
結論: AI導入の相談前に要るのは、相談先の比較ではなく、7項目を紙1枚に決めることです。 決めたことと決まっていないことを分けて持参するほうが、相手の答えが具体的になり、1回目の相談から次の打ち合わせの日程まで進みます。7項目は、①業務、②目的、③体制、④今のツール、⑤情報の扱い、⑥予算と期間、⑦支援会社の確認です。この記事では、そのまま埋められる準備表、支援会社に最初に聞く5つの質問、相談から次の打ち合わせまでの流れを書きます。
この記事の要点
- 相談前に決めるのは7項目。業務・目的・体制・今のツール・情報の扱い・予算と期間・支援会社への質問で、紙1枚に収まる。決めたことと決まっていないことを分けて持参すると、相手の答えが具体的になる
- 最初の3項目(業務・目的・体制)を、決める人と期限と持参物つきの準備表に広げた。全部が埋まらなくても、この3項目だけで1回目の相談は進む
- 無料で相談できる窓口がある。よろず支援拠点は公式サイトで「何度でも無料で」相談でき、47都道府県に設置されている
- 困っている業務が1つも言えない会社は、先に社内で聞き取るほうがよい。窓口がすでに決まっている会社は、準備表をそのまま持参できる
この記事は、AIを入れたいが何から話せばよいか分からない中小企業の、経営者・総務・推進担当の方に向けて書きました。支援会社や窓口に最初の相談を申し込む前に読んでください。「外の人に相談する」こと自体は決めた方向けです。相談窓口の種類の違いはAI導入の相談窓口|公的無料と民間有償の違いに、窓口の予約・当日の質問・相談後の判断はAI導入の相談窓口の使い方に書きました。この記事は、その手前の「前日までの準備」だけを扱います。
今日やることは1つです。 7項目のうち、①業務(任せたい仕事の名前)、②目的(何が減れば成功か)、③体制(誰が出て、誰が決めるか)の3項目だけを、今日、紙かメモに書いてください。10分かからず、これだけで相談の入口は変わります。
AI導入の相談とは|相談前に決める7項目の全体像
AI導入の相談とは、何の仕事にAIを使うか、どこまでを外の人に頼むかを、社外の専門家と決める最初の一歩です。相談前に決める7項目は、①業務、②目的、③体制、④今のツール、⑤情報の扱い、⑥予算と期間、⑦支援会社の確認です。
7項目に分けるのは、窓口の人が最初に知りたいことと、会社の側が決められることが、ここで重なるためです。業務と目的が分かれば、相手は提案の方向を絞れます。体制が分かれば、決める人が誰かが分かります。逆に、これらが空のまま行くと、1回目の相談は「ヒアリングで終わる」ことが多くなります。まず①②③、次に④、最後に⑤⑥⑦の順で埋めます。
相談前に決める7項目は、「何を」「誰が」「どこまで」の3グループに分かれる
図の内容: 7項目を「何をするか(①②)」「誰が関わるか(③④)」「どこまで頼むか(⑤⑥⑦)」の3グループに分け、①②③は今日、④は今週、⑤⑥⑦は申し込みの前日までに埋める。
公的窓口との線引きも先に書いておきます。窓口の種類(公的無料・民間有償・営業目的)の見分けはAI導入の相談窓口に譲り、この記事は、どの窓口に行く場合でも共通で使える準備の話に絞ります。
確かめ方は1つです。7項目の見出しだけを紙に書き、今の時点で一言でも書けるものに丸を付けてください。①②③に丸が付けば、その紙が相談の出発点になります。
7項目の書き方|①から⑦まで、各項目の書く物と確かめ方
7項目は、書く物が決まっています。各項目の最初の1文が、その項目で紙に書く内容です。
① 業務
任せたい仕事は、業務の名前で3つまで書きます。「業務を効率化したい」ではなく、「見積書の作成」「問い合わせメールの返信」のように、誰かが毎週やっている仕事の名前にします。
相談の時間が限られているので、3つに絞ります。10個書いて持っていくと、相手は選ぶところから始めることになります。書くときは、次の3点を添えます。
- 誰がやっているか(部署か役割で十分です。個人名は要りません)
- どのくらいの頻度か(毎日・毎週・月末など)
- 何がつらいか(時間・ミス・特定の人頼み、のどれか)
一般的な例を挙げます。営業事務なら「見積書の下書き」、総務なら「社内からの同じ質問への返答」、製造業の事務なら「受注内容の入力」といった具合です。AIが得意かどうかは相談先が判断するので、会社の側は「いま困っている仕事」を書くだけで十分です。
業務を洗い出すところから迷う場合は、AI 業務 棚卸し|5列の棚卸表と業務を選ぶ3ステップの表を使うと、3つに絞れます。この記事では、棚卸しの作り方までは書きません。
