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Codex CLI 使い方|3つの認可モードと日本語ガイド【2026年8月】

結論: Codex CLIは、ブラウザ上のチャットではなく、ターミナル(=文字だけで操作する黒い画面)の中で動くOpenAIのコーディングエージェントです。この記事では、インストール手順・3つの認可モード(サンドボックス)の使い分け・基本のコマンドを扱います。ChatGPTプラン別の利用制限とMCP連携の設定も1本でまとめて書きます。

この記事の要点

  • Codex CLIは「npm(=Node.jsに付属する、道具を追加するための仕組み)でインストール→ログイン→フォルダ内で起動」の3ステップで始められる
  • 認可モードは「Read Only」「Auto」「Full Access」の3段階。**まずRead Onlyから試す**のが安全な始め方
  • 基本のコマンドは `codex`/`codex "指示"`/`codex exec "指示"` の3種類。起動時のサンドボックス指定は `read-only`/`workspace-write`/`danger-full-access` の3値で対応する
  • ChatGPTプランごとに使える枠が変わるため、契約前に自分のアカウントの利用状況画面で確認する
  • 当社実測: 1,499行のPythonツール改修を設計書108行で委譲し、自動テスト26件が全部通過・差し戻し0回(2026年8月24日)。実装はCodexに任せ、設計と検証だけを人と上位AIが持つ

この記事は、非エンジニアまたは実装を外部委託している担当者に向けて書いています。まず自分で1回起動して感触をつかみ、「Codex CLIとは何か・どう使えば安全に動かせるか」を知りたい方が対象です。そのうえで、日常の運用を自分で続けるか委託先に任せるかを決められます。Codex CLIの機能ではなく「AIエージェントとは何か」から知りたい方はAIエージェントとはが入り口です。ClaudeとClaude Codeの違いなど別ツールとの混同を整理したい方はClaudeとClaude Codeの違いを読んでください。

今日やることは1つです。まずRead Onlyの認可モードを選び、影響範囲の小さいフォルダでCodex CLIを起動してみてください。

Codex CLIとは

Codex CLIは、OpenAIが提供するコーディングエージェント(=コードの読み書きやコマンド実行を自律的にこなすAI)です。ターミナル上で動きます。ChatGPTのようにブラウザで会話するのではなく、パソコンの中の実際のプロジェクトフォルダを直接読み書きできる点が特徴です。

対象読者は、エンジニアだけではありません。非エンジニアの担当者でも、「実装は外部やAIに任せ、指示と確認だけを自分でやる」使い方であれば扱えます。毎日コードを書く運用には専門知識が要ります。ただし認可モードを絞って「提案は出すが、実行前に必ず確認を求める」設定にすれば、初めて触る人でも事故をかなり減らして試せます。必ず影響の小さいフォルダで試してください。

確かめ方: 自社の業務のうち、Codex CLIに任せられそうな作業(コードの調査・提案の下書きなど)を1つ書き出してみてください。書き出せなければ、今は導入を急がなくてよい段階です。

インストールとセットアップ

① インストールする(2通り)

Node.jsを入れずに済む方法として、公式は次のコマンドを先に案内しています。

ターミナル
curl -fsSL https://chatgpt.com/codex/install.sh | sh

Node.jsが入ったパソコンなら、npm(=Node.jsに付属する、道具を追加するための仕組み)経由でも入れられます。npmが使えるかどうかは、ターミナルで node -v と打ってバージョン番号が出るかで確かめられます。何も表示されない場合は、先にNode.jsの公式サイトから入れてください。

ターミナル
npm install -g @openai/codex

インストール後、ターミナルで codex と打つとログインの案内が出ます。ログイン方法は2通りあります。

  • ChatGPTアカウントでログイン: ChatGPTの契約プランに含まれる利用枠でCodex CLIを使う方法です。ブラウザでの認証が1回入ります
  • APIキーでログイン: OpenAIのAPIキーを使い、利用量に応じて従量課金する方法です。CI(=コードを自動でビルド・検証する仕組み)など、人が毎回ログインできない環境に向いています

