30分無料相談

Cost & Adoption

AI PoC 費用|内訳・5つの変動要因と抑える3つの方法【2026年9月】

AI PoCの費用相場100万〜500万円の内訳と、費用が変わる5つの要因、抑える3つの方法を解説。当社集計データ(2026年7月時点)を基に、見積の比較、データ準備、本番開発・保守の別枠費用を整理します。

Published
Updated
Reading
約24分

AI Expert 編集部運営 Orga合同会社

  • #AI PoC
  • #PoC費用
  • #AI導入
  • #受託開発
  • #費用相場
AI PoC 費用|内訳・5つの変動要因と抑える3つの方法【2026年9月】

結論: AI PoCの費用は、工程一式の値段ではなく、検証範囲・データ・契約形態・発注先・期間という5つの条件の組み合わせで決まります。この記事では、AI PoCの費用相場100万〜500万円の内訳、費用を左右する5つの要因、費用を抑える3つの方法、PoC費用に含まれないものを、指定資料の当社集計データに基づいて書きます。

この記事の要点

  • PoC本体の相場は100万〜500万円(1〜3ヶ月)。前段のコンサル・要件定義は40万〜200万円(1〜2ヶ月)が別の目安です(当社調査、2026年7月時点)。開発案件全体の総額相場と混同しないでください。
  • 費用を左右するのは①検証範囲・仮説の数②データの有無③契約形態④発注先の単価帯⑤期間・稼働頻度の5つ。この組み合わせで同じ「PoC」でも見積が変わります。
  • 費用を抑える方法は、AI適用診断(15万/30万円・2週間)で要否を先に切り分ける、仮説を1つに絞る、週1〜2回稼働の専門家レンタル型(=専門家に週1〜2回稼働してもらう発注形態)を使う、の3つです
  • 本番開発費と運用保守費は、PoC本体と分けて確認します。検証後に必要な費用まで含めて予算を考えてください。

PoC(概念実証)は、本番開発の前にAIの実用性を確かめる工程です。この記事は、PoCを検討している中小企業の情報システム・企画・経営層に向けています。PoCを進める方向で話が進み、見積の金額と理由を確認したい方が対象です。検証の進め方はPoCの進め方にまとめています。この記事では、進め方の説明は繰り返さず、費用そのものに絞ります。

今日やることは1つです。PoCの見積を取る前に、自社が検証したい仮説を1つに絞り、検証範囲を1行で書き出してください。範囲が曖昧なまま見積を依頼すると、発注先ごとに前提が違う金額が返ってきて、比較のしようがなくなります。

AI PoCの費用相場|100万〜500万円の内訳

AI PoCの費用は、「コンサル・要件定義」と「PoC本体」の2つに分かれます。コンサル・要件定義は40万〜200万円(1〜2ヶ月)、PoC本体は100万〜500万円(1〜3ヶ月)が目安です(当社調査、2026年7月時点)。

確かめ方: 見積を受け取ったら、まず「コンサル・要件定義」と「PoC本体」が別項目になっているかを確認してください。一式でしか書かれていない見積は、どちらに重点が置かれているか比べられません。

項目金額目安期間内容
コンサル・要件定義40万〜200万円1〜2ヶ月検証したい業務の整理・仮説設計
PoC本体100万〜500万円1〜3ヶ月データを使ったモデルの試作・検証
開発案件全体の総額(小〜中規模)500万〜1,500万円—PoC単独とは異なる集計区分
開発案件全体の総額(大規模)1,500万円〜数千万円—含まれる工程は個別に確認

主要各社の公開情報を集計した当社調査(2026年7月時点)には、業務効率化のPoCを300万〜600万円とする例や、プロトタイプ(=試作品)開発を月120万〜160万円×2〜4ヶ月とする例が収録されています。別の集計として、JAPAN AIラボの公開記事(2026年7月17日取得)では、簡易PoCが数十万〜300万円前後、中規模AIシステムが300万〜1,000万円程度という区分が示されています。大規模は1,000万円以上です。数字の出所によって区分の切り方が違うため、複数の見積を横並びで比べるときは、区分ではなく「検証範囲がどこまでか」で揃えるのが安全です。