確かめ方は、3つの業務を声に出して、同僚に「それ、毎週やってるよね」と言ってもらえるかどうかです。同僚が首をかしげる業務は、頻度が低いか、人によってやり方が違うので、候補から外します。
② 目的
目的は、「何が減れば成功か」を1行で書きます。 減るものは、時間・件数・ミスのどれかに決めておくと、相談の場で話が逸れません。売上や問い合わせを増やしたい場合も、同じ型で「増えたら成功」と書いてかまいません。
書き方の型は、「[業務名]の[時間/件数/ミス]が減ったら成功」です。たとえば「問い合わせメールの返信にかかる時間が減ったら成功」と書きます。「AIで会社を変えたい」のような大きな目的も、そのまま書いても大丈夫です。ただし、最初の1行は別に書いて持参します。大きな目的は、小さな成功が見えてから書き足せば十分です。
数字を入れるかどうかも、ここで決めます。数字は「今の状態が分かっている場合だけ」入れます。たとえば、現状の件数や時間を測ったことがない会社が、「半分に減らす」と書いても根拠がありません。その場合は、「まず今の時間を測る」を相談の議題にします。相談先も、測り方から一緒に決めるほうが進めやすくなります。
目的を1行にしておく利点がもう1つあります。支援会社の提案を受けたとき、「その提案は、この1行に届くか」で比べられます。提案が派手でも、1行に届かないなら採用しない、という物差しになります。
確かめ方は、目的の1行を社内の別の人に見せて、「何が変わったら成功と分かるか」を言ってもらうことです。人によって答えが違えば、1行がまだ曖昧です。
③ 体制
相談に出る人と、決める人は、分けて書きます。 1人で兼ねる会社は、同じ名前を2か所に書きます。相談に出るのは実務を知っている担当者、決めるのは予算と優先順位を持つ人(経営者や部門長)です。この2人が当日そろわないと、相談は「持ち帰り」で止まりがちです。
書く内容は次の3点です。
- 相談に出る人(実務の担当者。1〜2名)
- 決める人(予算を動かせる人。当日同席できなくても、確認の連絡が取れる人)
- 決める時期(いつまでに、誰が、何を決めるか)
経営者が1人で全部を決める会社でも、実務の担当者を1人、聞き役として同席させます。使う側の声がないと、導入した後に「現場で使われない」ことが起きやすくなるからです。
決める人が当日不在でも、構いません。ただし、「決める人にいつ確認するか」を相談の中で決めておきます。確認の予定が決まらないまま終わると、次の打ち合わせの日程も決まらなくなります。
確かめ方は、決める人に「この相談の結果、いつまでに何を決めてもらうことになりそうですか」と1回だけ聞いておくことです。答えが出なければ、相談の前に5分、時間をもらってください。
④ 今のツール
今使っているツールは、名前・用途・使う人の3点を並べます。使い方の細部は要りません。
支援会社が知りたいのは、「新しく何かを入れる」のか「いまの道具にAIを足す」のかです。メール、表計算、会計、顧客管理、チャット、紙の台帳など、業務で毎日開くものを書き出します。契約しているAIツールが既にあれば、それも書きます。社内で使用を許可しているか、禁止しているかも一言添えます。
書き方の例です。
メール/全員/日常の連絡
表計算ソフト/営業事務2名/見積の集計
顧客管理(お客様の連絡先や商談を記録するソフトや台帳)/営業全員/案件の記録(入力が追いついていない)
紙の台帳/工場/検査の記録AIと、決まった手順を繰り返す自動化ツール(RPA)は、役目が違います。手順が毎回同じ入力や転記は自動化ツール向き、文章を読んで下書きを作る・内容を分類する仕事はAI向きです。どちらか迷う仕事も、名前だけ書いて相談に出せば、相手が切り分けます。
この記事では製品名の例は出しません。自社で使っている物の名前を、そのまま書いてください。「入力が追いついていない」のような一言の困りごとは、この表の一番役に立つ部分です。
1人の社員に「毎日開くものを5つ挙げてください」と聞いてみてください。それが確かめ方です。経営者が思っていた一覧と違うことがよくあります。違いがあれば、現場の答えのほうを書きます。
⑤ 情報の扱い
相談で出してよい情報は、業務の流れと件数の目安です。 出さないのは、顧客の個人情報、取引先名、未公開の金額、パスワードや認証情報(=IDやパスワードなど、入るための情報)です。
線を引く根拠として、個人情報保護委員会が「生成AIサービス(=文章や画像をAIが作るサービス)の利用に関する注意喚起等について」を公表しています(個人情報保護委員会・2026年10月21日参照)。同ページには「当委員会として、別添1のとおり、生成AIサービスの利用に関する注意喚起等を行うこととしました。」と書かれています。この記事では注意喚起の細かい中身までは扱わないので、気になる方は同ページの別添をご確認ください。中身を読む前でも、顧客の個人情報を出さない線は今日から引けます。
