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AIエージェントの作り方|非エンジニアの5ステップ・費用・失敗例【2026年8月】

AIエージェントの作り方|非エンジニアの5ステップ・費用・失敗例【2026年8月】

結論: AIエージェントとは、目的を渡すと、道具(検索・ファイル・メール・業務システム)を自分で使って作業を最後まで終わらせるAIです。作るときは、まず「任せる業務・人が確認する場所・作り方の方式」の3つを決め、そのあと5つのステップで作ります。この記事では、プログラムを書かない人でも業務用のAIエージェントを作れるように、作り方3方式の比較、月額費用の目安、コピーして使える指示書3本、それに当社が25体を作って動かして分かった手順と失敗を書きます。

この記事の要点

  • 作る前に決めるのは「任せる業務1つ」「人がどこで確認するか」「作り方の方式」の3つ。ツール選びは3番目でよい
  • 作り方は3方式。画面操作で組むノーコード(Dify・Copilot Studio・n8n)、チャットAIの機能(ChatGPTのスケジュール済みタスクなど)、コードで書く(Claude Code・Python)
  • 費用は試す段階なら無料枠、1部署で毎日動かす段階で月数千円〜3万円前後が目安(2026年8月23日の公式料金ページで確認)
  • 当社がプログラマーなしで作って動かしているAIエージェントは25体。無人で動くのが12体、人が起動するのが7体、止めたのが6体(2026年8月23日・社内の一覧表から転記)
  • 失敗の型は5つ。いきなり全社展開、指示書を一発で完成させようとする、本番データで試す、全部任せて確認しない、効果を測らない。当社も5つのうち3つを実際にやった

この記事は、中小企業の経営者、現場の責任者、情報システム担当がいない会社でAI活用を任された方に向けて書いています。「業務用のAIエージェントを自分たちで作れるのか」「何から始めて、いくらかかるのか」を知りたい方です。AIエージェントの仕組みそのものを詳しく知りたい方はAIエージェントとは?発注者が知るべき仕組みを先に読んでください。AI導入をこれから検討する段階の方はAI導入の進め方を5ステップで解説からどうぞ。

この記事の地図(押すとその節へ飛びます)

費用の目安と失敗の型は、ツール比較と当社の実例のあとに置いています。

今日やることは1つです。自分か自分の部署が、週に10回以上やっている定型業務を1つ、紙に書き出してください。それがこの記事で作るAIエージェントの題材になります。

AIエージェントは何をするAIか|チャットボット・生成AIとの違い

AIエージェントは、目的を与えると、道具を自分で使い分けながら作業を進め、結果を報告するAIです。チャットボットは「聞かれたことに答える」まで、生成AIは「頼まれた文章や画像を作る」までです。AIエージェントは「作業を終わらせる」ところまで担当します。仕組みの詳しい説明はAIエージェントとは?発注者が知るべき仕組みに譲り、ここでは作るために必要な分だけ書きます。

中身は3つの部品でできています。考える役のAI(ChatGPTやClaudeのような、文章を読んで書けるAI)、作業のための道具(Webの閲覧、ファイルの読み書き、メール送信、社内システムへの接続)、そして記憶(過去のやり取りや社内ルールを覚えておく仕組み)です。どの作り方を選んでも、この3つを組み合わせる点は同じです。

AIエージェントの3つの部品——目的を渡すと、考えるAIが道具と記憶を使って結果を出す

AIエージェントの3つの部品左に目的(やらせたい業務1つ)、中央にAIエージェントの枠の中に考えるAI・道具・記憶の3つの部品、右に結果(報告・登録・送信)。矢印が左から右へ流れる。 目的やらせたい業務1つ AIエージェント 考えるAIChatGPT・Claudeなど、文章を読んで書けるAI 道具Web・ファイル・メール・社内システム 記憶社内ルール・過去のやり取り 結果報告・登録・送信

図の内容: 目的(やらせたい業務1つ)を渡すと、AIエージェントの中の「考えるAI」「道具」「記憶」が作業し、結果(報告・登録・送信)を出す、という流れ。人がどこで確認するかは次の節で決める。

観点チャットボット生成AI(チャット型)AIエージェント
何をするか決めた質問に決めた答えを返す頼まれた文章・要約・画像を作る目的に向けて道具を使い、作業を終わらせる
人の関わりシナリオを全部人が書く毎回人が指示を出し、結果を人が使う最初に目的と範囲を決め、途中か最後で人が確認する
よくある質問への自動応答議事録の要約づくり録音の文字起こしから、要約・保管場所への登録・担当者への通知まで

作る前に決める3つ|業務・確認の場所・方式

作る前に決めるのは、①任せる業務を1つに絞る ②人がどこで確認するかを決める ③作り方の方式を選ぶ、の3つです。ツールを先に選ぶと、できることに業務を合わせることになり、使われない物になりがちです。

① 任せる業務を1つに絞る

最初に任せる業務の条件は3つです。週に10回以上繰り返している、手順を言葉で説明できる、間違えても取り返しがつく。「問い合わせメールの仕分け」「議事録の要約」「日報のまとめ」「見積書の下書き」は、この3条件を満たしやすい業務です。逆に、月に1回しかない業務、担当者によってやり方が違う業務、送った瞬間に取り消せない業務(顧客への請求、契約の送付など)は、最初には選びません。

確かめ方は簡単です。その業務の手順を、新人に教えるつもりで箇条書きにしてみてください。10行以内で書けて、各行に「どのファイルを見て・何をして・どこに出すか」があれば合格です。その業務はAIエージェントに任せられます。業務の型は次の節の7つから選べます。

② 人がどこで確認するかを決める

AIエージェントは間違えます。だから「どこで人が見るか」を先に決めます。置き方は次のとおりです。

  • 送る前に見る: メール・フォーム送信・顧客への返信など、外に出るものは必ず人が確認してから送る
  • できた物を見る: 議事録・日報・集計のように社内で使うものは、人が読んで直してから使う
  • あとでまとめて見る: 仕分け・タグ付け・通知のように影響が小さいものは、週に1回まとめて確認する

最初に任せる業務は「送る前に見る」か「できた物を見る」にしてください。「全部任せる」は、動かして3か月ほど様子を見てから判断する段階です。当社の毎朝の営業自動化も、候補リストの収集は無人、送付は人が承認してから、という2段階にしています。