相場表の総額は、要件定義とPoCの金額を足した結果ではありません。調査資料には、開発案件全体の総額として別に収録されています。含まれる工程が見積ごとに違うため、PoCだけの予算として使わないでください。総額の見出しより、何を納めてもらう価格なのかを優先して読みます。

また、公開情報に出てくる金額は、同じ条件で集めた統計ではありません。検証する業務やデータの状態も異なります。相場より安い提案でも、評価用データの準備が自社負担なら作業は残ります。高い提案でも、比較評価や報告まで含んでいれば判断材料は増えます。安さや高さの理由を、成果物と担当範囲に分解してください。

見積書の「一式」は、項目が少ないこと自体が問題なのではありません。内訳を聞いても対象作業が分からないことが問題です。金額を細かく分けられない場合は、作業一覧を別紙でもらいます。試作、評価、結果説明のどこまで含むかが分かれば、比較の出発点になります。

AI PoCの費用を左右する5つの要因

同じ「PoCをやる」という依頼でも、見積は変わります。理由は次の5つの組み合わせです。

確かめ方: 見積の根拠を聞くときは、この5項目それぞれについて「なぜその条件になっているか」を1つずつ質問してください。

要因費用への影響
①検証範囲・仮説の数検証する仮説が増えるほど、試作と評価の工程が増え費用が上がる
②データの有無・整備状況データが未整備だと収集・整備の工程が加わる(詳細は次節)
③契約形態(準委任=稼働した時間に対して払う契約/請負=完成した成果物に対して払う契約)精算の仕方が変わり、見積の出し方そのものが変わる(詳細は次々節)
④発注先の単価帯受託開発会社と専門家レンタル型(=週1〜2回稼働の専門家に依頼する形態)では、人月単価(=1人が1ヶ月働く分の費用)の考え方が異なる
⑤期間・稼働頻度常駐に近い稼働と週1〜2回稼働では、同じ期間でも投じる工数が違う

5つのうち、発注前に自社でコントロールしやすいのは①検証範囲と⑤期間・稼働頻度です。②データと③契約形態は次の2節で詳しく説明します。④発注先の単価帯は、費用を抑える方法の節で扱います。

たとえば、問い合わせの回答案を作る検証を考えます。「回答案を作る」だけなら対象が曖昧です。参照する文書、扱う質問、担当者が確認する範囲を書き分けます。自動送信まで求めるのか、人が直して使う下書きでよいのかでも、試作内容は変わります。これは費用の実例ではなく、見積条件をそろえるための説明です。

期間にも同じ注意が必要です。開始から終了までの長さには、社内確認の待ち時間も含まれます。担当者が返答できない間に作業が止まるなら、稼働量と期間は一致しません。見積では予定期間だけでなく、担当する作業と自社の返答期限を並べます。急ぐ場合も、単に期間を短くするより、どの判断を前倒しできるかを相談します。

発注先の単価帯は、会社名だけで比べないでください。業務整理をする人、試作をする人、評価をまとめる人の役割を見ます。専門家が兼任する提案と、担当を分ける提案では含まれる作業が違います。自社が担える役割を伝えれば、外注する範囲を調整する相談ができます。

教師データの有無で費用はどう変わるか

教師データ(=AIに学習させるための、正解ラベルが付いたデータ)を自社ですでに持っているかどうかは、費用に響きやすい要因です。データが未整備な場合、データ収集とアノテーション(=データに正解ラベルを付ける作業)の工程が新たに加わり、検証範囲が同じでも費用が上振れする傾向があります。

確かめ方: 見積を依頼する前に、「検証に使えるデータが、いつ・どこに・どれだけあるか」を1行で書き出しておいてください。発注先に伝える最初の情報がここで決まります。

