
結論: AIコンサルの費用が元を取れるかは、費用の大小ではなく、(効果額−投資額)÷投資額の式に自社の想定効果を入れて決めます。この記事では、費用の分け方、ROI(=投資に対して、効果が投資を何%上回ったかの割合)の正しい式、当社(AI Expert)の公開価格を例にした総額の出し方、効果が投資を下回る・釣り合う・上回る3つの回収シナリオ、効果が出にくい条件、見積に添える質問5つを書きます。
この記事の要点
- ROIは「(効果額−投資額)÷投資額」。効果から投資を差し引いた利益を使うため、効果額を投資額で割る倍率とは違う
- 当社の事業資料にある価格は、診断15万円・30万円(税別)、月額の案件例は月20〜36万円。標準期間は3〜4か月で、診断費やツール費なども総額に含めて見る
- 同じ期間の効果合計が投資を下回れば未回収、釣り合えば回収、上回れば利益が残る。効果額は自社の業務記録から見積もり、少なめに見た場合も確かめる
- 効果が出にくいのは、AIで手間を減らす業務が決まっていない、社内に担当者がいない、本番化が別契約、範囲が増える、月額の終わりがない、の5つ。どれも見積の段階で聞ける
この記事は、AIコンサルに頼むと決めかけている中小企業の経営者・推進担当に向けて書いています。見積の金額が「元を取れる額か」を、社内で説明する必要がある方です。AIに投資する方向と、外部の人に頼む案はすでに決めた前提です。契約形態ごとの金額帯や見積の内訳はAIコンサル 費用 中小企業の記事に、社内説得の資料づくりはAI導入の社内説得の記事に書きました。ここでは、払う前に回収の見通しを自分で計算する方法に絞ります。
今日やることは1つです。「AIを使うと月にいくらの効果が出るか」を1つだけ書き出してください。見積がまだ手元になくても書けます。金額が粗くても構いません。書き出せなかった場合、その理由が最初の発見になります。見積の総額を式に入れるのは、書き出したあとの今週の作業です。
AIコンサルの費用は何に分かれるか
AIコンサルの費用は、コンサル費・ツールの利用料・社内の工数・運用費の4つに分けて見ます。見積書にあるのはコンサル費だけ、ということが多いので、残りの3つを自分で足さないと総額は分かりません。
| 費用の種類 | 中身 | 見積で何を聞くか |
|---|---|---|
| コンサル費 | 診断(=2週間で自社の業務を見て、AIを入れる対象を整理する有料の下調べ)、月額の伴走、要件(=何を作り、どこまでやるか)の整理にかかる費用 | 時間単位かプロジェクト単位か。何をもって1か月分とするか |
| ツール利用料 | AIサービスやクラウドの月額 | 見積に含むのか、自社契約で別に払うのか |
| 社内の工数 | 担当者が打ち合わせ・確認・現場調整に使う時間 | 週に何時間、誰が出る前提か |
| 運用費 | 本番に繋いだあとの保守・改修(=使い続けるための手直し・点検) | 本番化(=試した仕組みを実際の業務で使い始めること)と保守は別契約か、いくらか |
中小機構のJ-Net21は、AIコンサルタントの報酬を時間単位にするか、プロジェクト単位にするかを検討するよう案内しています。金額そのものは公式ページに書かれていません。同じ「月額」でも、何時間分なのか、何を作る費用なのかで中身が違うので、見積の読み方はここから始まります。
例として、当社の公開価格を1表にします。市場全体の相場ではなく、当社1社の価格です。
| 項目 | 当社の公開価格・条件 | 補足 |
|---|---|---|
| 初回相談 | 無料(30分) | 初期費用は0円 |
| AI適用診断(ライト) | 15万円(税別) | 2週間・実際の業務システムにはつながない・現場に同席 |
| AI適用診断(標準) | 30万円(税別) | 同上。本番化・保守は別契約 |
| 月額で頼む案件例 | 月20〜36万円 | 週1〜2回・月20時間〜、標準期間は3〜4か月 |
月額の相場帯や初期費用の相場は、会社の規模・範囲・契約形態で大きく開き、公的な資料では確認できませんでした。そのため、この記事では相場の帯を断定せず、見積の中身を確かめる方法を書きます。参考に、他社サイトの記載を別表で置きます。当社の価格とは別物です。
| 工程 | 他社サイトの記載(参考値) | 期間 |
|---|---|---|
| コンサル・要件定義 | 40〜200万円 | 1〜2か月 |
| PoC(=本番の前に小さく試す検証) | 100〜500万円 | 1〜3か月 |
出典は、ai-market.jpの費用相場(2026年6月28日更新)の記載です。確度は中程度の参考値で、実際の見積はこの帯に収まるとは限りません。当社の診断15万円・30万円は、この帯より低い価格です。診断は本番につながない下調べで、PoCとは別の物です。