任せる範囲と人が握る範囲——外に出るものほど人の確認を手前に置く

人の確認の3つの型と、向く業務3段の帯。上段「送る前に見る」はメール・フォーム・顧客への返信など外に出る業務。中段「できた物を見る」は議事録・日報・集計など社内で使う業務。下段「あとでまとめて見る」は仕分け・タグ付け・通知など影響が小さい業務。上ほど人の確認が手前に、下ほどAIに任せる範囲が広い。 人の確認の型← 人が握る  AIに任せる → 送る前に見るメール・フォーム送信・顧客への返信・見積AIは下書きまで。送るのは人 できた物を見る議事録・日報・集計・レポートAIが作り、人が読んで直してから使う まとめて見る仕分け・通知AIがそのまま出す。人は週1回まとめて確認 最初の業務は上2段のどちらかで始める。3段目は3か月動かしてから

図の内容: 人の確認の3つの型を、人が握る範囲の広さで3段に並べた図。「送る前に見る」(外に出る業務)は人の範囲が最も広く、「できた物を見る」(社内で使う業務)が中間、「あとでまとめて見る」(仕分け・通知)はAIに任せる範囲が最も広い。

③ 作り方の方式を選ぶ

作り方は、ノーコード(=プログラムを書かずに画面操作で組む方式)、チャットAIの機能、コード(=プログラムを書く方式)の3つです。選び方は、次の節の決定木(=はい・いいえで枝分かれして答えにたどり着く図)で決まります。迷ったらノーコードから始め、動かしてみて「画面操作では届かない」と分かった部分だけコードに移すのが近道です。

当社は情報システム担当がいない一人会社ですが、コードの方式を選びました。営業リストの表・議事録の保管場所・プログラムの保管庫という社内の置き場と深くつなぐ必要があったからです。プログラムは書かず、AIコーディングツール(Claude Code)に日本語で指示して作っています。

業務別の型7つ|入力→AIがすること→人の確認

最初に任せる業務は、次の7つの型のどれかに当てはまることがほとんどです。どれも「入力→AIがすること→出力→人の確認」の1行で書けます。1行で書けないときは、業務がまだ大きすぎる合図です。もう一段小さく切ってから書き直します。

業務(入力→出力)AIがすること人の確認
1 問い合わせの振り分け(メール・フォーム→担当部署と返信の下書き)内容を分類し、担当を決め、返信を下書きする送る前に見る
2 議事録の要約と転記(録音・文字起こし→議事録と保管場所への登録)決定事項・宿題・期限を抜き出すできた物を見る
3 日報・報告書のまとめ(各人の日報→部署の日報・週報)共通の型に整え、異常値を目立たせるできた物を見る
4 見積書の下書き(依頼メール・過去の見積→見積書の下書き)条件を読み取り、近い型を選んで埋める。金額は要確認送る前に見る
5 営業リストの補充(会社名→連絡先の入った表)公式サイトを探し、問い合わせ先を集めるあとでまとめて見る
6 定期レポートの作成(売上・進捗の表→毎週のレポート)集計し、前週比と要注意点を文章にするできた物を見る
7 社内FAQへの回答(社員の質問→回答と参照元)社内マニュアルを検索して答え、根拠の場所を示すあとでまとめて見る

1と7はDifyやCopilot Studioが得意です。2・3・6はファイルの読み書きが中心なので、Claude Codeのようにファイルを直接扱えるツールが向いています。4と5は「送る前に見る」を必ず残してください。金額や連絡先の間違いは、そのまま外に出ると取り返しがつきません。5の営業リストを使って営業メールを送る場合は、特定電子メール法(広告宣伝メールの送信ルールを定めた法律)の対象になります。同意の取り方・差出人の表示・配信停止の案内を先に整えてください。営業資料の自動作成は営業資料をAIで10分で作る仕組みに実物があります。

経理業務でも入力→AI処理→人の確認の型は同じで、仕訳AI自動化の3つの導入パターンと電帳法対応を見るとOCR・ルールベース・機械学習をどう役割分担させるかが具体的にわかります。

作り方は3つ|ツール比較(ノーコード・チャットAI・コード)

AIエージェントの作り方は3方式です。画面操作で組むノーコード(Dify・Microsoft Copilot Studio・n8n)、チャットAIの機能(ChatGPTのスケジュール済みタスク、Claudeのプロジェクト)、プログラムを書くコード(Claude Code・Python)。2026年8月時点では、非エンジニアはこの7つのツールを押さえれば足ります。

作り方の選び方——3つの質問で方式が決まる

作り方3方式の決め方(決定木)質問1「自分1人の業務か」がはいならチャットAIの機能。いいえなら質問2「社内のファイルやシステムと深くつなぐか」。いいえならノーコード(Microsoft 365を使っていればCopilot Studio、それ以外はDifyかn8n)。はいなら質問3「直せる人が社内にいるか」。はいならコード(Claude Code・Python)、いいえなら外部に頼むか、まずノーコードで試す。 Q1 自分1人の業務?新しいツールを増やしたくない はい チャットAIの機能ChatGPTのタスク・Claudeのプロジェクト いいえ Q2 社内のファイルやシステムと深くつなぐ? いいえ ノーコードMicrosoft 365ならCopilot Studio それ以外は Dify か n8n はい Q3 直せる人が社内に1人いる? はい コードClaude Code・Python いいえ 「直し方まで教わる」契約で外部に頼む。または、まずノーコードで試す

図の内容: 3つの質問で作り方を決める決定木。①自分1人の業務なら「チャットAIの機能」。②社内のファイルやシステムと深くつながないなら「ノーコード」(Microsoft 365を使っていればCopilot Studio、それ以外はDifyかn8n)。③深くつなぐ場合、直せる人が社内にいれば「コード」(Claude Code・Python)、いなければ直し方まで教わる契約で外部に頼むか、まずノーコードで試す。

ツール方式向く業務
Difyノーコード問い合わせ対応、社内FAQ、文書の要約
Microsoft Copilot StudioノーコードTeams上の問い合わせ対応、社内資料の検索、承認依頼
n8nノーコードフォーム受付→仕分け→通知、定期レポート
ChatGPTチャットAIの機能毎朝のニュース整理、定型文の下書き
ClaudeチャットAIの機能議事録の整形、提案書の下書き
Claude Codeコード集計、レポート生成、社内ツールの自作
Python(LangChainなど)コード既存システムに組み込む本格開発

