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AI 議事録 作成|文字起こしから議事録にする5ステップと注意点【2026年10月】

録音から文字起こし・要約・議事録の体裁・配布までを5ステップで解説。AIに任せる所と人が直す所の分け方、個人情報保護委員会の注意喚起を踏まえた入力前の確認、向かない会議まで整理します(2026年10月時点)。

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AI Expert 編集部運営 Orga合同会社

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AI 議事録 作成|文字起こしから議事録にする5ステップと注意点【2026年10月】

結論: AI議事録は、AIが完成させる物ではなく、AIが作る下書きを人が確定する作業です。録音は人が同意を取って始め、文字起こしと要約をAIに任せ、決定事項・担当・期限の確定は人が行います。この記事では、録音から配布までの5ステップ、要約に使う指示文のひな形、入力前に確認する個人情報の線引き、AIで作ると失敗しやすい場面、向かない会議を順に書きます。

この記事の要点

  • 議事録づくりは「録音→文字起こし→要約→人の確認→配布」の5ステップ。AIに任せるのは②文字起こしと③要約で、①録音の開始と④⑤は人が持つ。文字起こしと要約は別の工程なので、うまくいかないときは、どちらで崩れたかを見分ける
  • 人が直す順番は「決定事項→担当・期限→固有名詞と数字→話者(=話した人)の取り違え」。読み違えると実害が出る所から先に見る
  • 確認が済むまでは「AIの下書き・人の確認前」と書いて共有する。確定した議事録と取り違えられないようにするためで、当社の運用設計でも「人間未確認」の区分を付けている
  • 個人情報保護委員会は2023年6月2日付の注意喚起で、個人情報を含む入力は「利用目的を達成するために必要な範囲内」か十分に確認することを求めている。会議の録音や文字を入れる前に、この確認を済ませる
  • 人事評価・機微情報が中心の会議、録音の同意が取れない会議は、同意や社内ルールが整うまでAIに入れない。向かない会議は早見表で先に仕分ける

この記事は、会議の議事録づくりに毎回時間を取られている中小企業の担当者や管理職に向けて書いています。「AIで作る流れ」と「どこまで任せてよいか」を知り、次の会議から試すかどうかを決めてもらうためです。「議事録をAIで作りたい」という方針は決まっている前提です。どのツールにするか、種類ごとの違いと最初の一本の選び方は議事録向け生成AIツール比較に別にまとめました。この記事は、ツールが決まっていても決まっていなくても通用する「工程の分け方」だけを書きます。

今日やることは1つです。次の社内会議1本について、参加者に「録音します」と伝えて同意を取る段取りを決めてください。今週その会議で5ステップの①〜③(録音・文字起こし・要約)を試すときは、先に使うサービスの規約で、入力した内容が学習に使われないかを見ます。1本回すと、自社の会議でどこが崩れるかが具体的に分かります。④⑤は、出てきた下書きを人が読んで直すだけです。

AI議事録の作成はどんな工程ですか?

AI議事録の作成は、録音、文字起こし、要約、人による確認、配布の5ステップに分かれます。AIが担当するのは②文字起こしと③要約です。①録音は人が同意を取って始め(録るのは機器の機能)、④確認と⑤配布は人が持ちます。

文字起こしは「音を文字にする」作業で、要約は「文字から決定事項や、次までにやることを取り出す」作業です。この2つは別の工程で、誤りの出方も違います。音を聞き違えるのは文字起こしの誤りで、聞き取れた文章から大事な点を取り違えるのは要約の誤りです。分けて考えると、直す場所が見つかります。

5ステップのうち、①録音と④⑤の確認・配布は人が持ち、②文字起こしと③要約をAIが担当する

議事録づくり5ステップの担当分け録音、文字起こし、要約、人の確認、配布の5ステップを横に並べた図です。文字起こしと要約がAIの担当で、録音、確認、配布は人の担当です。議事録づくりの5ステップと担当① 録音同意を取って録り始める② 文字起こし音を文字に変える③ 要約決定・担当・期限を取り出す④ 確認して直す決定事項から順に確認⑤ 配る確認済みを共有するAIの担当人の担当確認が済むまでは「AIの下書き・人の確認前」と明記して扱う