契約は準委任(=成果物でなく作業の遂行に対して払う契約)か、請負(=成果物の完成に対して払う契約。30万円〜)のどちらかです。契約形態ごとの相場と見積の内訳はAIコンサル 費用 中小企業の記事で比べています。確かめ方は、手元の見積を上の4種類に仕分けて、空欄になる行に「別でいくらか」と質問することです。
AIコンサルの総額は、見積に載る1行と載らない3行を足して初めて見える
図の内容: 投資額はコンサル費・ツール利用料・社内の工数・運用費の4つの合計で、見積書に載るのは主にコンサル費だけである。
ROIの正しい式|「効果÷投資」の倍率と何が違うか
ROIは(効果額−投資額)÷投資額で出します。効果額から投資額を引いた「利益」を、投資額で割る点が、効果額を投資額で割っただけの倍率との違いです。ここでいう利益は、売上から原価を引いた会計上の利益ではなく、効果額から投資額を引いた残りを指します。
ROIでは、効果額から投資額を引いてから割ります。提案書に倍率や割合だけが書かれていても、そのまま比較できません。効果額と投資額の内訳、集計期間を先にそろえてください。
- 投資額: 対象期間のコンサル費、ツール費、社内工数、運用費を合計する
- 効果額: 同じ期間に見込む費用削減や追加の利益を合計する
- 利益: 効果額から投資額を引く
- ROI: 利益を投資額で割り、百分率で表す
効果額と投資額が釣り合えば元が取れた状態です。効果額が投資額を下回ればROIはマイナス、上回ればプラスになります。期間の違う効果と費用を比べないことが大切です。
ROIは効果額から投資額を引いた利益を、投資額で割る
図の内容: 同じ期間の効果額から投資額を引き、残った利益を投資額で割る。効果が費用を上回ればROIはプラス、下回ればマイナスになる。
確かめ方は、提案書や記事で見かけた「ROI◯◯%」に、効果額と投資額の数字が両方載っているかを見ることです。片方しか載っていない場合は、式の定義も確かめられないので、判断の材料にしません。なお、公的な資料で「AIコンサルの平均ROI」や「業種別の回収期間」を確認することはできませんでした。この記事にも、そうした数字は載せていません。
総額の出し方|診断から入る場合と月額で頼む場合
総額は「診断(任意)+月額×月数+ツール費+社内の工数」で出します。診断から入ると最初の出費は小さくなりますが、診断の費用は総額に足します。
当社の事業資料では、月額の案件例は20〜36万円、標準期間は3〜4か月です。これは全案件の最低額・最高額ではありません。月額の稼働量(週に何回、月に何時間か)は案件で違うので、見積で必ず確かめてください。見積の月額と契約期間を使って、自社が頼む範囲の費用を計算します。
| 入り方 | 診断費 | 伴走費の計算 | 別に確かめる費用 |
|---|---|---|---|
| 月額のみ | 診断を頼まなければ不要 | 見積の月額×契約月数 | ツール費・社内工数・運用費 |
| ライト診断から | 15万円(税別) | 月額で続ける場合は別に加算 | 本番化・保守は別契約 |
| 標準診断から | 30万円(税別) | 月額で続ける場合は別に加算 | 本番化・保守は別契約 |
診断だけで終えるなら、費用は15万円か30万円です。初期費用は0円なので、この足し算に初期費用の行はありません。
ツール費と社内の工数は、金額を決めつけられないので表に入れていません。見積で別に聞いて、足してください。診断の内容と費用はAI適用診断の費用相場の記事に書きました。診断は2週間で、本番には繋がず、現場に同席して見る形です。診断のあとに本番化へ進む場合は別契約になります。
診断から入る利点は、月額で頼む前に「どの業務で効果が出そうか」を絞れることです。逆に、対象業務がすでに決まっていて、社内に手を動かす人もいるなら、診断を飛ばして月額に進む選択もあります。目安は、対象業務が決まっていて担当者もいるなら月額から、それ以外は診断から入ることです。診断の報告書で「次に何をいくらでやるか」まで書いてもらえるかを聞いてください。
効果額の見積り方|月の効果を1つ書き出す
月の効果とは、AIで毎月減る手間や費用を円にした額です。「時間の削減」を金額に置き換えるのが最も書き出しやすい方法です。売上の増加は、AI以外の要因が混ざるので、最初の計算には向きません。
時間を金額に換算するには、自社の記録を使います。根拠のない時給や削減時間を置くと、回収の見通しまで変わってしまいます。
- 対象業務: 資料作成や集計など、担当者が時間を記録できる作業