② 設定ファイルの置き場所を知る

設定ファイル(config.toml=設定を書いておくメモ帳のようなファイル)は ~/.codex/ フォルダに置かれます。~ はホームディレクトリ(=自分のユーザー用の一番上のフォルダ)の略です。認可モードの初期値やMCP連携の設定は、このファイルを直接書き換えて変えます。

指示を毎回打ち込まなくても、AGENTS.md というファイルに常時の指示を書いておけます。「このプロジェクトではテストを必ず実行する」のような繰り返しの指示は、ここに書いておくと毎回打たずに済みます。

AGENTS.md は1か所だけでなく、複数の階層に置けます。ホーム直下(~/.codex/AGENTS.md=自分の全プロジェクト共通)、プロジェクトのルート(そのプロジェクト全体の指示)、今いる作業フォルダ(サブフォルダ限定の指示)の3か所です。Codex CLIは起動時にこの3か所をすべて探し、内容を重ねて使います。同じ内容を書いた場合は、より狭い範囲(作業フォルダに近いほう)の指示が優先されます。全社共通のルールはホーム直下、プロジェクト固有のルールはルート、という分け方をしておくと管理しやすくなります。

③ つまずきやすい点

インストール直後によくある3つのつまずきを先に見ておいてください。npm install -g で権限エラーが出る場合は、Node.jsをバージョン管理ツール経由で入れ直すか、管理者権限を使わずに済む設定に直します。Node.jsのバージョンが古いと codex コマンド自体が動きません。まず新しいバージョンに入れ替えます。ログイン画面がブラウザで開かない・進まないときは、一度ターミナルを閉じて codex を打ち直すか、APIキーでのログインに切り替えます。ここで詰まったときに自力で深追いする必要はありません。社内のパソコンに詳しい人か委託先に、エラーメッセージをそのまま見せて聞いてください。

バージョンを上げたいときは、インストール時と同じコマンド(curl -fsSL https://chatgpt.com/codex/install.sh | sh)をもう一度実行します。npmで入れた場合は npm install -g @openai/codex を再実行します。

確かめ方: インストール後に codex --version と打ち、バージョン番号が表示されるかを確認してください。表示されなければNode.jsのバージョンかパスの設定を見直します。

基本の使い方(3つのコマンド)

① まずはこの3つから覚える

Codex CLIは、まず次の3つのコマンドを覚えれば使い始められます。慣れてきたら、この後のオプションを少しずつ足してください。使い分けの目的が違うため、まず表で全体像をつかんでください。

コマンド動き方向いている場面
codex対話セッションを開始し、その場でやり取りしながら進める初めて触るとき、指示を出しながら確認したいとき
codex "指示文"最初の指示を渡した状態で対話セッションを開始するやりたいことが決まっていて、続きは対話で調整したいとき
codex exec "指示文"対話を挟まず、1回の指示で処理を実行して終えるスクリプトやCIに組み込みたいとき

対話セッション(=起動してから終えるまでの一続きの会話)の中では、日本語のプロンプト(=AIへの指示文)をそのまま打ち込みます。

3つのコマンドは「対話か1回きりか」「指示を先に渡すか」で使い分ける

Codex CLIの3つの基本コマンドcodex、codex 指示文、codex exec 指示文の3コマンドを並べ、対話の有無と指示の渡し方の違いを示す図です。 codex 対話セッションを開始 指示はその場で出す 初めて触るとき向き codex "指示文" 最初の指示を渡して開始 続きは対話で調整 やりたい事が決まってるとき向き codex exec "指示文" 対話なしで1回実行 終わったら終了 スクリプト・CI向き

図の内容: codexは対話開始、codex "指示文"は指示付きで対話開始、codex execは対話なしで1回実行して終わる。

プロンプト
このプロジェクトのREADMEを読んで、テストが通っていないファイルを1つ探し、原因を報告してください。修正はまだしないでください。
プロンプト
先ほど見つけた原因をもとに、修正案を1つ提示してください。実際にファイルを書き換える前に、変更点の要約を教えてください。
プロンプト
変更内容に問題がなければ、ファイルを書き換えてテストを再実行し、結果を報告してください。