指定の調査資料には、データ整備による上振れ倍率はありません。データが少ない、あるいは全く無い状態でPoCを検討している場合は、「データをどう集めるか」自体が最初の検証テーマになることもあります。見積を依頼する段階で、発注先に「データが無い前提でも見積を出せるか」を確認してください。

アノテーション費用そのものも、データの量・項目の複雑さ・確認する人数によって幅が大きく、指定の調査資料には共通の金額目安がありません。見積の段階では金額だけを聞くより、アノテーションにかかる想定の作業時間と担当人数を確認すると、費用が変わる理由が具体的になります。

ここでいう「データがある」は、ファイルを保管しているだけの状態とは違います。検証で読める形式か、必要な項目がそろうかを確認します。古い情報と現行情報が混在していれば、使う対象を選ぶ作業が必要です。担当者しか意味が分からない略称があれば、その説明も準備します。これらを誰が行うかで、外注費と社内負担の配分が変わります。

生成AIで文書から回答を作る場合は、学習用の正解ラベルだけが材料ではありません。参照する文書と、回答を採点するための質問・期待する答えも必要になります。モデルを追加で学習させるのか、既存のモデルを使って試すのかを聞いてください。方法が違えば必要な準備も変わります。すべてのPoCに同じデータ整備費を置く必要はありません。

評価に使う材料には、うまく答えられそうなものだけを選ばないようにします。現場で迷う質問や、情報が不足する入力も候補に入れます。正解を決められない場合は、その理由を業務担当者に聞きます。業務上の判断が未整理なのか、文書が不足しているのかを分けてください。AIの精度を上げる作業と、社内ルールを決める作業は別です。

見積依頼時には、機密のある原本をいきなり渡す必要はありません。まず資料の種類と利用条件を説明し、安全に共有する方法を相談します。実物を確認してから見積が変わる提案なら、その見直し条件も聞きます。データ整備を見積に含むのか、着手後に別料金になるのかを残してください。

契約形態(準委任・請負)で費用の見え方が変わる

契約の名前だけでは費用は比較できません。見積では、稼働量と成果物のどちらを基に料金が決まるのかを確認します。

経済産業省の「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」(AI編・2018年6月公表)は、AI開発をアセスメント・PoC・開発・追加学習の4段階に分ける「探索的段階型」を示しています。PoCは、学習用データセットで希望する精度の学習済みモデルを生成できるかを検証する段階です(同ガイドライン「各段階の説明」の表、参照日: 2026年9月22日)。見積では、今回の契約でどの段階まで扱うかを確認してください。

確かめ方: 見積書か契約書の1行目で、「準委任」か「請負」のどちらかを明記してもらってください。書かれていない場合は、精算方法(稼働時間か、成果物固定か)を先に質問します。

AI Expertの事業ファクトシート(=自社の事業条件をまとめた資料)には、準委任と請負の両方が記載されています。比較するときは契約名から料金条件を決めつけず、提案内容を読んでください。稼働に応じた料金なら、予定工数と超過時の扱いを聞きます。固定額の提案なら、その金額で完了する作業を確かめます。どちらでも、検証範囲と担当者の役割が費用にどう反映されているかが大切です。

追加料金については、精度が足りないときの作業を具体的に聞きます。入力文の調整、参照文書の整理、別の方法の試作は同じ作業ではありません。当初の範囲に含まれる修正と、新しい検証として扱う変更を分けます。どこまで試して終了するかが決まれば、見積の上限も相談しやすくなります。

支払額が固定でも、欲しい結果が出るとは限りません。試作品を納めることと、現場で使えると判断することは区別します。納品物には、試した条件、評価結果、残った課題を含めてもらうと役立ちます。コードや設定を受け取れるか、別の担当者へ引き継げるかも聞いてください。安い試作でも、引き継ぎに必要な資料がなければ後工程の負担になります。

契約条件の比較では、途中でやめる場合の扱いも外せません。技術的に難しいと判明したとき、どこまで作業し、何を報告して終えるのかを確認します。終了時までの費用と、延長する場合の判断者を明らかにします。条件の解釈が分かれるときは、自社の契約担当者と発注先で文面をそろえてください。