- 時間単価: 給与や会社負担分(=社会保険料など)を含め、社内で確認した時間あたりの費用。年間の人件費÷年間の労働時間で出せる
- 月の効果: 時間単価×実際に減らせる月間作業時間
この式で出るのは、時間を金額に換算した効果です。給与の支払いが同じなら、会社の支出がそのまま減るわけではありません。残業や外注費が減るのか、別の仕事に回せるのかを分けて考えます。削った時間の使い道と、現金支出の削減を混同しないでください。社内への説明では、「現金が減る分」と「空いた時間の価値」を分けて書きます。
確かめ方は3つです。
- 対象業務の今の所要時間を、1週間だけ記録する
- 削った時間で担当者が何をするかを、1行で書く
- 時給は自社の実際の数字で置き直す
業務の洗い出しが済んでいない場合は、先にAI業務の棚卸しの記事の5列の棚卸表で、時間のかかる業務を選んでください。
3つの回収シナリオ|効果が投資を下回る・釣り合う・上回る
同じ期間に集計した効果額と投資額を比べると、未回収・回収・利益が残る場合に分かれます。まず想定の試算で読み方をつかみ、そのあと自社の数字に置き換えてください。
投資額には、コンサル費だけでなくツール費、社内工数、運用費も含めてください。効果が出始めるまでの時間や、利用後も続く費用を外すと、回収が早く見えてしまいます。
【想定の試算】前提は次のとおりです。投資額は120万円(月30万円×4か月)です。月30万円は当社の案件例20〜36万円の範囲内で、ツール費などは含めません。月の効果は5万円・10万円・20万円の3通り、見る期間は12か月です。この効果額は当社の作業感覚に基づく想定値で、実測ではありません。
| 月の効果 | 12か月の効果合計 | ROI(効果−投資)÷投資 | 回収月数(投資÷月の効果) |
|---|---|---|---|
| 5万円 | 60万円 | −50% | 24か月 |
| 10万円 | 120万円 | 0% | 12か月 |
| 20万円 | 240万円 | 100% | 6か月 |
2つの指標は役割が違います。まず見るのは回収月数で、何か月で元が取れるかが分かります。ROIは、期間全体で利益がどれだけ残るかを社内に説明するときの数字です。
計算の例です。月10万円なら、12か月の効果は120万円で、120−120=0なのでROIは0%です。月20万円なら240万円で、(240−120)÷120=100%です。月5万円なら60万円で、(60−120)÷120=−50%です。
時間の削減を月の効果に置き換える例も1つ示します。仮に時給2,000円の担当者が、月40時間分の作業を減らせたとすると、2,000×40=月8万円です。この時給と時間も想定値で、実測ではありません。自社では、実際の時間単価と記録した時間に置き換えてください。
投資回収の目安は、この表のとおり月の効果で大きく変わります。公的な資料で業種別の回収期間は確認できなかったため、一般的な目安の月数は書きません。
| シナリオ | 対象期間の効果合計 | ROIの読み方 | 次に確かめること |
|---|---|---|---|
| A: 効果が投資を下回る | 投資額より少ない | マイナス・期間内は未回収 | 効果の改善や費用の縮小を検討する |
| B: 効果が投資と釣り合う | 投資額と同じ | 回収の境目・利益は残らない | 追加費用や効果の減少の見落としがないか確かめる |
| C: 効果が投資を上回る | 投資額より多い | プラス・差額が利益になる | 効果の根拠と継続性を確かめる |
回収月数は、継続費用がなければ「投資額÷月の効果」で出します。継続費用があれば、月の効果から継続費用を引いた額(純効果)で投資額を割ります。純効果がプラスにならなければ、この式で回収月数は出せません。
月額費用や効果が途中で変わる場合は、月ごとの費用と効果を積み上げてください。効果の累計が費用の累計に追いつく月が、試算上の回収時点です。社内工数を金額換算した効果を含めるときは、現金支出だけで計算した回収と分けて示します。
同じ期間の効果合計と投資額を比べて回収を判断する
図の内容: 同じ期間の効果合計が投資を下回るか、釣り合うか、上回るかで、回収状況を判断する。
シナリオBは、費用を回収できても利益は残っていない状態です。少しの追加費用や効果の減少でも、未回収に変わります。回収できそうという結論だけでなく、前提が崩れた場合も確かめてください。
効果が続けば、当初の期間を超えて回収できる場合もあります。ただし、同じ効果が続く保証はありません。業務やツールが変わるたびに、費用と効果を見直します。月額で頼み続ける場合の考え方は、AI顧問費用の相場の記事にも書きました。