図の内容: 議事録づくりの5ステップのうち、文字起こしと要約がAIの担当で、録音と確認・配布は人の担当であることを示す。

工程ごとに「AIに任せる範囲」と「人が直す範囲」を表にすると次のとおりです。

工程AIに任せる範囲人が直す範囲確かめ方
① 録音なし(録るのは機器やサービスの機能。始める操作は人)参加者への同意の確認、マイクの位置、録音の開始会議の冒頭に「録音します」と声に出し、全員が聞いたか確認する
② 文字起こし音声から文字への変換固有名詞、数字、人名の誤り冒頭の数分と数字が出る箇所を、音声と見比べる
③ 要約決定事項・担当・期限・まだ決まっていないことの取り出し抜け、取り違え、言っていないことの混入取り出された各項目に、根拠の発言が付いているか見る
④ 確認して直す体裁の整形、誤字の指摘決定の内容、担当者名、期限の最終確定決定事項から順に、原文と一つずつ照合する
⑤ 配る配布文の下書き配布先の確認、確認済みの表示配布先の名簿と、未確認表示の有無を見る

議事録づくりの全体像はここまでです。以降は、ステップごとに「何をするか」と「確かめ方」を順に書きます。

ステップ① 録音する|録れていないものは作れない

最初に決めることは、録音してよいかの同意と、きれいに録れる置き方の2つです。録れていない発言は、AIも文字にできません。

録音は、参加者の同意を取ってから始めます。会議の冒頭に「議事録作成のために録音します。社外には出しません」と一言伝え、反対があれば止めます。社外の方が入る会議は、事前の案内に「録音します」と書いておくと、当日のやり取りが減ります。同意が取れない会議は録音せず、人が書きます。

次に、音を録る方法です。場面は大きく2つに分かれます。

  • 会議室でその場に集まる場合: ボイスレコーダーやスマートフォンを、全員の発言者から等距離になる机の中央に置く。話者が遠いと、文字起こしの誤りが増える
  • オンライン会議の場合: 会議サービスに録画・録音の機能があれば、それを使う。機能の有無と使える範囲はサービスごとに違うので、使う予定のサービスの公式の案内で確認する

ボイスレコーダーで録った音声も、そのままAIに取り込める入口になります。ただし、取り込める音声の形式や1回に入れられる長さはサービスごとに違います。録音した形式を、使う予定のサービスが受け付けるかを先に確かめておくと、会議のあとで慌てずに済みます。

本番の前に1分だけ録音して聞き返してください。録り直しがきかないので、話者全員の声が聞き取れるか、エアコンや紙をめくる音が大きすぎないかを、先にその場で見ます。

ステップ② 文字起こしする|自前と外部サービスの2道

文字起こしには、外部のサービスに音声を送る道と、自分の端末(=自分のパソコンなど)で動かす道があります。どちらでも、この段階では「音を文字にする」だけで、要約はまだしません。

外部のサービスに送る道は、準備が少なく、録音ファイルを取り込めばすぐ文字になります。その一方で、会議の音声を外部に送ることになるため、次の「入力する前に確認すること」の節で確かめる必要があります。

自分の端末で動かす道もあります。OpenAIがGitHubで公開しているWhisper(=音声認識のソフト)は、汎用の音声認識モデルです。コードとモデルの重みがMITライセンスで公開されていると、公式ページに記載されています。自分のパソコンに入れて動かせば、音声を外部に送らずに済みます。ただ、環境づくりにIT担当者や詳しい人の手が要ることが多く、端末の性能という別の負担も出ます。Whisperの価格は、公式ページに記載がないため、この記事では費用の数字を書きません。手順はAI文字起こしを無料で使う方法(Whisperの手順・モデル選び・精度)に別にまとめたので、自前で試したい方はそちらをご覧ください。