AI PoCの費用を抑える3つの方法

PoCの費用は、いきなり見積を取るより先に抑えられます。

確かめ方: 3つのうち、自社がまだ試していないものを1つ選んで、次の見積依頼で条件に加えてください。

  1. AI適用診断で要否を先に切り分ける: AI Expertが提供するAI適用診断は、ライト15万円・標準30万円(税別)で2週間・本番非接続です。診断の前段にあたる初回相談(30分)は無料です。PoCに進む前に、研修・試作・実装のどれで進めるべきかを切り分けられます。PoCに100万円以上を投じる前に、無料相談や15万円〜30万円で方向を確かめる位置づけです
  2. 検証する仮説を1つに絞る: 複数の仮説を同時並行で検証すると、試作と評価の工程がそのまま増えます。最初のPoCは仮説を1つに絞り、結果を見てから次の仮説に進む方が、総額を抑えやすくなります
  3. 週1〜2回稼働の専門家レンタル型を使う: PoC推進にかかる人件費は、常駐に近い稼働ではなく、週1〜2回稼働の発注形態にすることで圧縮できる場合があります。そのため、常駐に近い稼働より支払う稼働時間が少なくなります

費用を抑える際も、評価を省くのは避けたいところです。見栄えのよい試作品ができても、現場で使えるかを確かめられなければ判断が残ります。減らすなら、試す業務や入力の範囲から相談します。対象を狭くしたうえで、何が分かったかを説明できる検証にします。

AI適用診断は、PoCの代わりに同じ精度検証を安く買う商品ではありません。研修・試作・実装のどれに進むかを切り分ける入口です。すでに検証対象と評価方法が決まっている場合は、診断を挟む必要があるか相談してください。診断を追加しても判断が変わらないなら、その理由を確かめる方が先です。診断・PoC・実装をどう段階分けして進めるかは、PoC貧乏にならないAI導入の進め方に整理しています。

専門家レンタル型も、稼働を減らせば同じ成果が安く得られるという意味ではありません。自社がデータ準備や現場との調整を引き受けられるかが条件になります。専門家の作業時間に加え、社内担当者の作業も並べて比較します。役割を引き受ける人がいない状態で外注範囲だけを削ると、検証が止まります。

AI PoCの費用に含まれないもの・PoC後にかかる費用

PoC本体と、本番開発・運用保守の費用は分けて考えます。一括提案に含まれる場合もあるため、別料金かどうかは見積で確認してください。

確かめ方: 見積書に「本番開発」「運用保守」の記載があるかを確認し、無ければ「PoCの後に別途かかる費用」として発注先に確認してください。

本番開発に進んだ場合、AIモデルの本開発は人月単価100万〜250万円、システム開発部分は人月単価80万〜200万円が目安です。両方を合わせると、本番開発の人月単価はおおむね80万〜250万円の幅になります(図中の「本番開発 人月単価80万〜250万円」はこの合算を指します)。運用保守は月額10万〜30万円前後が目安です。年間保守費を開発費の10〜20%程度とする目安もあります(月額・年額とも、当社調査資料に収録された他社メディアの調査値。JAPAN AIラボ、2026年7月17日取得、確度: 中)。月額と年額は異なる示し方なので、そのまま足し合わせないでください。PoCの見積だけを見て「思ったより安い」と判断すると、本番開発と保守の段階で想定外の費用が発生します。

工程別の相場と開発案件全体の総額は、分けて読む。

工程別の費用と案件全体の総額コンサル・要件定義とPoC本体には工程別の目安がある。開発案件全体の総額は別の集計区分であり、これらの足し算として扱わない。 工程別の相場 コンサル・要件定義40万〜200万円・1〜2ヶ月PoC本体100万〜500万円・1〜3ヶ月 下の総額は別区分。上の金額を足して求めた値ではない。 開発案件全体の総額相場小〜中規模:500万〜1,500万円大規模:1,500万円〜数千万円