このように「調査だけ」「提案の確認」「実行」を段階に分けて指示します。こうすると、認可モードを厳しくしていても手戻りが少なくて済みます。

② 覚えておくと便利な操作

慣れてきたら、次の操作も使ってみてください。

操作効果何が嬉しいか
--image オプションで画像ファイルを指定画像を貼り付けて指示に含められるエラー画面のスクリーンショットなどをそのまま見せられる
ターミナルのシェル補完を有効にするcodex コマンドや主なオプションを途中まで打つと候補が出るオプション名を毎回正確に覚えていなくて済む
--cd オプションでフォルダを指定今いる場所と違うフォルダを対象にCodexを起動できるフォルダを移動せずに別プロジェクトへ指示を出せる

--image はファイルパスを空白区切りで複数並べれば、1回の指示で複数枚まとめて渡せます。エラー画面と直したい該当コードのスクリーンショットを同時に見せたいときに使います。

③ 用途別のプロンプト例

用途別にそのまま使えるプロンプト例も置いておきます。1つずつ、対象のファイルを指定してから使ってください。

重複した処理をまとめる(リファクタ)

プロンプト
このファイルの重複しているロジックをまとめてください。挙動を変えずに、変更点だけ先に教えてください。

ライブラリ更新の影響調査(マイグレーション)

プロンプト
このライブラリのバージョンを上げた場合に壊れる箇所を洗い出してください。実際の書き換えは提案の確認後にお願いします。

テストを追加する

プロンプト
このファイルに対応するテストがなければ、代表的なケースを3つ選んでテストを追加してください。

セキュリティを点検する

プロンプト
このファイルに、外部入力をそのまま実行・保存している箇所がないか確認してください。見つかったら修正案だけ先に出してください。

確かめ方: まずは codex exec "このフォルダの構成を説明してください" のように、書き込みを伴わない指示から試すと、実行前の挙動を安全に確認できます。

認可モード(サンドボックス)を表で理解する

① 3つのモードを表で比較する

Codex CLIには、AIがどこまで自律的に動いてよいかを決める3つの認可モードがあります(サンドボックス=AIの行動範囲を区切る仕組み)。ここを理解せずに使うと、意図しないファイルの書き換えやコマンド実行が起きます。確認の手間が減るぶん作業は速くなりますが、同時にリスクも上がります。

モードできることリスク向いている場面
Read Only読むだけ。ファイルの書き換えや、承認なしのコマンド実行はしない(書き換えは提案だけ出し、実行するかを都度あなたが決める)低い。誤操作の心配がほぼない初回起動時、他人のプロジェクトを調べるとき
Autoプロジェクトフォルダ内の変更は自動で実行。フォルダの外や外部通信は都度確認中程度。フォルダ内であれば意図しない書き換えが起きうる普段の実装作業。バージョン管理(VCS=変更履歴を記録して元に戻せる仕組み)が入っている場合
Full Accessファイル操作・コマンド実行・外部通信のすべてを確認なしで実行高い。誤った削除やAPIキー流出などの被害が広がりやすい隔離された使い捨て環境(壊れても業務に影響しない、お試し専用のPCやフォルダ)での短時間作業に限る

この表の呼び名は分かりやすさのための言い換えです。実際の画面での表示名は、/permissions を打って開いた選択画面で確認してください。

バージョン管理(VCS)の有無で選び方が変わります。 Git(=変更履歴を残して元に戻せる仕組み。自分のプロジェクトに入っているかは委託先や実装担当に聞けば分かります)などでVCSを使っているプロジェクトなら、Autoモードで進めても変更を後から差し戻せます。VCSを使っていない、または本番環境に近いフォルダで作業する場合は、Read Onlyで提案だけ受け取ってください。内容を見てから自分の手で反映する方が安全です。Full Accessは、壊れても困らない使い捨ての検証環境以外では選ばないでください。

② フラグで指定する

モードは画面で選ぶほかに、起動時のオプション(フラグ=起動時に付ける追加の指定)でも決められます。

モード相当主なフラグ
Read Only--sandbox read-only
Auto--sandbox workspace-write
Full Access--sandbox danger-full-access

承認のタイミングは --ask-for-approval で別に指定します。--sandbox と組み合わせて使う値です。

確認のタイミング
untrusted安全と分かっている操作だけ確認なしで進め、それ以外は確認する
on-requestサンドボックスの範囲内は進め、範囲を超える操作が要るときにCodexの側から確認を出す
never一切確認しない