相談の準備としては、次の3つを決めておけば足ります。
- 伏せ字(=名前や金額を書き換えて隠すこと)の方針(例: 取引先名は「A社」、金額は「数十万円台」と書く)
- 持参する資料にそのまま載っている名前・数字がないか、出す前に1回見る人
- 社内にAI利用や社外への情報提供のルールがあるか(あれば、その内容を相談メモの余白に書く)
社内のルールが無い会社は、決めるのを相談の後に回して構いません。ただし、相談の場でも「出さない情報」は守ります。入力の設計やルールの作り方は中小企業の生成AIセキュリティに譲り、この記事は「相談で出す・出さないの線」だけを扱います。
持参する資料を印刷して、赤ペンで「社外に出せない部分」を囲んでみてください。囲む箇所があれば、その部分は伏せ字にするか、資料から外します。
⑥ 予算と期間
予算は、金額の1点ではなく「幅」で持参します。決めるのは、初期に使える上限、継続で払える上限、いつまでに何が動いてほしいか、の3点です。
金額の相場はこの記事では書きません。手がかりとして、当社の数字を後ろに書きます(初期費用は0円、AI適用診断はライト15万円から)。相場は相談する先と依頼する範囲で大きく変わります。先に自社の上限を決めておくほうが、提案を比べやすくなります。相談先に「予算はいくらですか」と聞かれたとき、「初期は◯万円まで、継続は月◯万円まで」と答えられれば、話が早く進みます。
見積を比べるときは、費用を次の3段階に分けて出してもらいます。1本の総額だけだと、どこまで含まれるかが比べられません。
- 相談・診断(=何に使えるかを調べる段階)
- 試作(=小さく試しに作る段階)
- 本番の開発と保守(=実際の仕事で使い始め、動かし続けるための面倒を見る段階)
補助金を使う場合の発注の順番はAI 導入 補助金で確かめてください。
持参する形は次のとおりです。
| 項目 | 書き方の例 | 迷ったとき |
|---|---|---|
| 初期に使える上限 | 「初期費用は◯万円まで」 | 決められなければ「決める人に確認する日」を書く |
| 継続で払える上限 | 「毎月◯万円まで」 | 現場の人件費で比べると決めやすい |
| 希望時期 | 「◯月までに、◯◯の仕事が動いていてほしい」 | 理由(繁忙期・決算期など)を添える |
当社の条件を、事実だけ書いておきます。当社は初期費用が0円です。契約は準委任(=作業に対して払う契約)または請負(=完成した物に対して払う契約)で、30万円〜です。案件例では、月20〜36万円のものがあります。これは「案件例」であり、相場や平均ではありません。当社の稼働は週1〜2回・月20時間〜、標準期間は3〜4ヶ月です。AI適用診断(=研修・試作・実装のどれで進むかを切り分ける入口で、2週間・本番非接続(=実際の業務の仕組みにはつながない)・現場同席)は、ライト15万円・標準30万円(税別)です。診断のあと本番へ進める場合の本番化・保守は、別契約になります。
費用の見方や支援の4種類は、AI導入支援|支援の4種類と選び方5項目でまとめています。補助金の申請を考える場合は、AI 導入 補助金|2026年度の5枠と補助額・申請の流れを見てください。この記事では、申請の手順までは扱いません。
確かめ方は、決める人に「初期に使える金額の上限を、いまの感覚で教えてください」と聞くことです。細かい金額でなく、桁で構いません。答えられない場合は、「決められない」と相談の場で言うことも、立派な情報です。
⑦ 支援会社の確認
支援会社に最初に聞くのは、任せる範囲・成果物・期間と稼働・契約形態・合わなかったときの変更や終了の5つです。この5つは、どの会社に聞いても比べられる質問です。
質問は、メールの本文にそのまま貼れる形にしておきました。
最初のご相談にあたり、次の5点を教えてください。
1. ご支援で、御社が担当する範囲と、弊社が担当する範囲はどう分かれますか
2. 契約の終了時に、弊社の手元に何が残りますか(成果物の形と、その持ち主)
3. 想定の期間と、御社側の稼働の目安(週に何回、月に何時間か)
4. 契約の形は準委任(作業に対して払う形)と請負(完成した物に対して払う形)のどちらですか。途中で変更できますか
5. 弊社に合わないと分かったとき、担当者の変更や契約の終了はできますか。その条件も教えてください回答の「良い」「要注意」の見方は、次のとおりです。
| 質問 | 良い答えの例 | 要注意の答えの例 |
|---|---|---|
| 任せる範囲 | 「調査と試作は弊社、現場への展開は御社と一緒に」と分担が具体 | 「全部お任せください」で終わる |