料金はすべて公式ページの2026年8月23日時点の表示です。円換算は1ドル150円・1ユーロ170円で「約」とし、実際の請求は為替で変わります。

Dify|ノーコードの定番。社内文書を読ませる業務に強い

Difyは、画面上で「入力→AIの処理→道具→出力」の流れを線でつないで作ります。社内のマニュアルやFAQを読み込ませる機能(ナレッジ)が最初から付いています。問い合わせ対応や社内FAQの自動化から入る会社に向いています。社内文書を検索させる仕組み(RAG)を自分たちで組む場合の工程は、RAG構築の進め方|4工程の手順・チャンク設計・動作確認までに書きました。無料のSandboxプランはメッセージクレジット(=AIとのやり取り1回ごとに減る券)200までで、月ごとではなく一度きりの枠です。加えて利用者1名・アプリ5個・読み込ませる文書50件・50MBまでなので、社内FAQを試すと文書数の上限に先に当たります。有料はProfessionalが年$590(月換算約$49・約7,400円)で月5,000クレジット、Teamが年$1,590(月換算約$133・約20,000円)です(Dify公式料金ページ・参照日: 2026年8月23日)。

自社サーバーに置くセルフホスト版(=ソフトを自分たちのサーバーに入れて動かす方式)は無料です。ただし、サーバー代と更新の担当が別に要ります。情報システム担当がいない会社は、クラウド版(=提供元のサーバーで動き、申し込めばすぐ使える方式)の無料枠か有料プランで始めるほうが結果として安くつきます。

Microsoft Copilot Studio|Microsoft 365を使っている会社の近道

すでにMicrosoft 365(Teams=社内チャット、Outlook=メール、SharePoint=社内の文書置き場)を使っている会社なら、Copilot Studioが一番近いツールです。ただし含まれる範囲に注意が要ります。Microsoft 365 Copilot(年払いで1ユーザー月4,497円。条件を満たすMicrosoft 365の法人プランが前提)で作れるのは、人が話しかけると答える社内向けエージェントまでです。この記事が扱う「決めた時刻に自分で動く自律型」と「社外のWebサイトへの公開」は、Copilotクレジット(25,000クレジットのパックで月29,985円、または従量課金=使った分だけ払う方式)が要ります。さらに、Azure(=マイクロソフトのクラウドサービス)の契約も別に必要です(Microsoft公式・参照日: 2026年8月23日)。最初の業務になりやすいのは、Teamsの中で「この資料どこ?」「この申請どうやる?」に答える使い方です。

n8n|「つなぐ自動化」にAIの判断を足す

n8nは、フォーム・スプレッドシート(=Excelのような表計算の表)・メール・チャットなど複数のサービスをつなぐ自動化ツールです。その途中にAIの判断を挟めます。「問い合わせフォームに入ったら、AIが内容を読んで担当部署に振り分け、チャットに通知する」のような流れに向いています。クラウド版はStarterが月20ユーロ(年払い・約3,400円)で月2,500回まで、Proが月50ユーロ(約8,500円)で月10,000回までです(n8n公式料金ページ・参照日: 2026年8月23日)。回数の数え方は、途中に何ステップあっても流れ1本で1回です。ただし「5分ごとに見に行く」型は、動きが無くても1回と数えます。定期チェックは間隔を長くするか、受信をきっかけに動かす形にしてください。セルフホスト版は無料ですが、Difyと同じくサーバーと更新の担当が要ります。

ChatGPT・Claude|新しいツールを増やさずに「自分1人の業務」から

すでに使っているチャットAIの機能だけで、最初のエージェントを作ることもできます。ChatGPTの有料プランには、決めた時刻に動く「スケジュール済みタスク」があります(どのプランで使えるかは公式ページで確認してください)。1時間に1回より短い間隔では動かせません。同時に持てる数はGo 3件・Plus 5件・Pro 15件ほどで、しばらく結果を開かないと自動で止まります(OpenAIヘルプセンター・参照日: 2026年8月23日)。「毎朝届く」仕組みにするなら、週に1回は結果を開いてください。Claudeの「プロジェクト」は、資料と指示を固定して毎回同じ型で作業させる機能です。動かすのは人です(Proプラン以上)。どちらも「毎朝の情報整理」「定型文の下書き」のように、人が最後に見る前提の業務なら十分です。3つのチャットAIの使い分けはChatGPT・Claude・Geminiをどう使い分けるかに書きました。

Claude Code・Python|ファイルとシステムに深くつなぐ

Claude Codeは、黒い画面(ターミナル)かデスクトップアプリに日本語で指示を打って使うツールです。パソコンの中のファイルを読み、直し、プログラムを実行して、結果を報告します。Pro(月$20・約3,000円)以上の定額プランか、APIの従量課金(=使った分だけ後払いになる利用料)のどちらかで使います。定額プランの利用量には「5時間ごと」と「週ごと」の2段階の上限があり、チャットのClaudeと同じ枠を使います。無人で毎日動かすなら、人の作業と時間帯をずらすか、そのエージェントだけAPIキーに分けてください(Claude Codeの料金と無料の可否)。当社の25体のうち23体は、この方式で作って手元のパソコン(主に1台のMac mini)の上で動かしています。導入はClaude Codeの始め方、何ができるかはClaude Codeでできること25選、非エンジニアが作った実例は非エンジニアがAIでWebアプリを作った話にまとめています。

Pythonで一から書く方式は、LangChain(=AIと道具をつなぐためのプログラムの部品集。公式)などを組み合わせて作ります。既存の業務システムに組み込む本格開発に向きますが、直せる人が社内に1人はいる前提です。非エンジニアが最初に選ぶ方式ではありません。

費用の目安|月額いくらで始められるか

AIエージェントを自社で作って動かす費用は、試す段階なら0円(各社の無料枠)、1部署で毎日動かす段階で月数千円〜3万円前後です。複数部署や既存システムにつなぐ段階では、月5万円以上に構築費が加わります(2026年8月23日時点の各社公式料金ページの表示)。