確かめ方は、自社の月の効果を少なめ(小)・中・多め(大)の3通りで見積もることです。少なめの場合の損失と支出は、経営者に確認します。許容できない場合は、対象業務を絞る、診断から始める、契約を見送るといった選択肢を比較します。
効果が出にくいケースと、費用が膨らむ理由
効果が出にくいのは、頼む前の準備が足りないときです。膨らむ理由とほぼ重なるので、5つを1表にします。
| 状況 | 起きること | 見積で何を聞くか |
|---|---|---|
| AIで手間を減らす業務が決まっていない | 業務の洗い出しに時間がかかり、契約期間が延びる | 業務の洗い出しは契約前に済ませるのか、月額の中に含むのか |
| 社内に担当者がいない | 現場の確認が止まり、コンサルの時間が待ちに消える | 担当者は週に何時間、どんな役割で出る想定か |
| 本番に繋ぐ段階で別契約が発生する | 診断や試作の後に、別の見積が来る(当社も、本番化・保守は別契約) | 試作から本番までの費用を、段階ごとに先に出せるか |
| 範囲が増える | 「ついでにこれも」が重なり、月額の時間を超える | 範囲の変更は、誰の承認で、いくら追加か |
| 月額が続くのに終わりの条件がない | 成果が出ていなくても契約が更新される | 期間の終わりと、更新しない条件はどこに書くか |
先に確かめたいのは、「AIで手間を減らす業務が決まっていない」状態かどうかです。 業務が決まっていないと、効果の式に入れる数字がそもそも書けません。先にAI業務の棚卸しの記事の方法で、対象を1つに絞ってから見積を取ると、見積の比較もしやすくなります。
各社の見積に上の「何を聞くか」をそのまま書いて送り、返事を表にしてください。返事が具体的な会社ほど、費用が膨らむ理由を先に知っている会社です。
無料で足りる場面|公的窓口とAIの無料枠
相談の目的が「何から始めるかの整理」なら、無料の公的窓口とAIの無料枠で足りる場面があります。順序は、まず無料で整理し、次の3つのうち1つでも当てはまれば有償に進む、という流れです。有償の契約は、無料で届かないところに使います。
公的窓口の代表が、中小機構が運営する「よろず支援拠点」です。中小機構の公式サイトでは、国が設置した無料の経営相談所として案内され、全国にあり、何度でも無料で相談できるとされています。よろず支援拠点では、各拠点に配置された「AIアドバイザー」に、AIを使える業務の整理やサービス選びを相談できます(よろず支援拠点公式)。相談の前に、AIアドバイザーに相談できる日時を問い合わせてください。窓口の使い分けはAI導入の相談窓口の記事に書きました。
無料のAIは、ここでは製品名の比較をしません。用途(文章の下書き、要約、表の整理など)と、入力する情報を外部に出してよいかで決めます。入力した内容がサービス側でどう扱われるかは、サービスごとに違います。無料版でのデータの扱いは、各サービスの利用規約で確かめてください。
有償に進む目安は、次の3つのうち1つでも当てはまるときです。
- 対象業務は決まったが、手を動かす人が社内にいない
- 実際の業務データや社内のシステムに触れる作業があり、情報の扱いを決める必要がある
- 期限があり、週単位で進める伴走が欲しい
まず無料で整理し、手が足りないところから有償に進む
図の内容: 無料の整理、15万円・30万円の診断、月20〜36万円の月額伴走の順に、手の足りなさと期限に応じて段を上がる。
無料の窓口で相談した後に、「それでも社内で埋められないもの」を1行で書いてください。その1行が、有償で頼む範囲の元になります。
見積を式に入れる5つの質問
見積を式に入れる精度は、次の5つが書面で決まっているほど上がります。期間の終わり、成果物(=納品される物)の定義、効果の測り方、追加費用の条件、途中で止める条件です。決まっていない分は、幅を持たせて試算しながら、書面で確定させる質問を送ります。いずれも、発注側が求めてよい条件です。
| 質問 | 式のどこに効くか |
|---|---|
| ① 期間の終わりはいつか | 投資額(月数)が確定する |
| ② 成果物は何か、どの状態で完成か | 何に払うのかが確定する |
| ③ 効果を何で、誰が、いつ測るか | 効果額が確定する |
| ④ 追加費用が出るのはどんな場合か | 投資額が増える条件が分かる |
| ⑤ 途中で止める条件と、止めたときの精算は | 少なめ(小)のシナリオで損失を止められる |
コピーして、候補すべてに同じ文面で送れる形にします。
件名: AIコンサルのお見積りに関する確認事項
お世話になっております。◯◯社の◯◯です。
お見積りの内容について、次の5点を書面でご回答ください。
1. 契約期間の終わりはいつですか。更新する場合の条件も教えてください。