「承認を一切求めずに実行できるか」への答えは「できる」です。--ask-for-approval never を付ければ、どのサンドボックスモードでも確認なしで動きます。ただしFull Access相当のサンドボックスと組み合わせると誤操作の歯止めが無くなるため、隔離された環境に限ってください。--full-auto というオプションは、非対話の codex exec では非推奨扱いで、付けると --sandbox workspace-write を使うよう警告が出ます(動作はします)。対話起動の codex では受け付けずエラーになります。見かけたら --sandbox workspace-write --ask-for-approval on-request に読み替えてください。--dangerously-bypass-approvals-and-sandbox(安全確認をすべて外して進める指定。--yolo という短い書き方でも受け付けます)は、通常業務では使わない前提のオプションです。

③ プロファイルに保存する

~/.codex/ の中に safe.config.toml のような名前でプロファイル用のファイルを作り、設定をそのまま書いておけます。用途ごとに使い分けたいなら、ファイルを分けて用意します。

toml
# ~/.codex/safe.config.toml
approval_policy = "on-request"
sandbox_mode = "read-only"
toml
# ~/.codex/auto.config.toml
approval_policy = "on-request"
sandbox_mode = "workspace-write"
toml
# ~/.codex/ci.config.toml
approval_policy = "never"
sandbox_mode = "workspace-write"
toml
# ~/.codex/full.config.toml
approval_policy = "never"
sandbox_mode = "danger-full-access"

ファイル名(拡張子より前の部分)がそのままプロファイル名になるため、codex --profile safe のように呼び出すだけでいつもの設定に切り替えられます。対話セッションの途中でも /permissions と打つと権限プロファイルの選択画面が開き、そのセッションだけ承認の厳しさを変えられます。

④ OSごとの実装の違い

サンドボックス(=実行範囲を区切る仕組み)の中身はOSごとに実装が異なります。macOSはSeatbelt、Linux/WSL2はbubblewrap、Windowsはネイティブの仕組みを使いますが、使う側の設定と操作は変わりません。設定した制限が意図通りに効くか不安なときは、書き込みが起きない指示から少しずつ試し、実際にブロックされるかを確認しながら進めてください。

今の設定を確かめるには、対話セッション中に /status と打ちます。今のサンドボックスモードと承認方針がその場で表示されます。もう一段確かめたいときは、書き込みが起きない指示(ファイル一覧の表示など)から試して、制限どおりに止まるかを見てください。

Dockerなどのコンテナ環境で動かす場合は、コンテナ自体の権限設定(rootで動かさない、ネットワークを絞るなど)をCodex CLI側の設定と別に用意し、二重に範囲を絞ってください。Linux側のサンドボックス(bubblewrap)とコンテナの設定は別物なので、どちらか一方に頼らない構えが安全です。

認可モードは範囲を狭めるほど安全、広げるほど速いというトレードオフになる

Codex CLIの認可モード3段階Read Only、Auto、Full Accessの3モードを左から右へ並べ、右に行くほどAIの自律度と実行速度が上がり、同時にリスクも上がることを示す図です。 Read Only 提案のみ・毎回確認 リスク: 低 Auto フォルダ内は自動実行 リスク: 中 Full Access 確認なしで全実行 リスク: 高 右に行くほど自律度・速度が上がり、リスクも上がる

図の内容: 認可モードはRead Only・Auto・Full Accessの順に自律度とリスクが上がり、VCSがあればAutoまで、無ければRead Onlyが基本。

確かめ方: config.tomlの approval_policysandbox_mode の値を開いて確認し、意図した認可モードになっているかをプロジェクトごとにチェックしてください。

ChatGPTプラン別の使用制限

Codex CLIをChatGPTアカウントでログインして使う場合、契約プランによって使える枠が変わります。ここで具体的な金額や回数の上限は書きません。Codexは仕様変更が速いツールで、プラン別の制限は数か月単位で見直されることがあるためです。

プラン系統利用枠の考え方確認すべき場所
個人向けプラン(無料〜上位プラン)プランが上がるほど利用枠が広がる設計アカウントの利用状況画面(Usage)
法人・チーム向けプラン組織単位で枠が管理され、管理者が配分を調整できる管理者向けの設定画面(管理者コンソール)
APIキー利用プランの枠を使わず、利用量に応じて別途課金請求画面(Billing)