| 成果物 | 資料・設定・手順書など、残る物の名前が出る | 「効果が出ます」だけで、残る物を言わない |
| 期間と稼働 | 週の回数と月の時間が数字で出る | 「状況によります」だけ |
| 契約形態 | 準委任か請負かと、理由が説明される | 質問の意味が伝わらない |
| 変更・終了 | 条件が書面で出る | 「あまり前例がありません」と濁す |
準委任と請負の違いは、AI準委任契約|著作権・中途解約など5つの注意点で整理しています。当社の場合は、合わなければ専門家の変更・終了ができます。
5つの質問を候補の2〜3社に同じ文面で送り、返ってきた答えを表に並べてください。答えの具体さと返信の速さを比べるだけでも、候補はかなり絞れます。
準備表|そのまま埋める7項目×決める人×期限×持参物
準備表は、7項目それぞれについて、誰が決めるか、いつまでに、何を持参するかを1枚にしたものです。 最初の3項目(業務・目的・体制)に、残りの4項目を足した形です。
埋める順番は、今日の3項目、今週の1項目、前日までの3項目
図の内容: 準備表の埋め方は、今日に①②③、今週に④、申し込みの前日までに⑤⑥⑦の順で、決める人が要る②③⑤⑥は先に予定を押さえる。
準備表の実物です。コピーして、自社の言葉で埋めてください。
| 項目 | 決める人 | 期限の目安 | 持参物 |
|---|---|---|---|
| ① 業務 | 業務の担当者 | 今日 | 任せたい仕事3つ(誰が・頻度・つらさ)を書いた紙 |
| ② 目的 | 担当者と決める人 | 今日 | 「何が減れば成功か」の1行 |
| ③ 体制 | 決める人 | 今日 | 相談に出る人・決める人・決める時期の3点 |
| ④ 今のツール | 現場の担当者 | 今週中 | 名前・用途・使う人の一覧 |
| ⑤ 情報の扱い | 管理部門または決める人 | 申し込みの前日まで | 出す情報・出さない情報の線と、伏せ字済みの資料 |
| ⑥ 予算と期間 | 決める人 | 申し込みの前日まで | 初期の上限・継続の上限・希望時期の3点 |
| ⑦ 支援会社の確認 | 担当者 | 申し込みの前日まで | 5つの質問を貼ったメール文面 |
これを、1ページの相談メモにまとめるときのひな形を置いておきます。
【AI導入 相談メモ】
1. 任せたい業務(3つまで): / /
2. 成功の見え方(1行): [ ]の[時間/件数/ミス]が減ったら成功
3. 相談に出る人: / 決める人: / 決める時期:
4. 今のツール(名前/用途/使う人):
5. 出す情報・出さない情報:
6. 予算: 初期は[ ]まで/継続は月[ ]まで/希望時期[ ]
7. 最初に聞きたいこと(5つの質問を貼る):この表は、決める人と期限と持参物まで入れました。相談の前日に「誰が、何を持っていくか」が分かります。
確かめ方は、準備表を印刷して、相談に出る人と決める人の2人に1回ずつ見せることです。「この期限で間に合うか」を2人に聞くと、無理のある項目が見えます。
相談の流れ|申し込みから次の打ち合わせまで
相談の流れは、窓口によって違います。 ここでは当社の導入5ステップを「当社の場合」として示し、公的窓口と並べます。専門家は、実際にAIの作業を担当する人です。キックオフは、導入を始める最初の会議です。
当社の場合、相談は5ステップの1つ目。契約の前に打ち合わせを挟む
図の内容: 当社の導入は、無料相談(30分) → 打ち合わせ → 契約 → 専門家候補のご提示 → キックオフの5ステップで、標準期間3〜4ヶ月はキックオフ以降の期間である。
公的窓口と当社の無料相談を、事実だけで並べます。
| 項目 | よろず支援拠点 | 当社の無料相談 |
|---|---|---|
| 費用 | 公式サイトの表記は「何度でも無料で」 | 初回相談は無料(30分)。初期費用は0円 |
| 相談のあと | 本記事では未確認。窓口の使い方は別記事で整理 | 打ち合わせ、契約、専門家候補のご提示、キックオフの順に進める。合わなければ変更・終了ができる |
よろず支援拠点の出典は、独立行政法人中小企業基盤整備機構の公式サイト(よろず支援拠点・2026年10月21日参照)です。営業時間や電話番号など、予約に必要な情報は今回の確認の対象外なので、この記事には書きません。実際に予約する前に、公式サイトで確かめてください。
導入にかかる期間は、任せる業務の数や社内で決める人の動きで変わるため、一律の目安は置けません。当社の標準期間は、導入開始(キックオフ)から3〜4ヶ月です。相談から開始までの日数は含みません。相談では「契約から開始までの流れ」と「開始から終わりまでの期間」を分けて聞いてください。①〜③が決まっているほど、相手は期間を具体的に答えられます。