2. 成果物は何で、どの状態を「完成」とお考えですか。
3. 効果は何を、誰が、いつ測りますか。測る指標を提案してください。
4. 追加費用が発生するのは、どのような場合ですか(範囲の変更、ツール費、本番化など)。
5. 途中で止める場合の条件と、その時点の精算方法を教えてください。
あわせて、見積に含まれていない費用(ツール利用料、本番化、保守)があれば、概算を教えてください。判断に迷ったときの追加質問として、価格より先に、次の3つの得意分野も聞いてください。
| 聞くこと | 確かめ方 |
|---|---|
| 自社の業界に近い仕事の経験があるか | 近い業界での進め方を、数字を伏せた形で説明してもらう |
| 自社の対象業務に近い業務を扱ったことがあるか | 対象業務の流れを話し、どこから手を付けるか聞く |
| 技術の得意分野は何か(文章の生成、データの整理、自動化など) | 自社の業務に合う技術と、合わない技術を両方挙げてもらう |
契約後は、効果の測り方を数字にしておきます。例えば「対象業務の1件あたりの作業時間」「月の処理件数」のように、記録できる指標を1〜2個に絞ってください。進め方は段階導入(=小さく始めて、効果を見てから広げる進め方)にします。まず1業務で小さく試し、効果の数字が見えてから範囲を広げます。診断から入る進め方(診断→試作→本番)は、この段階導入に合います。段階が変わるたびに、費用と効果の数字を入れ直します。
準委任の契約では、成果物の完成でなく、作業そのものに対して払います。そのため、②と③を決めずに始めると「作業はしたが、効果は測っていない」状態になりやすいです。契約形態の違いと選び方は、AI導入の準委任と請負の記事に書きました。確かめ方は、返ってきた回答を5つの質問ごとに表にして、空欄や「別途相談」が多い会社を候補から外すことです。
早見表|費用の見方を1表で
本文の結論を、良い答えと確認が要る答えの2通りにまとめます。見積や提案を受け取ったとき、横に置いて使ってください。確認が要る答えが返ってきたら、右の聞き返しを送ります。
| 見るところ | 良い答え | 確認が要る答え(聞き返し) |
|---|---|---|
| ROIの数字 | 効果額と投資額の両方が載っている | 「ROI◯◯%」だけで元の数字がない(効果額と投資額を聞く) |
| 総額の説明 | コンサル費・ツール費・社内工数・運用費を分けて出す | 「一式◯◯円」だけで内訳がない(4種類の内訳を聞く) |
| 月額の中身 | 何時間分か、何を作るかが書いてある | 「月額◯◯円」で稼働の量が分からない(月の稼働時間を聞く) |
| 効果の測り方 | 何を・誰が・いつ測るかが書いてある | 「効果が出るよう努力する」(測る指標を聞く) |
| 本番化と保守 | 別契約かどうか、概算が先に出る | 契約後に別見積が来る(先に概算を聞く) |
| 止める条件 | 途中で止める条件と精算が書いてある | 期間満了まで止められない(止める条件を聞く) |
| 回収の見通し | 月の効果を小・中・大で置き、効果が少なめの場合(小)でも許せる額 | 大のシナリオだけで説明している(小の場合の数字を聞く) |
今すぐ有償で頼まなくていい会社と、この記事に含まれないこと
次のどれかに当てはまる会社は、今すぐ有償のAIコンサルに頼まなくても構いません。先に無料の相談と社内の準備を進めてください。
- 対象にしたい業務がまだ決まっていない(先にAI業務の棚卸しの記事へ)
- 月の効果を、少なめに見た場合(小)でも1つも書き出せない
- 社内に、週に数時間でも確認に出られる担当者がいない
- 相談したいことが「何から始めるか」だけで、公的窓口の無料相談で足りそう
この記事に含まれないことは次の4つです。
- 契約形態ごとの相場や見積の内訳の詳細 → AIコンサル 費用 中小企業の記事
- 補助金の対象や申請の流れ → AI導入の補助金の記事
- 顧問の月額帯や料金体系 → AI顧問費用の相場の記事
- 専門家を週1〜2回で頼む場合の費用 → AI専門家の費用の記事
Summary in English
Whether an AI consulting fee pays for itself depends on the benefit and the full cost over the same period. ROI is (benefit minus investment) divided by investment. It differs from the ratio of benefit to investment because it subtracts the investment first.