数字そのものではなく「どこを見れば分かるか」を押さえておけば、プランが変わっても迷いません。

ChatGPTアカウントの利用枠を使い切ると、利用が制限されます。追加で作業を進めたいときは、OpenAIのAPIキーでのログインに切り替える方法があります。APIキー利用はプランの枠とは別の従量課金です。具体的な挙動や金額は、公式のUsage・料金ページで確認してください。プランの枠だけで運用するか、APIキーを併用するかは、利用状況画面の消費ペースを見ながら判断してください。

確かめ方: Codex CLIの起動時、またはChatGPTのアカウント設定画面から利用状況(Usage)を開き、当月の残り枠を確認してください。この記事は2026年8月24日時点の一般的な仕組みの説明です。金額や回数は必ず自分のアカウント画面で確かめてください。

MCP連携の設定

MCP(Model Context Protocol=AIと外部ツールをつなぐ共通の接続規格)を使うと、Codex CLIから社内のデータベースや他のサービスへ直接アクセスできます。設定は、先ほどのconfig.tomlに、つなぎたいMCPサーバーの情報を書き足すだけです。

toml
[mcp_servers.example]
command = "npx"
args = ["-y", "@example/mcp-server"]

設定の考え方は、他のAIコーディングツールのMCP設定と大きくは変わりません。ただし書き方のファイル形式(TOMLか、JSONか)や置き場所はツールごとに違います。乗り換えるときはそのまま使い回さず、そのツールの公式ドキュメントで書き方を確かめてください。

MCPには、Codex CLIが外部のMCPサーバーへ「つなぎに行く」側だけでなく、Codex CLI自体を1つのMCPサーバーとして動かす使い方もあります。Codex CLI自体をMCPサーバーとして立ち上げるサブコマンドは codex mcp-server です(codex mcp のほうは外部MCPサーバーの追加・確認を行う管理コマンドで、役割が別です)。他のツール(別のAIエージェントやエディタなど)からCodexを呼び出せる形になります。自社で複数のAIツールを組み合わせて使っていて、その中の1つとしてCodexの機能を呼び出したい場合に向いています。

よくある間違いが1つあります。config.tomlの最上位キーは mcp_servers(アンダースコア区切り)です。他のツールでよく見る mcpServers(キャメルケース)の書き方をそのまま持ち込むと、設定が読み込まれず反映されません。エラーは出ずに「効いていないだけ」に見えることがあるため、うまく反応しないときはまずキーの綴りを疑ってください。

確かめ方: codex --help でMCP関連のサブコマンドが一覧に出ているかをまず確認し、設定したMCPサーバーが認識されているかを対話セッション内で聞いてみてください。反応しないときは、まず mcp_servers のキーが正しく綴られているかを見直します。

当社での使い方|設計書を渡して実装を委譲する実運用

当社(Orga合同会社)は、社内ツールの実装をCodex CLIに委譲する運用を回しています。型は「設計書を渡す→非対話モードで実装させる→受け入れ条件で機械検証する」の3段です。この節は、その実運用で確かめたことだけを書きます。

手順は3つです。

  1. 設計書を先に書く。目的・対象ファイル・仕様・受け入れ条件(テストコマンドで機械検証できる形)・やらないこと(触ってはいけないファイル)の5点をMarkdown 1枚にまとめます
  2. 非対話モードで委譲する。codex exec -s workspace-write -C <作業ディレクトリ> -o result.md "設計書を読んで実装して" の形で投げます。画面に張り付く必要はなく、結果報告はresult.mdに届きます
  3. 受け入れ条件を自分で検証する。「できました」の報告を信じず、設計書に書いたテストコマンドを自分で実行して確かめます。不合格なら codex exec resume --last "<修正指示>" で同じセッションに差し戻します

直近の実測を1つ書きます。2026年8月24日、社内の記事制作ツール(Python・1,499行)の改修をこの型で委譲しました。設計書は108行・受け入れ条件は4項目。Codexは指定どおりに実装し、自動テスト26件が全部通り、差し戻しは0回でした(設計書・結果報告・検証記録は当社リポジトリに保全済み・2026年8月24日)。結果を決めるのは設計書の出来です。受け入れ条件があいまいなまま投げた作業は、手戻りが起きやすくなります。