確かめ方は、相談の最後に「次の打ち合わせはいつで、それまでに誰が何をするか」を、相手に1文で言ってもらうことです。言ってもらえないなら、次の打ち合わせの日程だけでも決めて帰ります。
早見表|相談前の答えが「そのまま話せる」か「まだ」か
次の表で、7項目それぞれが「そのまま話せる」状態か、「まだ」の状態かを、前日に点検します。 「まだ」の項目は、相談の議題にして構いません。
| 項目 | そのまま話せる状態 | まだの状態 |
|---|---|---|
| ① 業務 | 任せたい仕事が3つ以内で、同僚も頻度を知っている | 「効率化したい」だけで、業務名が出ない |
| ② 目的 | 「[業務名]の[時間/件数/ミス]が減ったら成功」と1行で言える | 目的が大きすぎるか、人によって答えが違う |
| ③ 体制 | 相談に出る人と決める人が分かれて決まっている | 決める人が誰か、まだ決まっていない |
| ④ 今のツール | 毎日開く物の名前・用途・使う人が並ぶ | 現場で何を使っているか、経営者が知らない |
| ⑤ 情報の扱い | 出す情報と出さない情報の線があり、資料は伏せ字済み | 持参資料に取引先名や金額がそのまま入っている |
| ⑥ 予算と期間 | 初期と継続の上限、希望時期を桁で言える | 金額も時期も「相談してから」 |
| ⑦ 支援会社の確認 | 5つの質問を貼ったメール文面がある | 何を聞くか決まっていない |
①②③が「そのまま話せる」状態なら、ほかが「まだ」でも、相談を延期する必要はありません。 1回目の相談は進みます。残りは、相談の場で「ここは決まっていません」と先に伝えれば、そこを議題にしてもらえます。
確かめ方は、前日の夜に表を見て、「まだ」の項目の横に「誰に聞けば決まるか」を書くことです。聞く相手が書けない項目だけが、本当に困っている項目です。
今すぐ相談しなくていい会社と、この記事に含まれないこと
次の条件に当てはまる会社は、相談の申し込みを急ぐ必要はありません。
- 困っている業務が1つも言えない。まず社内で「毎週つらい仕事」を聞き取るほうが先です。業務の洗い出しはAI 業務 棚卸しから始められます
- 社内でAIを使う人が決まっていない。使う人が決まらないまま導入すると、定着しにくくなります。相談の場で「使う人はまだ決まっていない」と伝えれば、決め方から一緒に考えてもらえます。全体の工程はAI 導入 プロセス|7工程の受け渡しと進めてよい条件で見られます
- すでに相談する窓口を決めている。この記事の準備表は、その窓口に持参する物として使えます。24項目で現在地を点検したい場合はAI 導入 チェックリストが使えます
この記事に含まれないことは、次の4つです。
- 窓口の種類の見分け(公的無料・民間有償・営業目的): AI導入の相談窓口
- 窓口の予約、当日の質問、相談後の判断表: AI導入の相談窓口の使い方
- 支援の中身と費用の見方: AI導入支援|支援の4種類と選び方5項目
- 補助金の申請の手順: AI 導入 補助金
当社の無料相談も、すべての会社に合うわけではありません。公的窓口で足りる相談や、すでに社内で進め方が決まっている会社には、必要ないことがあります。
Summary in English
This article is a preparation guide for small and mid-sized companies in Japan that are about to ask an outside party for a first consultation on introducing AI. The conclusion: before looking for a consultant, decide seven items and put them on one sheet of paper, and the first consultation will move toward a concrete next step. The seven items are: (1) up to three tasks you want AI to handle, (2) one line on what should decrease for the project to count as a success, (3) who attends and who decides, (4) the tools you use now, (5) which information