2つの道の違いを表にします。

見る点外部のサービスに送る自分の端末で動かす
準備少ない。録音ファイルを取り込む多い。専用ソフトを入れる環境づくりと端末の性能が要る
音声の行き先外部に送られる。規約と設定の確認が要る端末の中にとどまる
費用が出る場所無料の範囲か有料プラン。公式の料金ページで確認する機材と手間。サービス料金は出ない
向く会議社内の定例など、入力してよいと決めた会議外部に出したくない内容の会議

どちらの道でも、確かめ方は同じです。文字になった結果の冒頭の数分と、数字や人名が出てくる箇所だけを、録音と見比べます。全部を聞き直す必要はありません。誤りが多い箇所の傾向(同音異義語か、専門語か、聞き取れなかった箇所か)を見ると、次の会議で録り方をどう変えるかが決まります。

サービスを選ぶときは、機能の名前より、次の3点を試してください。

  • 話者分離: 誰が話したかを自動で分ける機能。あるかどうかと、分けた結果がどの程度合うかは、サービスと録音の状態で変わります。記事では精度の数字を示せないので、自分の会議の録音で確かめてください
  • 取り込める形式と長さ: 手元の録音ファイルがそのまま入るか
  • 辞書や用語の登録: 社名や略語を先に教えられるか

自分の会議で誤りの多さを測る方法

「精度が高い」という宣伝より、自分の会議の録音での結果が確かな材料です。次の手順で測れます。

  1. 会議の中から、数字や人名が多い3分間を選ぶ
  2. その3分を、自分で聞いて文字に書き起こす(これが正解になる)
  3. AIの文字起こしの同じ3分と見比べ、違う箇所に印を付ける
  4. 印を、同音異義語・専門語・人名・数字・聞き取れなかった箇所に分け、多いものから対策を決める

この測り方なら、サービスを替えたときも同じ3分で比べられます。数字で何割という基準は、会議の種類ごとに違うため、ここでは決めません。

ステップ③ 要約する|指示文(プロンプト)で議事録の型を渡す

要約の精度は、AIに渡す指示文(=プロンプト)に左右されます。「議事録にして」の一言で頼むより、何を読ませ、何を出させ、どう確かめさせるかを書いたほうが、使える下書きになります。

次の指示文は、文字起こしの結果を貼り付けて使うひな形です。対話型の生成AI(=文章で質問すると文章で答えてくれるAI)にそのままコピーして使えます。長い会議は、区切って貼ってください。

プロンプト
次の文字起こしを読み、議事録の下書きを作ってください。

【読ませるもの】
末尾の欄に貼る文字起こし全文。話者名が付いていない箇所は「話者不明」と扱ってください。

【出してほしいもの】
1. 決定事項(会議で決まったこと)
2. 担当と期限(誰が・いつまでに・何をするか)
3. 未決事項(決まらず次回に持ち越したこと)
4. 共有事項(決定ではない報告・情報)

【守ること】
- 文字起こしに書かれていないことは書かない。推測で補わない
- 担当者名や期限が読み取れないときは、空欄にして「不明」と書く
- 各項目の末尾に、根拠になった発言を「」で引用する(長ければ冒頭の20字程度)
- 最後に「確認が必要な箇所」として、固有名詞・数字・聞き取れなかった箇所を一覧にする

【貼る文字起こし】
(ここに貼り付け)

この指示文のポイントは3つあります。推測で補わせないこと、根拠の発言を引用させること、確認が必要な箇所を自分で挙げさせることです。根拠の引用が付いていれば、人は引用部分だけを原文と見比べれば足ります。引用が付かない項目は、AIが補った可能性があるので、重点的に確認します。

出てきた下書きの「担当と期限」を1項目だけ選び、引用された発言を文字起こしで探してください。引用が見つからなければ、その下書き全体を疑い、指示文の「守ること」を強めて再度出させます。

議事録に載せる項目は会社ごとに違います。参加者、日時、議題といった定型の欄は、毎回同じ書式を指示文に追記しておくと、配布のときに整える手間が減ります。

指示文の書き方で出力が変わる点は、Claudeを使う場合も同じです。登録から最初の1回の依頼、無料版の範囲まではClaudeの使い方|登録と最初の1回、無料版の範囲で順に確認できます。