つまずいた点も3つ書きます。

  • Web検索の有効化はコマンドで書き方が違う: 対話起動の codex には --search フラグがありますが、非対話の codex exec には無く、codex exec -c tools.web_search=true "<調査指示>" の形で渡します(バージョン0.144.1・当社実測)
  • 上限時間を必ず付ける: Web検索を伴う調査を委譲したところ、60分以上応答が無いまま止まり、手で強制終了しました(2026年8月24日・当社実測、依頼文と時刻の記録を保全済み)。無人で回す場合は、呼び出す側に上限時間の設定が必須です
  • 並行作業はgit worktreeで分ける: 人とCodexが同じ作業フォルダを触ると、コミットの巻き込みや作りかけの踏み合いが起きます。Codexにはworktree(Gitが作る作業用の複製フォルダ)を渡して分離します

確かめ方: まず自分のリポジトリで「受け入れ条件つきの設計書」を1枚書き、codex exec -s read-only の読み取り専用で調査タスクから試してください。書き込みを許すのは、設計書の型が固まってからで十分です。

Claude Codeとの違い(名前が似ているだけの別ツール)

「Codex CLI」と「Claude Code」は、どちらもターミナルで動くコーディングエージェントですが、提供元が違う別ツールです。Codex CLIはOpenAI、Claude CodeはAnthropicが提供しています。名前の響きが近く、記事や動画でも混同されがちです。ですがインストール方法・認可モードの呼び名・料金の仕組みは、それぞれ別物です。機能面の詳しい比較は、この記事の対象外です。Claude Code側の料金・できることを知りたい方はClaude Codeでできること25選Claude Codeの料金と無料の可否を参照してください。

確かめ方: 手元の設定ファイルが config.toml ならCodex CLI、settings.jsonCLAUDE.md ならClaude Codeです。混同していないかはここで見分けられます。

Codex CLIとClaude Codeは提供元も設定ファイルの形式も別々のツール

Codex CLIとClaude Codeの位置づけCodex CLIはOpenAI提供、Claude CodeはAnthropic提供で、どちらもターミナル上で動くコーディングエージェントだが別ツールであることを示す図です。 Codex CLI 提供元: OpenAI 設定: config.toml Claude Code 提供元: Anthropic 設定: settings.json どちらもターミナルで動くコーディングエージェント(別ツール)

図の内容: Codex CLIとClaude Codeは提供元・設定ファイル形式が異なる別ツールで、機能の詳細比較は別記事で扱います。

なお当社は、設計と最終確認を上位のAIモデルに、実装をCodex CLIに割り振っています。狙いは費用を抑えることです。手順と実測は上の「当社での使い方」に書きました。役割分担を決めるときは、認可モードで「任せる範囲」と「確認する範囲」を先に切り分けておくと、安全に運用できます。

Codex CLIを今すぐ試さなくていい会社と、この記事に含まれないこと

Codex CLIは便利なツールです。ですが次に当てはまる場合は、今すぐ自社で試す優先度は高くありません。

  • GUI(画面操作)で完結する業務しか行っていない: ターミナル操作に慣れる必要があり、恩恵より学習コストが先に立ちます。まずはAIエージェントとはで全体像をつかんでから検討してください
  • 社内にAIエージェント運用ルールを持たない: ルールが無いこと自体は導入できない理由になりません。ただし「誰がどの認可モードを使うか」を1行決めないまま導入すると、Full Accessのまま放置される事故が起きやすくなります
  • コードを書く担当がおらず、確認できる人もいない: Codexが出した変更の妥当性を判断できる人がいないと、提案をそのまま実行してしまいます
  • すでに別のコーディングエージェントを本格運用している: 検討すること自体は妥当ですが、この記事は乗り換えの比較を目的にしていません

この記事で扱わないことも書いておきます。Claude Codeとの詳細な機能比較は含みません(ClaudeとClaude Codeの違いや各Claude Code記事へ)。AIエージェントの作り方そのもの(設計から発注までの流れ)も含みません(AIエージェントの作り方へ)。自社にAIエージェント開発を委託する場合の選び方・相場も対象外です(AI受託開発会社の選び方へ)。