段階何をするか費用の例目安
最小(試す)1業務を複製したテスト用データで動かすDify Sandbox 無料(200クレジット・一度きり)/ChatGPT・Claudeの無料プラン(Claude Codeとプロジェクトは不可)0円
標準(1部署で毎日)1〜2業務を本番で、人の確認つきで動かすChatGPT Plus 月3,000円/Claude Pro 月$20(約3,000円)/Dify Professional 年$590(月換算約7,400円)/Microsoft 365 Copilot 年払いで1ユーザー月4,497円月数千円〜3万円
本格(複数部署・システム連携)自律型・社外公開・複数人で管理Copilot Studio 25,000クレジット 月29,985円/Claude Max 月$100〜(約15,000円〜)/Dify Team 年$1,590(月換算約20,000円)/外部に頼む場合は構築費月5万円〜+構築費

当社の実例では、25体を動かす固定費のうち把握できているのは、サーバー代2,200円(概算)とメール配信3,300円の月5,500円です(ドメイン代は未算入)。これにAIの利用料が乗ります(2026年8月23日に社内の一覧表から転記)。AIの利用料は3種類あります。Claude Codeで作った23体は、ほとんどが定額プラン(Claude)の範囲で動きます。営業文面を作るWebサービス型(=ブラウザから使う社内向けの自作サービス)の1体はOpenAIのAPI従量課金で送付1件ごとに料金がかかり、録音の要約にはGeminiのAPIを使っていました(現在は停止中)。「定額の範囲でどこまで動くか」は、最初の1か月で実測してから判断してください。

自社で作るか外部に頼むかの分かれ目は、「直せる人が社内にいるか」です。いなければ、構築費を払ってでも「直し方まで教えてもらう」契約にします。毎回の修正を外注するより、結果として安くつくことが多いからです。外部に頼む場合の相場(要件定義40〜200万円・試作100〜500万円)と見積の読み方はAI受託開発の費用相場、社内で直せる状態を目指す考え方はAI内製化とはにまとめています。

AIエージェントの作り方5ステップ|手順書から本番まで

作り方の5ステップは、①業務の手順を書き出す → ②道具と権限と鍵を決める → ③指示書(プロンプト)を書く → ④複製したテスト用データで試す → ⑤人の確認つきで本番に出す、です。ツールがDifyでもCopilot StudioでもClaude Codeでも、この順番は変わりません。

5ステップの流れ——最初の版は数日、そのあと2〜3週間で間違いの傾向を潰す

ステップ 1
業務の手順を書く

決めた業務1つを、新人に教えるつもりで10行以内に

ステップ 2
道具・権限・鍵を決める

読む・書く・送るの範囲。最初は「下書きまで」

ステップ 3
指示書を書く

役割・目的・手順・判断の基準・出力の形・やってはいけないこと

ステップ 4
複製したデータで試す

20〜30件。一致9割・してはいけない操作0件を目安に直す

ステップ 5
人の確認つきで本番

最初の1か月は毎日5分、人が出力を見る

図の内容: 作り方の5ステップ。①決めた業務の手順を10行以内に書く ②道具と権限(読む・書く・送る)と鍵の置き場を決める ③指示書を書く ④複製したテスト用データ20〜30件で試し、一致9割・してはいけない操作0件を目安に直す ⑤人の確認つきで本番に出し、最初の1か月は毎日人が見る。

ステップ1: 業務の手順を書き出す

「作る前に決める3つ」で選んだ業務の手順を、新人に教えるつもりで書きます。AIに手順を書き出させると早く済みます。次の指示書をコピーし、「業務:」の行を自分が選んだ業務に書き換えてから、ChatGPTかClaudeに貼ってください。

プロンプト
あなたは業務改善の担当者です。次の業務を、新人に教えるための手順書にしてください。

業務: 問い合わせメールを読んで、担当部署に振り分け、受付済みの返信を送る

条件:
- 手順は10行以内。各行に「何を見て」「何をして」「どこに出すか」を書く
- 人が判断している箇所には【判断】と印を付ける
- 例外(担当が分からない、クレームらしい、など)は最後にまとめる
- 要確認の箇所は「要確認」と書き、勝手に埋めない

できた手順書の【判断】の数を数えます。3つ以下なら最初の業務に向いています。5つ以上あるなら、業務をさらに小さく切るか、【判断】の部分だけ人がやる形にします。

ステップ2: 道具と権限と鍵を決める

ツールは前の節の決定木で選びます。ここで決めるのは、ツールの名前ではありません。「読んでよい範囲」「書いてよい範囲」「送ってよい範囲」の3つの権限と、鍵の置き場です。

  • 読む: どのフォルダ・どのメールボックス・どの表を読ませるか(顧客の個人情報が入る場所は最初は外す)
  • 書く: どこに結果を出すか(最初は「下書き」フォルダや「確認待ち」列に出し、本番の表には直接書かせない。書き込む範囲をはっきり決め、書いた直後に読み戻して一致を確かめる)
  • 送る: メール・チャット・フォームへの送信を許すか(最初の業務では許さない。人が送る)
  • 鍵: APIキーやログイン情報(=ツールが各サービスに入るための合い言葉)は、チャットや共有フォルダに貼らない。設定画面か、本人だけが読めるファイルに置く。鍵とログインには期限があるので、切れた日に止まることを見込んでおく

権限を決めずに作ると、「AIが顧客に勝手にメールを送った」「本番の表を上書きした」という事故が起きます。当社も本番の表で事故を起こしました(「失敗の型は5つ」に書きます)。権限は後から広げられますが、消えたデータは戻りません。

ステップ3: 指示書(プロンプト)を書く

指示書は「役割・目的・手順・判断の基準・出力の形・やってはいけないこと」の6つを書きます。ステップ1で作った手順書をそのまま使えます。

プロンプト
あなたは当社の問い合わせ受付担当です。

目的: 受信した問い合わせメールを読み、担当部署を決め、受付済みの返信文を下書きする

手順:
1. 件名と本文を読み、内容を「見積依頼」「サポート」「採用」「営業の売り込み」「その他」のどれかに分類する
2. 分類ごとの担当部署は次のとおり: 見積依頼=営業部、サポート=カスタマーサポート、採用=総務、営業の売り込み=対応不要、その他=総務
3. 受付済みの返信文を、下のテンプレートに沿って下書きする
4. 結果を「分類/担当部署/返信文の下書き/判断に迷った点」の4項目で出力する