図の内容: 工程別の相場と開発案件全体の総額は別区分です。総額に含まれる工程は、見積ごとに確認します。

本番開発費の人月は、人数と作業期間を合わせた工数の単位です。人月単価が示されても、それだけで開発総額は決まりません。担当する役割と予定工数を見積で確認します。AIモデルの開発とシステム開発の担当が重なる場合もあるため、両方の相場を機械的に足すのは避けてください。同じ人月単価の案件でも、要件を整理する上級エンジニアと、実装を担当する中堅・若手エンジニアでは役割も稼働配分も違います。見積書に、どの役割の人材が何人月分入っているかが書かれているかを確認してください。エンジニアの経験レベル別に単価を分けた表は、指定の調査資料には記録がないため、本記事では扱いません。

本番化では、検証で扱わなかった作業が増えます。利用者の権限、障害時の対応、記録の保存、社内システムとの接続などです。PoCの画面をそのまま社員全員が使えるとは限りません。作り直す部分と流用できる部分を、結果報告の段階で説明してもらいます。その区別が次の予算を考える材料になります。本番開発の発注先タイプ(受託開発会社・フリーランス・専門家レンタル型)の向き不向きはAI実装代行の選び方に整理しています。

運用費も、保守担当者への支払いだけとは限りません。外部のAIサービスやクラウドの利用料が別に必要な提案もあります。見積の保守費に何が入るかを聞き、利用料の支払先をそろえます。社内担当者が回答を直す作業も、導入後の負担として残ります。自動化する前の作業量と比べる際に、この確認作業を抜かないでください。

AI PoCとAI適用診断・PoC支援は費用も含めて何が違うか

AI適用診断・PoC本体・PoC支援は、それぞれ別の役割を持つ言葉です。混同すると見積の比較ができません。

確かめ方: 発注先が提案してきたものが、この表のどれに当たるかを1行で確認してください。

項目AI適用診断PoC本体PoC支援
費用目安15万〜30万円(税別)100万円〜発注先による
期間2週間1〜3ヶ月PoCに付随
本番接続非接続検証範囲のみ—
決めること研修・試作・実装のどれに進むか希望精度のモデルが作れるか発注先をどう選ぶか

AI適用診断は、PoCに進む前の入口として、研修・試作・実装のどれで進めるべきかを15万円〜30万円・2週間で切り分けます。PoC本体は、実際にデータを使ってモデルを試作し、希望する精度が出るかを検証する工程です。PoC支援会社への依頼可否や、依頼前に確認すべき視点はPoC支援の選び方にまとめています。診断とPoCの費用差の詳細な比較はAI適用診断の費用相場で扱っています。

診断・PoC・本番開発・保守では、目的と料金の単位が異なる。

診断からPoC・本開発までの費用の階段AI適用診断15万〜30万円・2週間から、PoC本体100万〜500万円・1〜3ヶ月、本番開発人月単価80万〜250万円、運用保守月額10万〜30万円前後へと、段階ごとに対象と料金の単位が変わる。 AI適用診断15万〜30万円・2週間 PoC本体100万〜500万円・1〜3ヶ月 本番開発人月単価80万〜250万円 運用保守月額10万〜30万円前後 段階を進めるかどうかは、前の段階の結果を見てから決める

図の内容: AI適用診断(15万〜30万円・2週間)→PoC本体(100万〜500万円・1〜3ヶ月)→本番開発(人月単価80万〜250万円)→運用保守(月額10万〜30万円前後)では、対象と料金の単位が異なります。

PoC支援を依頼する会社選びでは、SI・大手ベンダー系/AI受託開発専門/専門家レンタル型/フリーランス型の4タイプで強みと費用感が異なり、専門家レンタル型では月20万〜36万円の案件例があるAI PoC支援会社の選び方|4タイプの比較と失敗しない基準で比較基準を確認できます。