you will and will not share, (6) a budget range and a desired timeline, and (7) five questions to ask the support company. The first three can be filled in today and are enough to start. Free help exists: the official site of the Yorozu Support Centers states that consultations are free “any number of times” and that centers are set up in all 47 prefectures (checked October 21, 2026). The Personal Information Protection Commission has issued a notice on generative AI services, so customer personal data and client names should not be shared in a consultation. AI Expert offers a free 30-minute first consultation with a zero initial fee. Its standard period of three to four months starts at kickoff, not at the consultation.
まとめ|相談の質は、申し込み前の7項目で決まる
- 相談前に決めるのは7項目。業務・目的・体制・今のツール・情報の扱い・予算と期間・支援会社への質問を、紙1枚にまとめる
- 最初の3項目(業務・目的・体制)だけで、1回目の相談は進む。残りは「まだ」と伝えれば、相談の議題になる
- 業務は3つまで、目的は「何が減れば成功か」の1行、体制は出る人と決める人を分ける
- 相談で出す情報は業務の流れまで。顧客の個人情報や取引先名、未公開の金額は出さない
- 予算は金額の1点でなく、初期の上限・継続の上限・希望時期の「幅」で持参する
- 支援会社には、範囲・成果物・期間と稼働・契約形態・変更や終了の5つを、同じ文面で聞く
次のアクションは、まず今日の1つです。今週と今月は、その次の段取りです。
- 今日: 準備表の①業務、②目的、③体制を、紙かメモに書く
- 今週: ④今のツールを現場に聞いて並べ、決める人の予定を押さえる
- 今月: ⑤⑥⑦を埋めて、相談メモにまとめ、窓口か支援会社に申し込む
紙1枚の相談メモを持って、まずは話を聞いてみたいという段階でも、当社の無料相談(30分)は使えます。
次に読む
- 窓口の予約と当日の質問を知りたい → AI導入の相談窓口の使い方|相談前〜後の5ステップと質問7つ
- 業務を3つに絞りたい → AI 業務 棚卸し|5列の棚卸表と業務を選ぶ3ステップ
- 情報の扱いを決めたい → 中小企業の生成AIセキュリティ|入力してはいけない情報と設計の3原則
- 導入全体の7工程を見たい → AI 導入 プロセス|7工程の受け渡しと進めてよい条件
更新履歴
- 2026-10-21: 初版公開。よろず支援拠点の公式表記(「何度でも無料で」「47都道府県に設置」)、個人情報保護委員会の注意喚起、当社の無料相談・導入5ステップ・AI適用診断の仕様を反映。参照日は2026年10月21日
- 次回更新予定: 2027年1月(よろず支援拠点の公式案内と個人情報保護委員会の注意喚起を再確認します)
本記事は2026年10月21日時点の公的機関の公開情報と当社のサービス仕様に基づきます(公開日: 2026年10月21日)。窓口の受付条件や制度は変わることがあるため、申し込みの前に各窓口の公式サイトでご確認ください。
参考・出典
- 独立行政法人中小企業基盤整備機構「よろず支援拠点」 https://yorozu.smrj.go.jp/(参照日: 2026年10月21日)
- 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」 https://www.ppc.go.jp/news/careful_information/230602_AI_utilize_alert/(参照日: 2026年10月21日)
- 当社調査: 当社の無料相談・導入5ステップ・AI適用診断のサービス仕様の確認(2026年10月21日)
FAQよくある質問
- AI導入の相談は無料でできますか?