AI Expert’s business fact sheet lists assessment prices of 150,000 yen for the light option and 300,000 yen for the standard option, excluding tax. Monthly engagement examples range from 200,000 to 360,000 yen, with a standard period of three to four months. These are one company’s examples, not a market average or guaranteed price limits. Production deployment and maintenance require separate contracts.
Compare three conditions: benefits below investment mean the cost remains unrecovered; equal benefits mark the break-even point; higher benefits leave a profit. Use your own records to estimate benefits. Time saved is not automatically cash saved, so distinguish staff capacity from reduced spending. Include recurring costs and delays before benefits begin.
Before signing, confirm the contract term, deliverables, measurement method, additional costs, and early termination terms. If the target task or expected benefit is still unclear, start by clarifying the work through a free consultation rather than assuming a numerical return.
まとめ|元が取れるかは式で決まる
AIコンサルの費用は、金額の大きさでなく、式に入れた数字で判断します。
- ROIは(効果額−投資額)÷投資額。同じ期間で集計し、効果と費用が釣り合うところが回収の境目
- 投資額はコンサル費・ツール利用料・社内の工数・運用費の4つの合計。見積書に載るのは主にコンサル費
- 当社の事業資料にある診断費は15万円・30万円(税別)、月額の案件例は20〜36万円。必要な診断費と契約期間中の月額を足して見る
- 効果が投資を下回る・釣り合う・上回る場合を比べ、効果が少なめの場合(小)でも許容できる支出かを確認する
- 効果が出にくいのは、AIで手間を減らす業務が決まっていない、担当者がいない、本番化が別契約、範囲が増える、月額に終わりがないとき
- 期間の終わり・成果物・効果の測り方・追加費用・止める条件の5つを、書面で確かめてから契約する
次のアクションは、3つのうちどれか1つで構いません。
- 今日: 月の効果を1つ書き出す(見積がなくても書ける)
- 今週: 手元の見積の総額を式に入れ、月の効果を少なめ(小)・中・多め(大)の3通りで置いて、小でも許せる損失かを確認する
- 今月: 候補の会社に5つの質問を送り、回答を表にして比べる
見積の金額が元を取れるかを一緒に計算したい場合は、初回30分の無料相談に手元の見積を持ち込んでください。式に入れるところから確認できます。
次に読む
- 契約形態ごとの相場と見積の内訳を知りたい → AIコンサル 費用 中小企業|契約形態別の相場と月20〜36万円
- 社内に費用対効果を説明する資料をつくりたい → AI導入の社内説得|「費用対効果が見えない」を突破する3つの資料術
- 効果を出す業務を選びたい → AI 業務 棚卸し|5列の棚卸表と業務を選ぶ3ステップ
- 補助金で負担を減らせるか知りたい → AI 導入 補助金|2026年度の5枠と補助額・申請の流れ
更新履歴
- 2026-10-14: 初版公開。当社の公開価格と中小機構の公式ページの記載を反映し、ROIの式と3つの回収シナリオの判断条件を掲載
- 次回更新予定: 2026年11月(当社の公開価格、よろず支援拠点の案内、J-Net21の記載を再確認)
本記事は2026年10月14日時点の当社の公開価格と、中小機構の公式ページの記載に基づきます(公開日: 2026年10月14日)。回収シナリオは条件別の考え方であり、導入先の実測や成果の保証ではありません。契約や補助金の最終判断は、各窓口や専門家に確認してください。
参考・出典
- 中小機構「よろず支援拠点」 https://yorozu.smrj.go.jp/(参照日: 2026年10月14日)
- よろず支援拠点全国本部「よろず支援拠点・生産性向上支援センターとは」 https://yorozu.smrj.go.jp/about/(参照日: 2026年10月14日)
- 中小機構 J-Net21「AIコンサルタント」 https://j-net21.smrj.go.jp/startup/guide/it/ai-consultant.html(参照日: 2026年10月14日)
- 当社調査: AI Expert の事業資料(最終更新: 2026年6月12日)の初回相談、診断、月額、契約形態、標準期間を、2026年10月14日に競合ライブラリと照合。掲載価格は同資料の記載値
FAQよくある質問
- AIコンサルの費用はいくらですか?