AI適用診断そのものを比較検討する場合は、AI適用診断の比較で見るべき5つの基準と料金の目安を先に確認すると選定基準が整理しやすくなります。

早見表|見積は含む作業と追加条件をそろえて比べる

比較する前に、各社が見積もる範囲をそろえてください。 総額が違う理由を説明できる状態にしてから、依頼先を検討します。

比較する項目比較できる答え聞き直したい答え
検証対象対象業務と試す仮説が書かれているAIで効率化する、とだけ書かれている
データ準備整備作業と自社の担当が分かれているデータは支給、とだけ書かれている
評価方法使う材料と評価する人が決まっている精度を見て判断する、とだけ書かれている
納品物試作品・評価結果・残課題の範囲が分かるPoC一式、とだけ書かれている
追加費用変更の対象と追加前の確認手順がある必要に応じて対応、とだけ書かれている
終了後継続・終了の判断と引き継ぎ内容が分かる本番化は後で相談、とだけ書かれている

確かめ方: 受け取った見積の説明を、この表の項目に沿って書き移します。埋められない欄があれば、価格を交渉する前に質問します。返答は口頭だけで終わらせず、提案書や見積の補足として残してもらいます。比較条件が変わったときにも、差分を追えるためです。

社内の依頼文には、「何を試すか」と「今回は試さないこと」を続けて書きます。たとえば、文書から回答案を作る検証なら、自動送信は対象外と記します。これは架空の条件例です。実際には自社の業務に置き換え、現場の担当者にも読んでもらってください。期待している作業が対象外だと後から分かるのを防ぎます。

比較条件をそろえ、追加作業は着手前に判断する。

見積比較と追加費用の確認手順対象業務と対象外を決め、データと評価条件をそろえて見積を比較する。検証中に変更が出たら、追加作業と費用を確認してから継続を判断する。 検証範囲を決める対象業務・今回はしないこと 条件をそろえるデータ・評価・担当範囲 見積を比較する金額・納品物・追加条件 検証中に変更が出たら追加する作業と費用を確認 → 続けるか判断 → 合意した範囲で着手

図の内容: 対象業務と評価条件をそろえてから見積を比べます。変更は追加作業と費用を確認し、合意してから進めます。

PoCの終了条件を決めると追加費用を判断しやすい

PoCは、結果を見て継続・見直し・終了を選べるところまで設計します。試作品が動くことと、本番開発へ進む判断ができることは別です。

確かめ方: 見積の段階で「どんな結果なら検証を終えるか」を聞いてください。期待する結果だけでなく、届かなかった場合の報告も決めます。評価するデータ、業務担当者、判断の会議を先に押さえると、結果の読み方がぶれにくくなります。具体的な合格値は、相場記事の数字を借りずに自社の用途から決めます。

結果が足りないときは、原因に応じて次の作業を選びます。参照資料が足りないなら、資料を増やして試すかを考えます。業務ルールが曖昧なら、先に社内で答えをそろえます。方法自体が合わないなら、同じ試作を続けるより別案を検討します。追加料金の相談は、この作業の違いが分かってから行ってください。

終了する結果にも価値があります。ただし、「難しかった」という説明だけでは次に使えません。どの条件で試し、何が足りず、再開するなら何が必要かを受け取ります。試していない範囲も書いてもらうと、検証結果を広く解釈しすぎずに済みます。報告書の厚さより、社内で次の判断に使える内容かを確かめます。

本番化する場合も、PoCの延長料金だけで決めないでください。検証で残った課題を本番開発の見積へ引き継ぎます。安全な運用や現場への説明まで含めて相談し、担当者を決めます。予算が合わなければ、利用対象を限定する案も比較します。PoCの費用をすでに払ったことだけを理由に、次の支出を決めないことが大切です。

AI PoCの見積を今すぐ取らなくていい会社と、この記事に含まれないこと

次のいずれかに当てはまる会社は、見積を取るより先に社内で決めることが残っています。

  • PoCをやるかどうか自体がまだ固まっていない(先にAI適用診断で要否を切り分ける方が安い)
  • 検証に使えるデータが全く無い(データ収集自体を検証テーマにするか、先に整える必要がある)
  • 検証したい仮説が複数あり、1つに絞れていない(絞ってから見積を依頼すると総額が変わる)

この記事に含まれないこと:

Summary in English

An AI proof of concept tests whether an approach is useful before production development. The public-price survey recorded in our research materials places a PoC at ¥1,000,000–¥5,000,000 over 1–3 months. Consulting and requirements definition are listed separately at ¥400,000–¥2,000,000 over 1–2 months. Whole-project totals in that survey use a different scope and must not be presented as the sum of these stages.