- 無料で相談できる窓口はあります。中小企業基盤整備機構のよろず支援拠点は、公式サイトに「何度でも無料で」相談できると書かれており、47都道府県に設置されています。当社の初回相談も無料(30分)です。ただし、相談のあとの打ち合わせや契約から先は、窓口ごとに条件が違います。
- AI導入の相談前に何を準備すればよいですか?
- 7項目を紙1枚に決めておきます。①AIに任せたい業務を3つまで、②何が減れば成功かを1行で、③相談に出る人と決める人、④今使っているツールの名前、⑤相談で出す情報と出さない情報、⑥初期に使える上限・継続で払える上限・希望時期、⑦支援会社に聞くこと、の7つです。全部が埋まらなくても、①から③だけで1回目の相談は進みます。
- AI導入支援とは何ですか?
- AIを仕事に入れる過程で、外部の専門家が手伝うサービスの総称です。何に使うかの整理、試作、本番への組み込み、社内への定着のどこまでを頼むかで内容が変わります。頼める範囲と費用の見方は、相談の前に支援会社へ確認します。
- AI導入の相談は誰にすればよいですか?
- 最初の相談先は、公的な窓口と民間の支援会社の2つに分かれます。公的な窓口は無料で相談でき、民間の支援会社は相談のあとの実装や伴走まで頼める会社があります。まず公的窓口で方向を整理し、手を動かす人が要るときに支援会社へ相談する順番でも構いません。
- AIコンサルとAI導入支援は何が違いますか?中小企業は誰に頼むべきですか?
- コンサルは方針や進め方を整理する助言が中心で、導入支援は試作や本番への組み込みまで手を動かす会社が多いです。名前だけでは範囲が分からないため、任せる範囲と、契約の終了時に手元に残る物(手順書、設定した画面、作ったファイルなど)を、相談の最初に確かめます。自社で動ける人が少ない中小企業は、手を動かす範囲まで頼めるかを基準に選ぶと、相談後に止まりにくくなります。
- AIと自動化ツール(RPA)はどう使い分けますか?
- 手順が毎回同じ入力や転記は、決めた動きを繰り返す自動化ツール(RPA)が向きます。文章を読んで下書きを作る、内容を分類するといった判断をまじえる仕事は、AIが向きます。迷う仕事は、業務名と頻度を書いて相談に出せば、相手が切り分けます。
- ITに詳しい担当者がいなくても相談できますか?
- 相談できます。相談の前に決めておくのは、困っている業務と、何が減れば成功かの2点です。ツールの専門用語は支援会社の側が噛み砕く役目なので、分からない言葉が出たらその場で聞き返して構いません。
- AI導入の相談で社外に出してはいけない情報はありますか?
- あります。個人情報保護委員会は、生成AIサービスの利用に関する注意喚起等を行っています。相談の場では、顧客の個人情報や取引先名、未公開の金額は出さず、業務の流れだけを伏せ字で説明するのが安全です。自社の社内規程に決まりがあれば、それを先に確認します。
- 相談したら契約しなければいけませんか?
- 当社の流れでは、無料相談のあとに打ち合わせを挟み、そのあとで契約に進みます。契約後も、合わなければ専門家の変更や終了ができます。
- 相談から導入開始までどのくらいかかりますか?
- 窓口と案件によって変わるため、相談の時点で支援会社に開始までの流れを聞きます。当社の場合、相談から契約、専門家候補のご提示、キックオフ(=導入を始める最初の会議)へと進み、導入が始まってからの標準期間が3〜4ヶ月です。この3〜4ヶ月は導入開始後の期間で、相談から開始までの日数ではありません。