判断の基準:
- 怒り・不満の言葉がある場合は、分類に関わらず「上長へ報告」と付ける
- 担当部署が決めきれない場合は「総務(要確認)」にする

やってはいけないこと:
- メールを送信しない(下書きまで)
- 本文に書かれていない事実を補わない
- 個人情報(電話番号・住所)を出力に含めない

返信テンプレート:
「お問い合わせありがとうございます。内容を確認し、担当より2営業日以内にご連絡いたします。」

最初から完璧な指示書は書けません。10件ほど実際のメール(の複製)で試し、間違えた箇所だけ基準を足していきます。当社の商談録を保存するエージェントは、初版のあと1回、指示書の「検品の基準」を足しました。それで顧客の実名や機密が混じるのを止められるようになりました。

ステップ4: 複製したテスト用データで試す

本番のメールボックスや本番の表で試さないでください。過去の問い合わせ20〜30件を複製した「テスト用」の場所を作ります。作り方は簡単で、過去のメールの件名と本文を1枚のスプレッドシートに貼るだけです。貼るときに、氏名・会社名・電話番号・メールアドレスをダミー(=本物の代わりに置く架空の名前。「田中様」「A社」など)に置き換えてください。氏名や社名は分類の正解に関わらない情報なので、置き換えても正しさは確認できます。個人情報をクラウドのツールに入れずに済みます。

テストの採点も、AIに手伝わせると早いです。3本目の指示書をコピーして、AIエージェントの出力と正解の表を貼ってください。

プロンプト
あなたは検査担当です。AIエージェントのテスト結果を、次の3つの観点で採点してください。

入力: 20〜30件の「AIの出力」と「人が付けた正解」の表

観点:
1. 正しさ: 分類と担当部署が正解と一致した件数と割合(目安: 9割以上)
2. 安全性: 送ってはいけない物・書いてはいけない場所に触れた件数(目安: 0件)
3. 直しやすさ: 間違えた件ごとに「指示書のどの行を直せば防げたか」を1行で書く。直せない間違いは「業務の切り方の問題」と印を付ける

出力: 観点ごとの結果と、指示書に足すべき判断の基準の案(3つまで)

正しさが9割に届かないときは、指示書の「判断の基準」を増やします。安全性が0件でないときは、ステップ2の権限を狭めます。「9割」「0件」は当社が使っている目安で、決まった基準ではありません。外に出る業務ほど厳しく、社内で使う物ほど緩くて構いません。

ステップ5: 人の確認つきで本番に出す

本番に出すときも、最初の1か月は「送る前に見る」か「できた物を見る」の確認を必ず残します。毎日5分、AIエージェントの出力を人が見て、間違いの傾向をメモします。1か月で間違いの傾向が出尽くしたら、確認の頻度を「あとでまとめて見る」に下げられます。

本番に出す手順はツールによって違います。Difyなら作ったアプリを社内向けに公開し、社員がアクセスできるURLかチャットに置きます。Copilot Studioなら、作ったエージェントをTeamsのチャネル(=話題ごとに分かれた部屋)に置きます。Claude Codeなら、指示をファイルに保存し、常時つけっぱなしのパソコンの定期実行の仕組み(=決めた時刻に自動で動かすパソコン標準の機能。macOSならlaunchd、Windowsならタスクスケジューラ)で動かします。定期実行にする前に決めておくことがあります。①使わせる道具をはっきり指定する(何も指定しないと、道具を使えずに止まる)②実行の直前にログインが生きているか1回確かめる ③定期実行の仕組みに「どの利用者として動かすか」を伝える(伝えないと、夜間にログイン情報を読めずに止まる)。当社で無人で動く12体のうち9体は、この方法で1台のMac mini(Windowsでも同じことができます)の上で動いています。

本番導入の前に小さく検証してから進めたい場合は、PoCの4段階の進め方と費用相場で検証観点や失敗パターンを確認してから着手すると手戻りを減らせます。

当社の実例3つ|確認の型ごとに1つ

当社(AI Expert・一人会社)が2026年8月23日時点で動かしているAIエージェントは25体です。そのうち無人で動くのが12体、人が起動するのが7体、作った後に止めたのが6体です(社内の一覧表から転記)。25体は一度に作った物ではなく、1体ずつ足した結果です。直近に作った1体(求人シグナル営業)は、作り始めから3日で動きました。ここでは、人の確認の3つの型ごとに1つずつ紹介します。業種が違っても、「入力→AIがすること→人の確認」の組み立ては変わりません。

① できた物を見る|商談録の自動保存(一般の会社なら、日報や報告書の保管)

Notion(=社内の文書やメモをためておくクラウドのサービス)にたまる商談の議事録を毎晩1時に読み、社外との商談だけを選びます。ExcelやGoogleドライブに置いた議事録でも同じことができます。顧客の実名や機密が混じっていないかを別のAIが検品し、合格した物だけを社内の保管場所に保存します。人の確認は「できた物を見る」です。2026年8月19日から23日までに5回動いて28件を保存しました(変更履歴から集計)。作り始めから初回の自動保存まで5日(8月14日→19日)。その2日後に、「相手先の名前をどこから引くか」を変える改修が1回入りました。

② あとでまとめて見る|片付けの見張り番(一般の会社なら、共有フォルダの放置ファイル点検)

作業用の置き場に「作りかけのファイル」や「2日以上放置されたメモ」が残っていないかを、毎晩21時15分に点検するエージェントです。残っているときだけチャットに知らせます。きっかけは、メモ28件が2日間どこにも共有されずに止まっていた事故でした。入力は社内の置き場、AIがすることはファイル一覧の取得と「放置されているか」の判定、出力はチャット通知、人の確認は「通知を見て片付ける」。プログラムは約500行(2026年8月23日にソースコードから集計)で、作った日のうちに定期実行に載せました。

③ 送る前に見る|求人シグナル営業(一般の会社なら、新規開拓のリスト作りと連絡)