To compare quotes, align the business task, available data, evaluation method, deliverables, and exclusions. Check who prepares the data, how extra work is approved, and what happens when the trial ends without meeting its target. A calendar duration alone does not describe the amount of specialist work purchased.

AI Expert offers a two-week, non-production AI-fit diagnosis at ¥150,000 or ¥300,000 before tax. It helps decide whether training, prototyping, or implementation is the appropriate next step. It is not a substitute for model testing or production development. Part-time specialist support can also suit projects where the client handles preparation and coordination.

Keep production development and recurring maintenance separate from the PoC budget. Treat the recorded prices as reference ranges, not current quotes or guaranteed outcomes. Start by writing the hypothesis and the work excluded from the trial.

まとめ|AI PoCの費用は「範囲を決めてから」比べる

この記事の要点を整理します。

  • PoC本体は100万〜500万円(1〜3ヶ月)。前段のコンサル・要件定義は40万〜200万円(1〜2ヶ月)が目安。開発案件全体の総額とは分けて読む。
  • 費用を左右するのは①検証範囲②データの有無③契約形態④発注先の単価帯⑤期間・稼働頻度の5つ
  • 教師データが未整備だと、収集・アノテーションの工程が加わり費用が上振れしやすい
  • 費用を抑える方法は、AI適用診断で要否を先に切り分ける、仮説を1つに絞る、週1〜2回稼働の専門家レンタル型を使う、の3つ
  • 本番開発と運用保守は別枠で確認する。PoCの見積に含まれるか、追加契約になるかを聞く。

今日やることは前段で伝えた通りです。加えて、今週・今月にできることも合わせて書いておきます。次のアクションは、3つのうちどれか1つで構いません。

  • 今日: 検証したい仮説を1つに絞り、検証範囲を1行で書き出す
  • 今週: 見積を依頼する前に、自社のデータの有無・整備状況を確認する
  • 今月: PoCに進む前に、AI適用診断で要否を切り分けられるか検討する

金額の幅が大きいのは、5つの要因の組み合わせ次第で見積が変わるからです。自社の検証範囲を先に決めてから相談すると、話が早く進みます。

次に読む

更新履歴

  • 2026-09-22: 初版公開。当社集計の費用相場(2026年7月時点)、AI適用診断の価格、見積の確認項目を反映
  • 次回更新予定: 2026年11月(当社集計の費用相場とAI適用診断の価格を再確認します)

本記事は2026年9月時点の当社が保有する調査資料と自社ファクトシートに基づきます(公開日: 2026年9月22日)。実際の見積金額は発注先・検証範囲によって変わるため、最終的な金額は個別の見積で確認してください。

参考・出典

  • 経済産業省「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」(AI編・2018年6月公表) PDF(参照日: 2026年9月22日)。
  • 当社調査: AI Market・LION AI・メタバース総研・WEEL各社の公開情報の集計(2026年7月時点)。工程別相場と開発案件全体の総額は別区分として使用。
  • 当社調査資料に収録された他社メディアの調査値: JAPAN AIラボ(参照日: 2026年7月17日、確度: 中)。規模別開発費と運用保守費の参考値として使用。
  • 当社調査: AI Expertの事業ファクトシート(AI適用診断の価格・期間・本番非接続の条件、専門家の稼働条件、2026年9月時点)