ステップ④⑤ 確認して直す・配る|確認の順番と配布の前の3点

人が確認するときは、読み違えると実害が出る所から先に見るのが原則です。決定事項、担当と期限、固有名詞と数字、話者の取り違えの順に見ます。

確認は「決定事項→担当・期限→固有名詞と数字→話者」の順。実害が出る所を先に見る

人が確認する4つの順番決定事項、担当と期限、固有名詞と数字、話者の取り違えの順に確認する流れを示した図です。確認が済むまでは、人の確認前と明記して扱います。人が直す4つの順番1 決定事項何が決まったか2 担当・期限誰が・いつまで3 固有名詞・数字社名・金額4 話者誰の発言か確認が済むまでは「AIの下書き・人の確認前」と明記する配布の前に、配布先・機微情報・確認済みの表示の3点を見る

図の内容: 人が議事録の下書きを直すときの確認の順番が、決定事項から話者の取り違えまでの4段であることを示す。

順番の理由は、影響の大きさです。決定事項を取り違えると、会議の結論そのものが変わります。担当と期限を取り違えると、仕事が止まるか、誰もやらない状態になります。固有名詞や数字の誤りは、取引先や金額の間違いにつながります。話者の取り違えは、後で「誰が言ったか」の揉め事になります。後ろにいくほど影響は軽くなるので、時間が足りないときは前から順に見ます。

決定事項と担当・期限の2つは、原文と一つずつ照らします。残りの2つ(固有名詞・数字、話者)は、「確認が必要な箇所」として挙がったものを中心に見て構いません。

確認が済むまでは「未確認」と明記する

AIが作った下書きを共有するときは、「AIの下書き・人の確認前」と書きます。当社でも、AIが作った下書きには「人間未確認」の区分を付け、すぐには確定した情報の根拠に使いません。これは顧客向けの導入実績ではなく、当社の社内の運用設計です。これを、議事録AIを使う側が自社の運用に求めてよい条件に言い換えると、次の3つになります。

  • 人が未確認の間は、未確認と書く: 確定した議事録と取り違えられないようにする
  • 先に決まった項目で点検し、別の目で再確認する: 書式の抜けや連絡先の混入をチェック表で先に拾い、内容は別の目(人か別のAI)で見る
  • 同じ録音で失敗が続いたら、人に回す: 同じ録音で何度やり直しても直らないときは、AIに頼むのをやめて人が書く

連絡先・住所やパスワードなどの秘密情報(=取り扱いに特に注意が要る情報)を含む下書きは、点検で不合格にして保存しない運用も、当社にあります。議事録でいえば、配布の前に秘密情報の混入を見る工程にあたります。

配布の前の3点

配布の前には、次の3点を見ます。

  1. 配布先: 会議の参加者だけか、欠席者や社外にも出すのか。社外の方には、社内向けの発言を除いた版を出す
  2. 機微情報: 人事評価、個人の連絡先、取引条件などが下書きに残っていないか
  3. 確認済みの表示: 人が確認した版には、確認者と確認日を書く。未確認の版は、そのまま配らない

入力する前に確認すること|個人情報と機密

会議の録音や文字起こしを生成AIに入れる前に、利用目的の範囲、機械学習に使われないか、社外秘の扱いの3点を確認します。

個人情報保護委員会は、令和5年6月2日(2023年6月2日)付で「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」を出しています。社員や顧客の氏名・連絡先を扱う会社は、自社に当てはまるものとして読んでください。この注意喚起は、個人情報取扱事業者に向けて、次のように求めています。