AIエンジニアの求人を出している会社を求人サイトから集め、営業リストに入れるエージェントです。そのうえで採用担当者をLinkedIn(=仕事用のSNS)で探し、毎朝40件の接続申請とメッセージを送ります。入力は求人サイト、AIがすることは求人の検索・営業リストへの書き込み・送る文面の作成、出力は営業リストと送付記録、人の確認は「送る文面を事前に承認」です。作り始めが2026年8月19日、初回の稼働が8月22日で、初日は40件中40件の送付に成功しました(社内の変更履歴と一覧表から転記)。3日で動いたのは、業務を「探す→記録する→送る」の3つに分け、それぞれ別のエージェントにしたからです。1人あたりの申請数には事実上の上限があるため、2名分のアカウントに20件ずつ分けています。

注意: SNSの中には、自動送信を利用規約で禁じているものがあります。アカウント停止のリスクを自社で引き受ける前提の運用です。真似る前に各サービスの利用規約を読んでください。

残りの22体のうち、この記事の型で説明できる物を1行ずつ挙げます。週次の経営レポート(毎週月曜6時40分に数字をまとめ、別のAIが検品して確定。人の承認は2026年8月19日にやめた)、録音→文字起こし→要約の保存(文字起こしはパソコンの中で、要約だけ外部のAIに送る。録音の運用が続かず、いまは一時停止中)、営業文面を作ってメールとフォームで送るWebサービス型(送付1件ごとにOpenAIのAPI料金がかかる。特定電子メール法の対象なので、同意・差出人表示・配信停止の案内を整えてから)、毎朝のLinkedIn送付(毎朝6時のAI営業自動化【実録】。2026年8月21日に③へ枠を移して停止)。運用の全体は一人会社の営業をAIで回す【実録】、議事録ツールの比較は議事録向け生成AIツール比較にあります。25体を業務別の12例に整理した一覧と、止めた6体の理由はAIエージェントの活用事例12選に出しました。

動かし始めたあとの運用|静かに止まる・鍵の期限・引き継ぎ

動かし始めたあとに一番多い事故は「間違える」ではなく「静かに止まる」です。出力を人が見る運用は、動いていて初めて成り立ちます。当社でも、夜間の処理がパソコンのログイン情報を読めずに止まったことがあります。そこで、止まったことに気づく仕組みを後から足しました。最低限、次の4つを決めておいてください。

  • 成功したときも失敗したときも、1行だけチャットに流す。何も来ない日は「止まっている日」と分かる
  • 鍵とログインには期限がある。APIキー・ログインのトークン(=ログイン状態を保つ電子の通行証)・クラウドの支払いカードの切れる日を一覧にし、前もって更新する
  • 直せる人が休んだ日の「止め方」を紙に書く。止める操作が分からないと、間違った出力が出続ける
  • 月1回、出力を抜き取って人が確認する。最初の1か月が過ぎても、確認をゼロにはしない

失敗の型は5つ|当社が実際にやった3つと対策

AIエージェント作りでよくある失敗は、①いきなり全社展開 ②指示書を一発で完成させようとする ③本番データで試す ④全部任せて確認しない ⑤効果を測らない、の5つです。どれもツールではなく進め方の問題です。当社も25体を作る中で、③④⑤の3つを実際にやりました。

#失敗起きること対策
1いきなり全社展開部署ごとに業務が違い、どこにも合わないエージェントになる1部署の1業務から。3か月動いてから横に広げる
2指示書を一発で完成させようとする完成しないまま時間が過ぎる10件試して間違えた箇所だけ足す
3本番データで試す本番の表を上書きする、顧客に送ってしまう複製したテスト用データで試す。権限は「読む・書く・送る」で分ける
4全部任せて確認しない間違いが3か月後に見つかる最初の1か月は毎日5分、人が出力を見る
5効果を測らない使われているのかが分からず、更新も止まる「処理件数」「人が直した件数」「かかった時間」の3つだけ毎週記録する

「AIを試したが使い物にならなかった」という段階での原因の切り分け方はAIを試したが使い物にならなかった原因は3つに書いています。

当社がやった失敗3つ

  • 本番の表で事故(失敗3): 営業リストのスプレッドシートで、AIが「追記」のつもりで書き込んだ内容が既存の行を上書きし、元のデータが消えました。2026年7月と8月の2回です。原因は、書き込み先の範囲を指定せず「表の末尾に足す」命令に任せていたこと。エラーは出ず、画面上は成功に見えました。対策は、書き込み先の範囲を必ず指定し、書いた直後に読み戻して一致を確かめる、の2つです
  • 全部任せて回らなかった(失敗4の変形): AIが自分で調べ、書き、評価まで行う完全自律の仕組み(許認可の調べ物を担当するエージェント群)を作りましたが、2026年7月19日にやめました。人の確認も、正解との答え合わせもない領域では、AIが何をどれだけ間違えているかが分かりません。それでは改善が回らないからです
  • 自動化しすぎて質が落ちた(失敗5): このコラムの記事を、安いAIが毎朝1本下書きし、別のAIが検品して自動公開する。この仕組みを2026年7月から動かしました。本数は増えましたが、読まれる記事の質には届かず、8月23日に廃止しました。「処理件数」だけ見て「読まれた件数」を見ていなかった例です

セキュリティで最低限押さえる3つ

権限の分け方はステップ2に書いたとおりです。それ以外に、次の3つを押さえてください。入力してはいけない情報の線引きは中小企業の生成AIセキュリティに詳しく書いています。

  • 入力が学習に使われる設定を確認する: 各サービスの設定画面の「データ」「プライバシー」の項目を開き、入力したデータをAIの学習に使う設定になっていれば無効にする。無料枠のAPIは、入力が製品改善に使われる場合があるので機密は入れない
  • 何をしたか記録を残す: いつ・どの入力に・何を出したかを記録(ログ)に残し、間違いが見つかったときに辿れるようにする
  • 社内ルールを1枚にする: 使ってよい業務・入れてはいけない情報・確認の担当をまとめ、関わる人全員に配る

早見表|方式別の向く業務・費用・人の確認

自社に合う方式が決まったら、この表で向く業務・月額・最初に置く人の確認を確かめてください。1つ目の版が動くまでの期間は、コード方式で3〜5日(当社の実例)が目安です。チャットAIの機能はこれより短く済みます。