確かめ方: 上の4条件のうち2つ以上に当てはまるなら、今すぐ自社で試すより先に、認可モードの社内ルールをどう決めるかを相談するところから始めてください。

Summary in English

Codex CLI is OpenAI’s coding agent that runs inside a terminal rather than a browser chat window. It reads and writes files directly inside a project folder, executes shell commands, and can be guided with natural-language prompts, including Japanese. Getting started takes three steps: install it with the official curl script (or npm install -g @openai/codex if Node.js is already set up), log in with either a ChatGPT account (using the plan’s included usage) or an OpenAI API key (pay-as-you-go), and start a session by running codex inside the target project folder.

The most important concept to understand before daily use is the approval mode, sometimes called the sandbox setting. Codex CLI offers three levels: Read Only, where it only reads files and proposes changes, asking for confirmation before any write or command; Auto, where changes inside the current project folder run automatically while anything outside the folder or over the network still requires confirmation; and Full Access, where every action runs without confirmation. Read Only is the safest starting point, especially for first-time users or anyone working outside version control. Auto is reasonable once version control (VCS) is in place, since changes can be reverted. Full Access should be reserved for disposable, isolated environments.

Usage limits vary by ChatGPT plan and change frequently, so this article intentionally avoids quoting specific numbers; check the account’s usage screen for current limits. MCP (Model Context Protocol) integration is configured by adding server entries to the config.toml file, allowing Codex CLI to connect to external tools and data sources. Codex CLI and Claude Code are separate products from different companies (OpenAI and Anthropic respectively) despite similar names and overlapping use cases.

Internally, Orga LLC applies a division-of-labor rule: design and review stay with a higher-tier AI model, while implementation work is delegated to Codex or lower-cost sub-agents, a pattern worth adapting for any team introducing an autonomous coding agent.

まとめ|認可モードの選び方だけ覚えて帰ってください

  • Codex CLIは、ターミナル上で動くOpenAIのコーディングエージェントで、インストールしてログインすれば3ステップで始められる
  • 基本のコマンドは codexcodex "指示"codex exec "指示" の3つだけで足りる
  • 認可モードはRead Only・Auto・Full Accessの3段階。VCSがあればAutoまで、無ければRead Onlyが基本の選び方
  • ChatGPTプラン別の利用制限は変更が速いため、金額や回数は自分のアカウントの利用状況画面で確認する
  • MCP連携はconfig.tomlへの追記で設定でき、社内データや外部サービスと接続できる
  • Codex CLIとClaude Codeは別会社の別ツール。詳細な機能比較はこの記事の対象外

次のアクションは、3つのうちどれか1つで構いません。

  • 今日: Read Onlyの認可モードを選び、影響範囲の小さいフォルダでCodex CLIを起動する
  • 今週: 社内で誰がどの認可モードを使うか、簡単なルールを1行決める
  • 今月: 自社の業務にAIエージェントを組み込む余地があるか、AIエージェントとはを読んで検討する

自社での導入や運用ルール作りに迷ったら、Codex CLI単体の話にとどまらず、AIエージェント全体の設計から相談できる窓口を使うのも1つの手です。

次に読む

更新履歴

  • 2026-08-24: 初版公開。インストール手順・3つの認可モード・基本コマンド・MCP連携の設定を反映
  • 次回更新予定: 2026年9月(認可モードの名称・ChatGPTプラン別制限に変更が無いか再確認)

本記事は2026年8月24日時点のOpenAI公式ドキュメントおよび当社の運用ルールに基づきます(公開日: 2026年8月24日)。プランの利用制限・料金・コマンドの仕様は変更されることがあるため、契約や運用の判断は公式ドキュメントとご自身のアカウント画面で確認してください。