  • 「個人情報取扱事業者が生成AIサービスに個人情報を含むプロンプトを入力する場合には、特定された当該個人情報の利用目的を達成するために必要な範囲内であることを十分に確認すること。」
  • 「〜あらかじめ本人の同意を得ることなく生成AIサービスに個人データを含むプロンプトを入力し、当該個人データが当該プロンプトに対する応答結果の出力以外の目的で取り扱われる場合、〜個人情報保護法の規定に違反することとなる可能性がある。そのため、〜当該生成AIサービスを提供する事業者が、当該個人データを機械学習に利用しないこと等を十分に確認すること。」(〜は省略箇所)

この注意喚起は、追加の注意喚起が出る可能性にも触れています。それ以降の追加や更新の有無は、公式サイトで最新を確認してください。

議事録に当てはめると、次のとおりです。

  1. 利用目的の範囲: 会議に出てきた個人情報(社員の評価、顧客の氏名・連絡先など)を、議事録づくりという目的のために入力してよい範囲か
  2. 機械学習に使われないか(=入力した内容がAIの改良に使われないか): 使うサービスの提供元が、入力した内容を機械学習に使わない設定や契約になっているか。利用規約の「データの利用」「学習」にあたる項目と、設定画面の「学習に使わない」にあたる切り替えで確かめる
  3. 社外秘の扱い: 取引先との契約条件や未公開の数字など、個人情報以外の機密を入れてよいか。社内のルールか上長の了承で決める

会議の種類ごとの目安を表にします。あくまで目安なので、最終判断は自社のルールと、必要なら専門家の確認で決めてください。

会議の種類入れてよいかまず確認すること
定例の進捗会議(社内のみ)範囲を決めれば入れやすい個人名の出る発言があるか、社外秘の数字が含まれるか
顧客・取引先が参加する会議相手の同意と契約を確認してから入れる録音の同意と、取引先との契約書の「秘密情報」「第三者への開示」の項目で外部サービスへの入力が許されるか(法務か担当者と見る)
採用面接・人事評価・個別面談本人の同意と利用目的の範囲が整うまで入れない本人の同意の有無と、利用目的の範囲
経営会議(未公開の数字)社内ルールが決まるまで入れない数字をぼかして入れる、自前の端末で処理する、のどちらかが取れるか
医療・健康など機微な個人情報を扱う会議取り扱いの規定が確認できるまで入れない取り扱いの規定を持つ部署か専門家に先に確認する

生成AIに入れてよい情報と悪い情報の線引き、設計の基本は中小企業の生成AIセキュリティで詳しく書いています。

請求書にも取引先の口座や担当者名などの情報が含まれるため、読み取りに使うAIの選び方や人の確認の置き方は、AIで請求書を読み取る方法とAI-OCR・生成AIの違いで整理しています。

AIで作ると失敗しやすい場面と直し方

AIで議事録を作ると崩れやすい場面は5つあります。同音異義語、専門語や略語、複数人の同時発言、オンラインの音切れ、話者の取り違えです。原因が録音側にあるのか要約側にあるのかを分けて見ると、直し方が決まります。

精度が落ちる条件は5つ。どれも、録る前か下書きを読む前に手を打てる

精度が落ちる5つの条件と先に打つ手同音異義語、専門語・略語、同時発言、オンラインの音切れ、話者の取り違えの5つの条件を左に、先に打つ手を右に並べた図です。精度が落ちる条件先に打つ手同音異義語が多い用語リストを渡す専門語・略語が多い略語の正式名を渡す複数人が同時に話す発言の順番を決めるオンラインで音が切れる切れた箇所に印を付ける話者を取り違える名乗ってから話す

図の内容: 文字起こしの精度が落ちる5つの条件と、それぞれに先に打てる手を左右に対応させて示す。

症状ごとの原因と直し方を表にします。

症状原因直し方確かめ方
同じ読みの別の言葉に変わる(同音異義語)文脈が短く、音だけでは区別が付かない会議で使う用語リストを指示文に渡す用語リストの言葉が議事録に正しく出ているかを見る
専門語や社内の略語が別の語になるAIが社内の略語を知らない略語の正式名と意味を一覧にして渡す略語の初出だけ原文と見比べる
発言が混ざる、片方が抜ける(同時発言)複数の声が重なり、聞き分けられない会議で順番に話す約束にする重なった箇所に印を付け、人が聞き直す
文が途中で切れる、意味が通らない(オンラインの音切れ)通信が途切れ、音が欠けている切れた時刻をメモし、その部分は人が書く意味の通らない箇所の前後だけ聞き直す
誰の発言か分からなくなる(話者の取り違え)声の区別が付かない、名乗りが無い。自動の話者分離は、声が似ている人や重なる発言で外れやすい発言の前に名乗る。話者名を後で人が付ける担当者が付いた箇所を原文と見比べる