方式向く業務月額の目安最初に置く人の確認
ノーコード(Dify・Copilot Studio・n8n)問い合わせ対応、社内FAQ、フォーム受付→仕分け→通知無料枠〜月数千円。Microsoft 365 Copilotは年払いで1ユーザー月4,497円できた物を見る
チャットAIの機能(ChatGPT・Claude)毎朝の情報整理、定型文の下書き、自分1人の業務月1,400〜3,000円前後できた物を見る
コード(Claude Code・Python)集計・レポート、議事録の転記、営業リストの補充、社内の置き場と深くつなぐ業務定額プラン月$20〜(約3,000円〜)か従量課金のどちらか。無人で動かすなら常時つけっぱなしのパソコンかサーバーが別に要る送る前に見る(外に出る物)/できた物を見る

AIエージェントを今すぐ作らなくていい会社と、この記事に含まれないこと

AIエージェントを今すぐ作らなくていいのは、次の3つのどれかに当てはまる会社です。

  • 任せたい業務が週に10回未満しかない(手で済ませたほうが早いです)
  • 同じ業務でも担当者ごとに手順が違う(手順を揃えるのが先です)
  • その業務が請求・契約・法的な通知のように、間違えた瞬間に取り返しがつかない(人がやる業務です)

この記事に含まれないこと:

Summary in English

This article is a step-by-step guide for small and mid-sized companies in Japan that want to build a business AI agent without programmers. An AI agent is an AI that takes a goal, uses tools (web, files, email, internal systems), and finishes the work; it consists of a reasoning model, tools, and memory. Before building, decide three things: one task to delegate (done 10+ times a week, describable in words, recoverable if wrong), where a human checks the output (before sending, after completion, or in weekly batches), and the build approach. There are three approaches: no-code tools (Dify, Microsoft Copilot Studio, n8n), features of chat AIs (ChatGPT scheduled tasks, Claude projects), and code (Claude Code, Python with LangChain). The five steps are: write the procedure, set tool permissions (read/write/send) and key storage, write the instruction prompt, test on copied and anonymized data (aim for 90% agreement and zero unsafe actions), and go live with human review. Pricing checked on official pages on August 23, 2026: Dify Sandbox is free (200 message credits, one-time) and Professional is USD 590/year; n8n Starter is EUR 20/month and the self-hosted Community Edition is free; Microsoft 365 Copilot is JPY 4,497 per user per month (annual billing), and autonomous agents need a pack of 25,000 Copilot Credits at JPY 29,985/month plus an Azure subscription; ChatGPT Plus is JPY 3,000/month; Claude Pro is USD 20/month. AI Expert (Orga LLC, Tokyo, Japan) runs 25 AI agents built by a non-engineer with Claude Code (12 unattended, 7 manual, 6 stopped) at a known fixed cost of JPY 5,500 per month for a server and email delivery, and shares three real failures: overwriting a production spreadsheet, a fully autonomous agent fleet shut down in July 2026, and an auto-published article pipeline retired for low quality.

まとめ|最初の業務は「小さく・確認つきで」

作り方の要点は次の6つです。

  • AIエージェントは「目的を渡すと道具を使って作業を終わらせるAI」。考えるAI・道具・記憶の3つでできている
  • 作る前に決めるのは、任せる業務1つ(週10回以上・手順を言葉にできる・取り返しがつく)、人が確認する場所、作り方の方式
  • 作り方は3方式。迷ったらノーコード(Dify・Copilot Studio・n8n)から。Microsoft 365を使っている会社はCopilot Studioが近道だが、自律型はクレジットとAzureの契約が別に要る。社内の置き場と深くつなぐならコード
  • 5ステップは、手順を書く → 道具と権限と鍵を決める → 指示書を書く → 複製したデータで試す → 人の確認つきで本番。動かし始めたら「静かに止まる」に気づく仕組みを足す
  • 費用は試す段階は0円、1部署で毎日動かす段階は月数千円〜3万円前後。当社の25体は固定費が月5,500円にAIの利用料
  • 当社の3例が示すのは、人の確認の型を「業務が外に出る度合い」で変えること。失敗の型は5つで、当社も3つをやった。対策は、権限を分ける・人の確認を残す・読まれた件数まで測る

次のアクションは、3つのうちどれか1つで構いません。

  • 今日: 週10回以上やっている定型業務を1つ書き出す
  • 今週: ステップ1の指示書で手順書を作り、作り方の方式を1つ選んで、無料枠で過去のデータ20件(ダミーに置き換えた物)を使って試す
  • 今月: 人の確認つきで本番に出し、「処理件数・直した件数・かかった時間」を記録し始める

最初の業務をどれにするか、どの方式が自社に合うかは、会社ごとに答えが違います。当社の25体の設計図と失敗の記録は無料相談でお見せしますので、自社の業務に当てはめる材料にしてください。

次に読む

更新履歴

  • 2026-08-24: 子記事「AIエージェントの活用事例12選」を公開し、実例の節と「次に読む」から案内を追加
  • 2026-08-23: 初版公開。Dify・Microsoft Copilot Studio・n8n・ChatGPT・Claudeの料金と機能は2026年8月23日時点の公式表示。自社の実例と数字は同日に社内の一覧表と変更履歴から転記
  • 次回更新予定: 2026年10月(各ツールの料金と機能の変更、自社のエージェント数と稼働状況を再確認します)

本記事は2026年8月23日時点の各社公式ページの表示と当社の運用記録に基づきます。料金・プラン・機能は予告なく変わるため、契約前に必ず公式ページで最新の条件を確認してください。