- 市場全体の相場は契約形態や範囲で大きく変わるので、ここでは当社1社の公開価格を例に答えます。当社のAI適用診断はライト診断15万円・標準診断30万円(税別)、月額で頼む案件例は月20〜36万円で、初期費用は0円、初回相談は30分無料です。本番化や保守は別契約になるため、総額は診断・月額×月数・ツール費・社内の工数を足して見ます。
- AIの導入費用はいくらですか?
- コンサル費、ツールの利用料、社内の担当者の工数、運用費の4つに分けて考えます。金額は目的や範囲で大きく変わるので、1つの数字では答えられません。見積をもらったら、4つのうちどれが含まれ、どれが別になっているかを先に確かめてください。
- AIコンサルの費用は元が取れますか?
- 元が取れるかは、費用の大小ではなく、月にいくらの効果が出るかで決まります。ROIは(効果額−投資額)÷投資額で、回収月数は投資額÷月の効果です。回収月数の式は、初期投資の後に一定の月間効果が続く場合のもので、継続費用があれば月の効果から差し引きます。月の効果を1つも書き出せない段階では、元が取れるかは判断できません。
- AIコンサルの投資回収期間はどのくらいですか?
- 回収月数は、投資額÷月の効果で出ます。公的な資料で業種別の回収期間は確認できないため、一般的な月数は言えません。想定の試算では、投資120万円(月30万円×4か月)に対し、月の効果が5万円・10万円・20万円なら、回収月数は24・12・6か月です。この効果額は想定値で、実測ではありません。
- ROIと「効果額÷投資額」は同じ意味ですか?
- 違います。ROIは(効果額−投資額)÷投資額で、投資を差し引いた利益の割合です。「効果額÷投資額」は投資を差し引く前の倍率です。資料によっては効果額÷投資額の倍率をROIと呼ぶことがあるので、数字を見たら何を何で割ったのかを確かめてください。
- 一番いい無料のAIはどれですか?
- 全員に当てはまる1つはありません。使う用途(文章、要約、表の整理など)と、入力する情報を外部に出してよいかで決まります。会社の機密や個人情報を入れる前に、無料版でデータがどう扱われるかを各サービスの利用規約で確かめ、社内のルールを先に決めてください。
- 無料のAIや公的窓口だけで足りるのはどんな場合ですか?
- 相談したい内容が「何から始めるか」の整理にとどまり、社内に手を動かせる人がいる場合は、無料で足りることが多いです。中小機構が運営するよろず支援拠点は、国が設置した無料の経営相談所で、全国にあり、何度でも無料で相談できます。実際の業務データに触れる作業や、期限を切って伴走してほしい場合は、有償に進む判断になります。
- AIコンサルの費用を抑える方法はありますか?
- 3つあります。①診断から入り、本契約の前に対象業務を絞る、②頼む範囲を1業務に限る、③期間を決めて終わりの条件を書く、の3つです。月額で頼む場合は、成果物の定義と途中で止める条件を契約前に決めておくと、月数が延びて総額が膨らむのを防げます。
- AIコンサルの費用が膨らむのはどんなときですか?
- AIで手間を減らす業務が決まっていないまま始めたとき、社内に担当者がいないとき、本番に繋ぐ段階で別契約が発生したとき、範囲が増えたとき、月額が続くのに終わりの条件がないときです。見積の段階で、追加費用が出る条件と、期間の終わり方を書面で確かめてください。