同音異義語や専門語の対策は、会議の前に「用語リスト」を作っておくことです。会議で出てきそうな人名、社名、製品名、略語を、読み方つきで10語ほど書き出し、指示文の【貼る文字起こし】の前に添えます。リストを作る手間は、後工程の直しの手間より小さく済むことが多いです。

要約の段階でも、崩れは起きます。典型は、「言っていないことが混ざる」ことと、「決定でないものが決定として並ぶ」ことです。前者は指示文で「推測で補わない」と書き、根拠の引用を付けさせることで減らせます。後者は、決定事項と共有事項を別の欄に分けて出させることで見分けやすくなります。

議事録に入れる項目は何ですか?

議事録に入れる項目は、日時、参加者、議題、決定事項、担当と期限、未決事項、次回の予定の7つがあれば、多くの社内会議で足ります。下のひな形は、これに共有事項と確認者・確認日の欄を足した形です。

型を先に決めておくと、指示文に毎回書かずに済み、出てくる下書きの形もそろいます。次のひな形は、配布前の議事録の書式の一例です。

プロンプト
【議事録】(「人の確認前」か「確認済み」のどちらかを書き、もう一方は消す)
日時:
参加者:
議題:

■ 決定事項
1.(決まったこと)

■ 担当と期限
- 担当者名 / 期限 / やること

■ 未決事項(次回に持ち越し)
-

■ 共有事項
-

次回の予定:
確認者・確認日:

確かめ方は、型の欄が全部埋まっているかを見ることです。空欄の「担当と期限」は、会議で決まっていないのか、AIが拾い損ねたのかを、文字起こしで探して切り分けます。決まっていなければそのまま「未決」にします。

個人で使う場合も、考え方は同じです。自分のスマートフォンやボイスレコーダーで録り、文字にして、上の指示文で決定事項と未決事項を分けて出します。1人で回すときは、確認する人が自分しかいないため、決定事項と担当・期限の2つだけは原文と照らしてください。

早見表|この会議はAIに任せてよいか

会議の種類ごとに、AIに任せてよい範囲と、人が見る所を分けると迷いません。

会議の種類AIに任せてよい範囲人が見る所
定例の進捗会議文字起こし・要約の下書きまで担当と期限、前回からの変更点
社内の企画・検討会議文字起こしと論点の整理決定事項と未決事項の区別
顧客・取引先との打ち合わせ相手の同意と契約の確認後に文字起こしまで約束した内容、金額、期限
採用面接・人事評価任せない(人が書く)すべて
経営会議(未公開の数字)社内ルールが決まるまで任せない数字、方針、固有名詞
雑談に近い短い打ち合わせ議事録そのものを作らなくてよい次までにやることが出たときだけメモ

迷ったときは、「誤りが出たときの影響が大きい会議」ほど人の確認を厚くし、「入力してよいか不安な会議」は入力しない側に倒します。

議事録作成を自動化しなくていい人・この記事に含まれないこと

議事録づくりをAIで自動化することが、すべての会社に向くわけではありません。次のような会社は、今すぐ取り組まなくて構いません。

  • 会議が少なく、議事録の負担が小さい: 会議が月に数回で、1本あたりの議事録が短く済むなら、人が書くほうが早いことがあります
  • 録音の同意が取れない: 参加者や相手方の同意が取れない会議は、録音の前提が崩れます
  • 機微情報が中心の会議ばかり: 人事評価や個人の機微情報が中心の会議は、入力しないと決めておく会議です
  • 入力してよい範囲を社内で決められていない: 利用目的と社外秘の線引きが決まる前に始めると、後で止めることになります

この記事に含まれないこともあります。

Summary in English

AI minute-taking works best as a five-step process: record, transcribe, summarize, human review, and distribute. The AI handles transcription and summarization. People keep the steps that carry responsibility: getting consent and starting the recording, confirming decisions, owners and deadlines, and releasing the final version.