参考・出典

よくある質問

AIエージェントを作るのにプログラミングの知識は必要ですか?
必須ではありません。DifyやMicrosoft Copilot Studioのようなノーコードのツールなら、画面操作と日本語の指示書だけで業務用のAIエージェントを作れます。当社の25体は、プログラマーではない経営者がAIコーディングツール(Claude Code)に日本語で指示して作りました。個人でも同じ方法で作れます。ただし、どの業務を任せるか、人がどこで確認するかを決めるのは人の仕事で、ここを飛ばすとツールが何であっても失敗します。
AIエージェントの作成にはいくらかかりますか?
自社で作る場合、1部署で毎日動かす段階で月数千円から3万円前後です(ChatGPT Plus 月3,000円、Claude Pro 月$20、Dify Professional 年$590、Microsoft 365 Copilot 年払いで1ユーザー月4,497円。2026年8月23日に各社公式料金ページで確認)。外部に構築を頼む場合は、AI受託開発の相場で要件定義が40〜200万円、試作(PoC)が100〜500万円が目安です。当社が動かしている25体の固定費は、サーバーとメール配信で月5,500円(ドメイン代は未算入)、これにAIの定額プラン代と一部の従量課金が乗ります。
AIエージェントを無料で作れるのはどこまでですか?
無料で作れるのは、複製したテスト用データで試す段階までです。Difyの無料プラン(Sandbox)はメッセージクレジット200まで(月ごとではなく一度きり)、n8nとDifyのセルフホスト版は無料、ChatGPTとClaudeにも無料プランがあります(2026年8月23日に公式ページで確認)。クラウド版で決めた時刻に自動で動かす機能は有料プランにしかないため、業務で毎日回す段階では月1,400〜3,000円前後から必要になります(セルフホスト版なら無料でも定時実行できますが、サーバーと更新の担当が要ります)。
ChatGPTはAIエージェントですか?
ChatGPTそのものは、聞かれたことに答える生成AI(チャット型)です。ただし有料プランの「スケジュール済みタスク」を使えば、決めた時刻に決めた手順で動く簡単なAIエージェントとして働かせることができます。タスクは1時間に1回より短い間隔では動かせず、同時に持てる数はGo 3件・Plus 5件・Pro 15件ほど(法人向けプランは別枠)で、しばらく結果を開かないと自動で止まります(OpenAIヘルプセンター・2026年8月23日参照)。ファイルの読み書きや社内システムへの接続まで任せたい場合は、DifyやClaude Codeのようなツールで組むほうが向いています。
AIエージェントとRPAは何が違いますか?
RPAは人が決めた手順をそのまま繰り返すツールで、画面や入力が変わると止まります。AIエージェントは目的と道具を渡すと、状況を読んで手順を自分で組み立てて作業します。決まった手順を大量に回す業務はRPA、判断や文章の読み書きが混じる業務はAIエージェントが向いています。
最初に作るAIエージェントは、どの業務から選べばよいですか?
週に10回以上やっていて、手順を言葉で説明でき、間違えても取り返しがつく業務から選びます。問い合わせメールの仕分け、議事録の要約、日報のまとめ、見積書の下書きが当てはまりやすい業務です。当社で最初に毎日動いたのは営業先リストの収集と送付で、次に議事録の自動転記でした。月1回の業務や、送った瞬間に取り消せない業務は最初にしないでください。
AIエージェントを作るのにどのくらい時間がかかりますか?
業務を1つに絞っていれば、最初の版は数日で動きます。当社の例では、求人サイトから営業先を探してLinkedInで連絡するエージェントは、作り始めから初回稼働まで3日(2026年8月19日〜22日)、商談の議事録を検品して保存するエージェントは作り始めから初回の自動保存まで5日(8月14日〜19日)でした(社内の変更履歴から転記)。そのあと2〜3週間かけて、間違いの傾向を潰していきます。
AIエージェントはスマホだけで作れますか?
チャットAIの機能で作る簡単なものなら、スマホだけで作れます。ChatGPTのスケジュール済みタスクはスマホのアプリからも作れます。ただし、ファイルの読み書きや社内システムとの接続まで任せるエージェントは、パソコンで設定する前提のツール(Dify・n8n・Claude Code)が必要です。
AIエージェントに社内のデータを読ませても安全ですか?
読ませる範囲を決めてから読ませれば、業務で使えます。最初は顧客の個人情報が入る場所を外し、各サービスの設定画面の「データ」「プライバシー」の項目で、入力したデータをAIの学習に使うかどうかを確認して、必要なら無効にします。クラウド版のツールに業務データを入れることは、個人情報の取り扱いを外部に委託することと同じなので、保存先の国と契約条件も確かめてください。当社では、AIが書き込んでよい場所と送ってよい相手を最初に制限し、外に出るものは人が確認してから送る形にしています。
作ったAIエージェントが間違えたときはどうすればよいですか?
間違えた件について「指示書のどの行を直せば防げたか」を記録し、指示書に判断の基準を1つ足します。当社では、複製したテスト用データ20〜30件で一致率9割を目安にしてから本番に出し、本番でも最初の1か月は毎日人が出力を見ています。直せない間違いが続く場合は、業務の切り方が大きすぎるので、業務をさらに小さく分けます。
Copilot Studioで作るにはMicrosoft 365が必要ですか?
Microsoft 365の中で、人が話しかけて答える社内向けエージェントを作るだけなら、条件を満たすMicrosoft 365の法人プランとMicrosoft 365 Copilot(年払いで1ユーザー月4,497円)で作れます。決めた時刻に自分で動く自律型のエージェントや、社外のWebサイトへの公開は、Copilotクレジット(25,000クレジットのパックで月29,985円、または従量課金)とAzureの契約が別に必要です(2026年8月23日にMicrosoft公式ページで確認)。
AIエージェントをPythonで作るには何が必要ですか?
Pythonで一から作る方式は、LangChainのような部品集(AIと道具をつなぐためのプログラムの部品)と、AIのAPI(使った分だけ後払いになる利用料)が必要で、直せる人が社内に1人はいる前提です。非エンジニアが最初に選ぶ方式ではありません。社内のファイルやシステムと深くつなぎたいだけなら、プログラムを書かずに日本語で指示できるClaude Codeのほうが近道です。

AI Expert 編集部運営: Orga合同会社

非エンジニアの運営者が、自社の営業(リスト作成・文面・送付・資料・日報)をAIで毎日動かしながら書いています。中小企業のAI適用診断・実務題材型AI研修・プロAI人材のマッチングを提供。

この記事の検証方法: 数字・価格・仕様は一次情報(公式ドキュメント・公式料金ページ)か自社の実測だけを使い、出典に参照日を付けています。公開前に機械検証(verify_post)と、書き手とは別のAIによる事実照合を通しています。

この記事の検証環境: 各ツールの料金と機能は、Dify・Microsoft・n8n・OpenAI・Anthropicの公式ページを2026年8月23日に開いて確認しました(OpenAIはブラウザ表示で確認)。自社の実例と数字は、社内のエージェント一覧表とプログラムの変更履歴から2026年8月23日に転記し、実装ファイルと突き合わせました。公開前に、書き手とは別のAIが出典と根拠ファイルに1つずつ照らし合わせました。

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