decision.

まとめ|レポートは根拠と次の行動が読めるかで選ぶ

診断レポートの価値は、読んだあとに何を判断できるかで確かめます。提案書を点検するときは、次の結論を使ってください。

  • 成果物の名前だけで範囲を決めず、目次・別紙・説明の有無を確認します。
  • 工程判定には理由を、優先順位には準備と効果を比べた根拠を求めます。
  • デモは題材と未検証の範囲を読み、本番での動作確認とは分けます。
  • 複数社の比較では同じ質問を使い、未回答の項目を確認してから判断します。
  • 受領後は現場の前提確認を経て、経営者が次の進め方を決めます。

次のアクションは、検討段階に合うものを選んでください。

  • 今日: 手元の提案書を確認表と突き合わせ、記載のある項目と質問する項目を分けます。
  • 今週: 比較中なら、共通の質問への回答をそろえて提案の範囲を確認します。
  • 今月: 発注へ進むなら、成果物と受領時の確認方法を合意します。

目的と必要な成果物を整理しきれない場合は、無料相談で対象業務と判断したい内容を伝えてください。

次に読む

更新履歴

  • 2026-09-07: 初版用原稿を作成。自社の事業ファクトシートに基づく価格・期間と、編集部の成果物確認項目を整理。
  • 次回更新予定: 2026年10月(診断の提供条件と成果物の記載を再確認)

本記事は2026年9月7日時点で参照した自社資料に基づく公開前の原稿です(公開予定日: 2026年9月7日)。成果物の詳しい範囲と最新の提供条件は、契約前に提案書でご確認ください。

参考・出典

  • IPA「DX推進指標のご案内」(最終更新2026-08-31・参照日2026年9月7日)。自己診断結果の提出によるベンチマークレポートの提供と、個社結果の非公表を参照。
  • 当社調査: 2026年9月7日に、AI Expert「事業ファクトシート(資料生成用・正本)」を参照。診断の価格・期間・本番非接続・現場同席・本番化と保守の別契約を照合しました。
  • 当社調査: 同日に「競合ライブラリ」を参照。診断とPoCを別段階として扱う整理を確認しました。本記事では他社の相場値を新たに引用していません。
  • 編集部作成: 成果物の確認表、質問例、模式図は比較用の整理です。実際の納品実績や全社共通の仕様を示すものではありません。

よくある質問

AI適用診断のレポートには何が書かれていますか?
記載内容は契約によって異なります。比較するときは、対象業務、工程判定、優先順位、デモなどの確認材料、本番化条件、次の進め方、概算費用を見ます。この記事のチェックリストは発注側の確認用であり、全社共通の納品仕様ではありません。
レポートは何ページくらいですか?
納品ページ数や資料の構成は会社・プランによって異なります。契約前に目次と成果物一覧を見せてもらい、本文・別紙・録画の範囲を確認してください。ページ数だけでなく、自社の業務に対する判定理由が読めるかが判断の軸です。
AI適用診断はどのくらいの期間で終わりますか?
当社の事業ファクトシートでは、AI適用診断は2週間・本番非接続・現場同席で進めます。期間中は現場の担当者が聞き取りや確認に同席する前提です。他社の期間は本記事の参照資料に記載がないため、比較したい場合は提案書で確認してください。
ライト診断と標準診断の成果物はどう違いますか?
自社の事業ファクトシートでは、ライト診断は税別15万円、標準診断は税別30万円です。プラン名だけで成果物の違いを判断せず、各社の提案書で比べます。対象業務、調べる深さ、納品形式、説明や修正の範囲を提案書で確認してください。
無料のチェックリストと有料の診断レポートは何が違いますか?
比較する軸は、個別の業務をどこまで調べ、判定理由を何で確かめたかです。自己回答だけのチェックリストと、現場の資料や担当者の説明を調べたレポートでは、判断の前提が異なります。無料か有料かだけで中身は決まらないため、調査方法と成果物を見てください。
複数社のレポートを比べるときは何を見ればよいですか?
成果物の範囲、デモの題材、推奨する進め方の理由、データの扱い、概算費用の前提をそろえて比較します。記載がない項目は、提供できない項目と分けて扱ってください。同じ質問を各社に送り、返答を比較表に残すと判断しやすくなります。
レポートを受け取ったら次に何をすればよいですか?
まず現場の担当者と、業務の説明や判定の前提が合っているかを確認します。そのうえで経営者が優先順位と費用を読み、研修・試作・実装へ進むかを判断します。未検証の点が残る場合は、何を確認してから決めるかを記録してください。
レポートだけで本番導入まで進められますか?
当社の事業ファクトシートでは、AI適用診断は本番非接続で、本番化・保守は別契約です。診断のレポートを受け取るだけで、業務システムへの接続が終わるわけではありません。接続、権限、運用の条件は、次の契約を決める際に詰める必要があります。
診断レポートは経営者と現場のどちらが読むものですか?
経営者には着手の判断、現場には業務の前提を確認する材料になります。経営者は優先順位や費用を、現場は例外処理や人が確認する工程を読むと役割を分けやすくなります。認識が違った箇所は、判断を進める前に診断担当者へ確認してください。

AI Expert 編集部運営: Orga合同会社

非エンジニアの運営者が、自社の営業(リスト作成・文面・送付・資料・日報)をAIで毎日動かしながら書いています。中小企業のAI適用診断・実務題材型AI研修・プロAI人材のマッチングを提供。

この記事の検証方法: 数字・価格・仕様は一次情報(公式ドキュメント・公式料金ページ)か自社の実測だけを使い、出典に参照日を付けています。公開前に機械検証(verify_post)と、書き手とは別のAIによる事実照合を通しています。

この記事の検証環境: 2026年9月7日に、自社の事業ファクトシートと競合ライブラリを参照し、本文の価格・期間を照合しました。納品ページ数や日別日程は各社の提案書で確かめる項目として扱っています。成果物の確認項目は編集部の比較用チェックリストであり、契約上の納品仕様とは区別しています。公開前に、書き手とは別のAIが本文の数字と事業ファクトシートを1つずつ照らし合わせました。

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