Transcription turns sound into text; summarization extracts decisions, owners, deadlines and open items from that text. The two steps fail in different ways. A good summarization prompt tells the AI not to guess, to quote the source line behind each item, and to list the places that need human checking.

Review in this order: decisions, owners and deadlines, proper nouns and numbers, then speaker attribution. Until a human has checked it, share the draft labeled as an unconfirmed AI draft. The company also labels its AI drafts as unconfirmed by a human; this describes its internal workflow, not a customer result.

Before putting a meeting into a generative AI service, check three things: whether the input stays within the purpose of use of the personal information, whether the provider does not use the data for machine learning, and how confidential information is treated. Japan’s Personal Information Protection Commission issued an advisory dated June 2, 2023; check its site for updates.

Whisper, published by OpenAI on GitHub, can run on your own device under the MIT license. Poor fits include personnel evaluations, sensitive personal information, and meetings without consent to record. Start with one internal meeting, with consent.

まとめ|文字起こしと要約まではAI、確定は人

  • AIの議事録作成は、録音、文字起こし、要約、人の確認、配布の5ステップで、AIが担当するのは文字起こしと要約。録音の開始と確定は人が持つ
  • 文字起こしと要約は別の工程で、崩れ方が違う。うまくいかないときは、どちらで崩れたかを分けて見る
  • 要約の指示文には、推測で補わない、根拠の発言を引用する、確認が必要な箇所を挙げさせる、の3つを入れる
  • 人が直す順番は、決定事項、担当と期限、固有名詞と数字、話者の順。確認が済むまでは「人の確認前」と書く
  • 入力する前に、利用目的の範囲、機械学習に使われないか、社外秘の扱いを確認する。人事評価や機微情報が中心の会議は、同意や社内ルールが整うまで入れない

次のアクションは、3つのうちどれか1つで構いません。

  • 今日: 次の社内会議1本について、参加者の録音の同意を取る段取りを決める
  • 今週: その会議を録音し、使うサービスの規約で学習に使われないかを見たうえで、ステップ①〜③を試す。直した箇所と、確認にかかった時間をメモして、人が書く場合と比べる
  • 今月: 直した箇所を元に用語リストと指示文を整え、議事録の型を社内で1つに決める

議事録以外の業務まで含めて、どこをAIに任せるかを一緒に整理したい場合は、無料相談でお話を伺います。

次に読む

更新履歴

  • 2026-10-04: 初版公開。個人情報保護委員会の注意喚起(2023年6月2日付)とWhisperの公式ページを反映
  • 次回更新予定: 2026年12月(個人情報保護委員会の注意喚起の追加・更新と、各サービスの無料枠の変更を再確認)

本記事は2026年10月4日時点の個人情報保護委員会の公開資料とWhisperの公式ページに基づきます(公開日: 2026年10月4日)。各サービスの無料枠・取り込み形式・規約は変わるため、利用前に公式の案内で確認してください。個人情報の取り扱いの最終判断は、自社の規程や専門家に確認してください。