FAQよくある質問

PoCの料金はいくらですか?
PoC本体の相場は100万〜500万円で、期間は1〜3ヶ月です。前段のコンサル・要件定義は40万〜200万円(1〜2ヶ月)が目安です。別に収録された開発案件全体の総額相場は、小〜中規模500万〜1,500万円、大規模1,500万円〜数千万円です。これはPoCだけの合計額ではありません(当社調査、2026年7月時点)。
AIにおけるPoCとは何ですか?
PoC(概念実証)は、本番システムを作る前に、AIが実際に希望する精度で動くかを検証する工程です。試作や評価を通じて、本番開発へ進む材料を集めます。本番接続や運用整備まで含むかは見積によるため、検証の対象と対象外を確認してください。
AIの月額費用はいくらですか?
PoCが終わって本番開発に進んだ場合の目安として、AIモデルの本開発は人月単価100万〜250万円、システム開発部分は人月単価80万〜200万円です。本番稼働後の運用保守は月額10万〜30万円前後が目安で、年間の保守費は開発費の10〜20%程度になることが多いです(当社調査)。PoC本体の費用とは別枠なので、混同しないよう注意してください。
AIコンサルの料金はいくらですか?
PoCの前段にあたるコンサル・要件定義の費用は、40万〜200万円が目安で、期間は1〜2ヶ月です(当社調査、2026年7月時点)。検証したい仮説の数や、業務ヒアリングの範囲によって幅が出ます。PoC本体の費用とは別に見積もられることが一般的です。
AI PoCの費用はどんな要因で変わりますか?
主に5つです。①検証する範囲・仮説の数、②データの有無や整備状況、③契約形態(準委任か請負か)、④発注先の単価帯、⑤検証にかける期間と稼働頻度です。同じ「PoCをやる」という依頼でも、この条件の組み合わせで見積が変わります。
AI PoCの費用を抑える方法はありますか?
3つあります。①いきなりPoCに入らず、AI適用診断のような軽い入口でPoCの要否を先に切り分ける、②検証する仮説を1つに絞り、複数の仮説を同時並行で走らせない、③週1〜2回稼働の専門家レンタル型を使い、PoC推進にかかる人件費を圧縮する、の3つです。
教師データを自社で持っていない場合、PoCの費用は変わりますか?
変わる傾向があります。教師データ(AIに学習させるための正解付きデータ)が未整備な場合、データ収集やアノテーション(=データに正解ラベルを付ける作業)の工程が新たに加わるため、検証範囲が同じでも費用が上振れしやすくなります。具体的な倍率は案件ごとに差が大きく、公開された一般的な相場はありません。
AI PoCとAI適用診断は費用も含めて何が違いますか?
AI適用診断は、ライト15万円・標準30万円(税別)で2週間・本番非接続の入口商材で、研修・試作・実装のどれに進むべきかを先に切り分けます。PoC本体は100万円〜で、実際にAIモデルを試作して精度を検証する工程です。発注先をどう選ぶかというPoC支援の話は、また別の論点になります。

Writerこの記事を書いた人

AI Expert 編集部運営: Orga合同会社

非エンジニアの運営者が、自社の営業(リスト作成・文面・送付・資料・日報)をAIで毎日動かしながら書いています。中小企業のAI適用診断・実務題材型AI研修・プロAI人材のマッチングを提供。

この記事の検証方法: 数字・価格・仕様は一次情報(公式ドキュメント・公式料金ページ)か自社の実測だけを使い、出典に参照日を付けています。公開前に機械検証(verify_post)と、書き手とは別のAIによる事実照合を通しています。

この記事の検証環境: 費用相場は、指定の競合調査資料に記録された公開情報の集計値と照合しました。運用保守費は、同資料に収録されたJAPAN AIラボの調査値(確度: 中)を使用しています。開発段階とPoCの定義は、経済産業省の公開資料と照合しました。AI適用診断の価格・期間・提供条件は、AI Expertの事業ファクトシートと照合しました。価格の集計時点と記事の公開日を区別し、最新の見積を保証する値としては扱っていません。公開前に、書き手とは別のAIが数字と出典を1つずつ照らし合わせました。