参考・出典

よくある質問

Codex CLIのコマンド一覧はどこで確認できますか?
ターミナルで `codex --help` と打つと、使えるコマンドと主なオプションが一覧で出ます。個々のサブコマンドも `codex exec --help` のように末尾に --help を付ければ詳細が出ます。最新の一覧はOpenAIの公式ドキュメントにもまとまっています。バージョンが上がって挙動が変わったと感じたら、公式ドキュメントを先に確認してください。
Codex CLIの使い方の基本の流れはどうなっていますか?
①公式インストーラ(`curl` のコマンド)またはnpmでインストール、②ChatGPTアカウントまたはAPIキーでログイン、③作業したいプロジェクトのフォルダで `codex` を起動、の3ステップです。起動後はターミナルに指示を日本語で打ち込むだけで、コードの読み書きやコマンド実行をCodexが代行します。最初は認可モードを「Auto」より慎重な設定にしてください。Codexの提案を1つずつ確認しながら慣れるのが安全です。
Codex CLIの料金はいくらですか?
ChatGPTの契約プランに含まれる利用枠を使う方法と、OpenAIのAPI利用量に応じて従量課金するAPIキー利用の2通りがあります。プランごとの上限や金額は変更が入りやすいため、この記事では具体的な金額を書きません。契約前にOpenAIの料金ページと自分のアカウントの利用状況画面で確認してください。
Codex CLIは日本語に対応していますか?
対応しています。ターミナルに日本語で指示を打ち込めば日本語で応答が返り、コード中のコメントや説明も日本語で書かせることができます。ただしエラーメッセージやログの一部は英語のまま表示されます。
Codex CLIのインストール(install)手順はどうなっていますか?
公式インストーラ(`curl -fsSL https://chatgpt.com/codex/install.sh | sh`)を実行するか、Node.jsが入っていれば `npm install -g @openai/codex` でも入れられます。続けて `codex` と打つとログインの案内が出ます。ChatGPTアカウントでのログインか、OpenAIのAPIキーでのログインかを選び、認証が終われば使い始められます。
Codex CLIを使うメリットは何ですか?
ターミナル(=文字だけで操作する黒い画面)の中で、コードの読み書き・ファイル編集・コマンド実行までを1つの対話で頼めることです。ブラウザとエディタを行き来する手間が減ります。認可モードを絞れば「提案は出すが実行はしない」安全な使い方もできます。非エンジニアが直接使うより、実装工程を任せる担当者や委託先が使う場面が向いています。
Codex CLIの始め方を教えてください?
パソコンにNode.jsを入れ、`npm install -g @openai/codex` でインストールします。`codex` を起動してログインすれば始められます。最初のプロジェクトは、影響範囲が小さい個人用のフォルダで試してください。認可モードは「Read Only」から始めるのがおすすめです。慣れてからAutoに広げてください。
Codex CLIは承認を一切求めずに実行できますか?
できます。起動時に `--ask-for-approval never` を指定するか、`~/.codex/` に置いたプロファイル用のファイル(例: `ci.config.toml`)で `approval_policy = "never"` にすると、どのサンドボックスモードでも確認なしで動きます。ただし誤操作の歯止めが無くなるため、Full Access相当のサンドボックスと組み合わせるのは隔離された環境に限ってください。
Codex CLIの使用制限に達したらどうすればいいですか?
ChatGPTアカウントの利用枠を使い切ると、利用が制限されます。追加で作業を進めたい場合は、OpenAIのAPIキーでのログインに切り替える方法があります。APIキー利用はプランの枠とは別の従量課金です。具体的な挙動や金額は、公式のUsage・料金ページで確認してください。

AI Expert 編集部運営: Orga合同会社

非エンジニアの運営者が、自社の営業(リスト作成・文面・送付・資料・日報)をAIで毎日動かしながら書いています。中小企業のAI適用診断・実務題材型AI研修・プロAI人材のマッチングを提供。

この記事の検証方法: 数字・価格・仕様は一次情報(公式ドキュメント・公式料金ページ)か自社の実測だけを使い、出典に参照日を付けています。公開前に機械検証(verify_post)と、書き手とは別のAIによる事実照合を通しています。

この記事の検証環境: インストール手順・3つの認可モード・MCP連携の設定はOpenAIの公式ドキュメント(Codex CLI・config-reference・sandboxing、参照日: 2026年8月24日)を本文執筆時に確認しました。社内の分業ルールの引用箇所はCLAUDE.md(参照日: 2026年8月24日)と照らし合わせています。実機検証はmacOS・codex-cli 0.144.1(2026年8月24日)で行いました。公開前に、書き手とは別のAIが出典と1つずつ照らし合わせました。

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