参考・出典

FAQよくある質問

対話型の生成AIで議事録は無料で作れますか?
無料枠の有無と上限は提供元ごとに違い、後から変わることもあります。無料のまま続けられると決めつけず、使う予定のサービスの公式の料金ページで、いまの無料の範囲を確認してください。あわせて、無料の範囲で会議の内容を入力してよいかという規約の確認も必要です。
議事録をAIで自動作成するにはいくらかかりますか?
金額は選ぶ方法で変わるため、ここでは相場の数字を示しません。費用が発生する場所は3つに分かれます。無料の範囲で試す、月額の有料プランに入る、自前の端末で文字起こしを動かして手間と機材を負担する、の3つです。まず次の会議1本を無料の範囲で試し、足りない点が見えてから有料に進むと無駄が出にくくなります。
無料で議事録を作れるAIサービスはありますか?
無料で使える入口はあります。無料枠のある対話型の生成AI、無料の範囲を設けた文字起こしのサービス、公開されている音声認識モデルを自分の端末で動かす方法などです。ただし無料の範囲は提供元が変えるため、使う前に公式の案内で確認してください。録音の取り込みや入力できる長さに制限がある場合もあります。
AI議事録に会議の内容を入れて情報漏えいは大丈夫ですか?
入れる前の確認で大きく変わります。個人情報保護委員会は2023年6月2日付の注意喚起で、個人情報を含む入力は利用目的を達成するために必要な範囲内か十分に確認すること、そして事前に本人の同意なく個人データを入力して応答の出力以外の目的で扱われる場合は法に違反する可能性があるため、提供事業者が機械学習に利用しないことなどを確認すること、としています。社外秘や機微情報を中心とする会議は、まず入力しない選択も含めて決めてください。
ボイスレコーダーの録音からでも議事録を自動で作れますか?
作れます。音声ファイルを文字に起こす工程と、文字を要約して議事録の形に整える工程の2段で考えます。取り込める音声の形式やファイルの長さはサービスごとに違うので、公式の案内で確認してください。録音の音が小さい、話者が離れているといった状態だと文字起こしの誤りが増えるため、録る段階の工夫も効きます。
AIが作った議事録をそのまま配ってよいですか?
そのまま配るのは避けてください。人が確認する順番は、決定事項、担当と期限、固有名詞と数字、話者の取り違えの順です。決定事項と担当・期限は読み違えると実害が出るため最初に見ます。確認が済むまでは「AIの下書き・人の確認前」と明記して共有すると、確定した内容と取り違えられません。
個人で使えるAI議事録の作り方はありますか?
1人でも、録音、文字起こし、要約の3段を順に回せば作れます。自分のスマートフォンやボイスレコーダーで録り、文字にして、決定事項と未決事項を分けて出すよう生成AIに指示します。個人利用でも、取引先の社外秘や他人の個人情報を含む内容は、入力してよいか先に決めてから使ってください。
AI議事録の精度や話者分離はどれくらい信用できますか?
精度は録音の状態と会議の中身で左右されるため、ここでは数字を示しません。自分の会議の数字や人名が多い3分間を、自分で書き起こした正解と見比べると、誤りの多さと種類が分かります。話者分離は、声が似ている人や発言が重なる場面で外れやすいので、担当や期限が付いた発言は原文で確かめてください。
AIで議事録を作るのに向かない会議はありますか?
あります。人事評価や個人の機微な情報が中心の会議、参加者の録音の同意が取れない会議は向きません。同意や社内ルールが整うまではAIに入力せず、人が書きます。同音異義語や専門語が多い会議は、用語リストを渡したうえで、人の確認を厚くします。

Writerこの記事を書いた人

AI Expert 編集部運営: Orga合同会社

非エンジニアの運営者が、自社の営業(リスト作成・文面・送付・資料・日報)をAIで毎日動かしながら書いています。中小企業のAI適用診断・実務題材型AI研修・プロAI人材のマッチングを提供。

この記事の検証方法: 数字・価格・仕様は一次情報(公式ドキュメント・公式料金ページ)か自社の実測だけを使い、出典に参照日を付けています。公開前に機械検証(verify_post)と、書き手とは別のAIによる事実照合を通しています。

この記事の検証環境: 個人情報保護委員会の「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(令和5年6月2日付)の本文PDFと、OpenAIが公開するWhisperのGitHubページを2026年10月4日に取得して、本文の記述と照らし合わせました。自社の運用に触れた部分は、当社の運用設計を利用側が求めてよい条件に言い換えたもので、導入実績や成果の数字ではありません。公開前に、書き手とは別のAIが出典と1つずつ照らし合わせます。